こんにちは、K2 Collegeの野村です。
今回は、9月5日にYahoo!ニュースに掲載されていました「高槻保険金殺人事件「保険金1億5000万円」の意外な相続人」について解説しようと思います。元外資系保険営業マン(プルデンシャル生命)による保険金殺人事件の疑い。これまでの保険業界で例を見ない保険金殺人事件ですが、これまでのいきさつ含めて解説していこうと思います。
- 自殺した高井(旧姓松田)凛容疑者とは?
- 保険営業マンとしてトラブル続きでクビに。その後事件へ・・・
- 二人の接点は?事件に至った経緯
- 容疑者自殺で真相解明は迷宮入りに・・・
自殺した高井(旧姓松田)凛容疑者とは?
まずは、今回容疑者として逮捕されたが、数日後に留置場内で自殺した高井(旧姓松田)凛容疑者とはどんな人物だったのでしょうか?
高井凛は、兵庫県西宮市出身で有名私立校の関西学院高等部に通っており、3年生の時には攻撃の司令塔である「クオーターバック」の日本代表に選出されてるという華やかな経歴を持っていました。因みに、養子縁組前の高井凛の旧姓は松田といいます。
彼は中・高の同級生らによると成績も良く、アメフトに関しては部活も真面目で日本代表を真剣に考えるレベルの取り組みようだったというから驚きです。
ただ持ち前の性格が「とにかく上昇志向が強かった」と大学時代の同級生も語るほどで、アメリカンフットボールで高校日本代表を経験してから強豪の関西学院大に進み、外資系コンサルティング会社に就職。
その後、2018年11月に転職したのが外資系生保のプルデンシャル生命で営業成績も良かったといわれています。
しかし、人生のターニングポイントは大学に入学してからでした。
関西学院高等部という強豪のアメリカンフットボール部に所属し、日本代表を経験、その実績で当然日本のアメフト界での活躍が期待されておりました。関西学院大学に進学し、大学でもアメフト部に所属しますが、大学に入ってすぐ筋トレ中に脳出血を起こし、生死の境をさまよったということです。この怪我という挫折を味わって後は、主に試合を分析するスタッフやコーチとして裏方で活動したそうです。
現役選手としては認められなかった高井凛は、大学チームに籍を置きながら高等部(関西学院高校)のコーチを務めることになったのですが、自身はもっと選手として活躍したかったようです。
命はとりとめたものの、脳の怪我であり安全性の観点から、アメフト選手として復帰できなかったのだとか。恐らく、人生をかけて熱中していただろうアメフト選手からの離脱後、彼の素行が明らかに変化したと同級生らは語っています。
保険営業マンとしてトラブル続きでクビに。その後事件へ・・・
大学卒業後、外資系コンサルティング会社を経て、2018年11月にプルデンシャル生命に転職しました。
元同僚らによると、新人研修で「必ず成功する」と宣言し、1週間で計100万円超の契約を取り付け、何度も社内で表彰されたんだとか。
この頃から派手な暮らしぶりが目立つようになり、東京都港区の家賃数十万円のタワーマンションに住み、購入したイタリアの「ランボルギーニ」の高級車の写真や、高級すし店に通う様子をSNSに投稿していた。
また、別の元同僚によると、顧客トラブルも絶えなかったとか。顧客に契約内容を理解させないまま高額契約を結んでいたことが社内で明らかになり、20年6月に退職。国の生命保険募集人の資格を取り消され、保険の販売ができなくなったという。その後は、ベンチャー系の金融会社に転職するなど転々としていたという。
会社から退職を知らされた女性顧客から「(高井被告には)結婚すると言われていたのに」との苦情が相次ぎ、複数の独身女性に結婚をもちかけて契約していたことも発覚したという。
当時の顧客の一人で溺死した女性は、20年秋までに高井被告の仲介で2件の生命保険(保険金計約1億5000万円)に加入。21年2月に高井被告と養子縁組を結んだ後、受取人は高井被告に変更された。
こうした事情を知る関係者は「保険外交員が顧客の養子に入り、保険金の受取人になるのは全く理解できなかった」と語る。
女性の遺体が自宅で見つかったのは、5か月後の21年7月だった。元同僚の男性(30)は21年9月に都内の飲食施設で偶然再会した時のことを覚えている。男性は、高井被告が顧客の保険金の受取人になったと聞いており、近況を語り合う中「人だけは殺すなよ」と冗談めかして伝えた。その瞬間、顔から笑みが消え、「何で知ってるんですか」と聞き返されたという。
男性は「ドキッとして、慌てて話題を変えた」と話す。その後、女性が不審死していたことを周囲から聞かされ、連絡をしてきた捜査員にこのやりとりを伝えていたんだとか。
二人の接点は?事件に至った経緯
そもそも、二人の接点は何だったのでしょうか?
それは、高井凛容疑者がプルデンシャル生命で勤務しているときに、被害者の高井直子さんと知り合ったそうです。
高井直子さんは資産家で、億単位の総資産を保有していました。京都ノートルダム女子大から都市銀行グループに勤務し、50代までずっと家に留まっていたようです。高井直子さんに、死亡時に1億円が支払われる生命保険を仲介していました。
その後、高井凛容疑者は高井直子さんとの養子縁組届を偽造し、1億5千万円の生命保険の受取人となっていたのです。そして、2021年7月22日、高槻市八幡町にある高井直子さんの浴室で、直子さんを沈めて殺害し、保険金をだまし取ろうとしたようです。高井直子さんの両手首には、結束バンドで縛られた跡が残っていたそうです。当時、高井凛容疑者は東京都内に住んでいたのですが、高井直子さんの自宅近くの防犯カメラに映っていました。
養子縁組は、高井直子さんから打診が来て決めたといい、「受けないメリット、理由がなかった。」と答えていたようです。
高井直子さんは独身で兄弟もいないため、養子縁組に至ったといいます。また、高井直子さんは死亡する前、「若い男」「東京に腹違いの弟がいる」などと発言していたようです。
(まとめ)容疑者自殺で真相解明は迷宮入りに・・・
1年がかりで捜査し、先月ようやく逮捕されたが、その数日後の9月1日早朝、高井(旧姓松田)凛容疑者(28)が留置場内で自殺を図り搬送先の病院で死亡が確認された。捜査中の容疑者死亡によって真相は闇に葬られてしまった。
ただ、直子さんにかけられていた保険金1億5000万円は未だに支払われていないという。今後、直子さんの巨額の資産に関しての相続はどうなるのか?
私は法律の専門家ではないので、その辺りについては見解出来ませんが、仮に養子縁組は高井凛容疑者が偽装して行ったものであるのなら、今後養子縁組に関しては手続き含めてもっと厳格にしないと同じような事件が起きてしまう可能性も否定できない。
本来、生命保険というのは残されたご家族に今後金銭的に不自由しないように与えられるものだ。それをこういうごくごく一部の悪党によって、保険業界全体のイメージが更に悪化しかねない。
今はサインレスであらゆる事務処理が簡素化されている中、一方でこうした「複雑な関係」に関しては両者自筆のサインや実印を押印するなど事務手続き今まで同様に厳格にする必要があるだろう。
こうした事件が今後起きないように、予め疑わしき契約に関してはより一層、保険会社もチェックする必要があるのではないだろうか。
まとめ
- 高井(旧姓松田)凛容疑者は元プルデンシャル生命の営業マン
- 営業成績は良かったが、ほとんどがイカサマの契約
- 高井凛容疑者がプルデンシャル生命で勤務しているときに、被害者の高井直子さんと知り合う
- 容疑者自殺で真相は闇の中へ
- 今後、直子さんの巨額の資産の相続はどうなるのか?
今回は「高槻保険金殺人事件「保険金1億5000万円」の行方」について寄稿しましたがいかがでしたでしょうか?前代未聞の元保険営業マンによる保険金殺人の疑い。悪いのは当然この容疑者ですが、留置所で自殺させてしまったのは警察の大失態といえるでしょう。これで真相は闇の中になってしまいました。また、保険会社の採用に関しても「誰でもウェルカム」ではなく、人物像など含めて今後は採用を考えたほうが良いかと思います。言い出せばきりがない事件です。最後になりましたが、被害者並びにご遺族の方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
弊社ビジネスパートナーも随時募集中しておりますので、この機会に是非!
*パートナー募集はこちら
著者プロフィール
-
<経歴>
大学卒業後、大手宝飾品専門店に3年2ヶ月勤務。
生命保険業界の杜撰さに唖然として、世直ししたい一心で2006年6月から生命保険の代理店で生命保険の営業マンとして11年半勤務。
その傍らで、より顧客ニーズに立ったアドバイスがしたいと思い、2011年10月より個人事業として海外投資のアドバイスを開始。
弊社代表の河合と共通の知人経由で知り合い、その後弊社保険アドバイザー(K2 Assurance)として2017年12月より参画。
現在では、主に弊社パートナー(K2 Partners)向けに勉強会やセミナー講師、オンライン面談などを日々こなしています。
多くのパートナーが海外投資・海外保険のスペシャリストになるように日々サポートしております。
最近の投稿
- 医療保険2023.01.17PayPayほけん「インフル見舞金保険」、3日で1万件突破!
- コラム2023.01.08プルデンシャルが乗合代理店の新会社を設立!〜代理店営業はますます激化〜
- コラム2022.12.27東京海上日動あんしん生命保険の元社員が約3億8000万円を詐取!
- コラム2022.12.24過去に破綻した事がある日本の保険会社の今
この投稿へのトラックバック: https://media.k2-assurance.com/archives/7406/trackback