米国で1800億円超の企業評価額に到達、投資家・市場構造のダイナミクスを変える存在へ
米国シリコンバレーを拠点に、世界40カ国以上で金融インフラ事業を展開するAlpaca(アルパカ) が、2026年1月に実施したシリーズD資金調達で **1億5000万ドル(約230億円)を調達し、企業価値は 11.5億ドル(約1819億円超) に達した。これによりアルパカは名実ともに ユニコーン企業 の仲間入りを果たし、日本人起業家が率いるグローバルフィンテック企業の代表例として注目を集めている。 
この快挙は単なる資金調達の成功ではない。既存の金融インフラの概念を拡張し、金融商品・取引のアクセス方法そのものを根底から変えようとしている点にこそ、本質的な意義がある。本稿では、アルパカの事業モデル、ユニコーン入りの背景、日本市場や日本人投資家への影響、そして暗号資産・ビットコインETFを巡る今後の可能性までを包括的に整理する。
- APIで切り拓く「証券インフラ」の新領域
- 投資家と市場からの評価:ユニコーンに至る道
- 日本市場との関係性と個人投資家への示唆
- アルパカと暗号資産・ビットコインETFの関係
- アルパカがもたらす金融の未来像
APIで切り拓く「証券インフラ」の新領域

アルパカの創業は2015年。共同創業者の 横川毅氏と原田均氏 によって米国シリコンバレーで設立された会社は、単なる証券会社ではなく、APIベースの証券インフラ提供企業 として差別化を図ってきた。 
株式、ETF、債券、暗号資産などの取引機能を、他企業が自前で構築することなく自社サービスへ組み込めるようにする――これがアルパカの核心だ。従来、証券取引システムは膨大な規制対応、注文処理インフラの構築、クリアリング・決済ネットワークの連携といった高度な技術・コストを必要とした。だがアルパカのAPIを介せば、こうした複雑さを意識することなく、証券取引機能をサービスに実装できる。 
またプログラムトレード、アルゴリズム取引、スマートオーダールーティング、そして24時間取引といった高度機能もAPIを通じて利用可能だ。こうした設計は、金融機関・フィンテック企業・スタートアップ・投資プラットフォーム など、多様なユーザーに支持され、導入実績は既に300社を超え、世界中で900万口座以上を支える基盤へと成長している。 
投資家と市場からの評価:ユニコーンに至る道

今回のシリーズDでは、米国VCの Drive Capital を中心に、シタデル・セキュリティーズ、MUFGイノベーション・パートナーズ、クリプトエクスチェンジの Kraken や、本田圭佑氏が設立した投資ファンド X&KSK など多様な投資家が参加した。 
この投資家陣営の顔ぶれは象徴的だ。伝統的な金融機関から暗号資産エコシステム、スポーツ・エンタメ領域まで幅広く、金融サービスの未来像が旧来の枠を超えて再構築されつつある ことを示している。
評価額が10億ドルを超える「ユニコーン化」は、単に資金調達が成功したというだけでなく、アルパカの事業モデルそのものが 金融インフラのデファクトスタンダードを狙いうるポジションにある という市場の判断でもある。
日本市場との関係性と個人投資家への示唆

アルパカは日本市場でも一定の存在感を有している。日本では NISA普及に伴う米国株・ETFへの関心が高まるなか、SBI証券やブルーモ証券といった国内サービスがアルパカの技術やAPIを活用しているという状況も見られる。 
さらに、かつてアルパカが日本の AlpacaJapan を買収し、日本FSA(金融庁)登録のブローカーディーラーとして位置づける動きもあった。これによって日本国内の投資家にも、より接続性の高い証券取引アクセスが提供される下地が整っている。 
つまり、日本在住の個人投資家が 米国株式・ETFに投資する際のインフラ面で恩恵を受けることは間接的に起こり得る。ただし日本の口座から直接アルパカに開設し、同社の全機能を利用する形は、現時点では日本の規制・サービス仕様によって制限が生じる可能性がある点は留意すべきだ。
アルパカと暗号資産・ビットコインETFの関係

アルパカは米国において暗号資産トレーディング機能を提供する子会社を有しており、APIを通じて暗号資産取引の構築も可能だ。これにより、金融商品としての暗号資産やそれに連動するETF商品へのアクセスを提供するインフラ構築が技術的には可能である。 
ここで重要なのは、「暗号資産の取り扱い」そのものと、「ビットコインETFへの投資」という金融商品へのアクセスは異なるという点だ。
近年、米国では現物ビットコインETFの承認が進み、ブラックロックやグレイスケールなどの大手による申請・承認が話題になっている。これは投資家が証券口座を通してビットコイン価格に連動する商品に投資できるようになるという流れだ。 
一方、日本でも 暗号資産を金融商品として再分類する動きが進んでおり、将来的にスポットビットコインETFが日本市場に登場する可能性も議論されている。これは税制改革や規制緩和を含む総合的な制度変更の文脈であり、証券市場の成熟に資すると期待されている。 
アルパカ自身はAPIベースのインフラ企業であるため、投資商品それ自体を独自に設計・販売するのではなく、パートナー企業やプラットフォームを通じて ユーザーが米国ETFや暗号関連商品にアクセスできる環境を提供する役割を担う と言える。
アルパカがもたらす金融の未来像

アルパカのユニコーン入りは、単に企業価値が高まったという話ではない。金融サービスが「モノとして売る商品」から、「機能として組み込むサービス」へと変化していく大転換点 を象徴している。
これまで株式やETF、債券や暗号資産への投資は、それぞれ専門の口座やプラットフォーム上で行う必要があった。だがアルパカのAPIは、これらを一つの抽象化された機能として捉え、他社サービスに“埋め込むこと” を可能にする。
こうしたインフラの民主化・モジュール化は、金融事業の形を根底から変える可能性を秘める。それは、各国の金融規制当局や証券会社にとっても、新たな挑戦であり、同時に 競争と協調のルールそのものを再定義する契機 となるだろう。
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まとめ:分断を超えてつながる金融
アルパカは、金融の“境界”を曖昧にしながら、世界の投資環境を再構築しつつある。APIを通じた証券インフラ提供という役割は、単なる技術提供に留まらず、金融商品そのものへのアクセスの仕組みを刷新する構造変革へと進化している。
日本人起点のグローバルフィンテックがユニコーンとなった背景には、単なる企業評価額以上のテクノロジーとマーケットの革新がある。今後、ビットコインETFや暗号資産関連商品へのアクセスがさらに広がるにつれて、アルパカはその中心的インフラとしての役割を一層強める可能性がある。
投資家、起業家、規制当局――誰もがこの変化を単なるトレンドとして捉えるのではなく、金融の根幹を見直す契機として位置づけるべきだ。
著者プロフィール

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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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