利上げだけでなく、量的引き締め(QT)にも注目すべき

こんにちは。K2 College大崎です。

最近は、経済指標が軟調で利上げペースは鈍化するとの観測から株価も一時的に回復してきておりますが、株式にとってしばらく軟調な市場が続く可能性があります。

こちらのコラムでも市場は「逆業績相場」へ移行しつつあることについて触れましたが、

利上げペースは鈍化しそうですが、そもそも9月から量的引き締め(QT)も始まっていることも忘れてはなりません。

  • 量的緩和で株価は上昇してきた
  • 的引き締め(QT)は株価にとってマイナス要因
  • リターンを狙いながらも損失は限定的に抑える

量的緩和で株価は上昇してきた

2020年のコロナショックの際、米国・日本・欧州などの主要中央銀行は、市中から国債などの債券を買い取り、大量のお金を市中にバラマキました(量的緩和)

そのお金が株式や不動産市場に流れ込んで、ここまで価格は上昇しているわけです。

以下のグラフを見ていただくと、主要中央銀行がバランスシート(総資産)の拡大に合わせて、世界株式も上昇しているのが見て取れるかと思います。

2008年のリーマンショック以降も量的緩和をしてきておりますが、2020年の規模はとても大きく、世界株式の上昇率もその分、高いのも確認できますね。

市中はお金がジャブジャブ溢れ、「お金の価値」が下がっているから「物の価値」が上がり、世界では高いインフレになっているのです。

量的引き締め(QT)は株価にとってマイナス要因

そこでFRB(米連邦準備制度理事会)は6月1日から国債などの保有資産を減らす量的引き締め(QT)を開始して、政策金利の引き上げと合わせてインフレの封じ込めをしているのです。

6月からQTを開始し、毎月、財務省証券と政府機関債は300億ドル、MBS(不動産担保証券)は175億ドルを上限に資産を減らし、9月からはその資産縮小ペースは倍増することになっていましたが、当初は計画どおりに進んでおりませんでした。

しかしながら、最近は進捗率が上昇してきておりますので、インフレ抑制に対しては期待できますが、株価にとってはマイナス要因ですので、投資家は注意が必要です。

こちらのグラフFRBバランスシートですが、資産(青)が縮小し始めているのが確認できますね。

2020年3月の4兆ドル台から9兆ドル弱と2倍以上に膨らんだ資産を圧縮していくわけですから、市中のジャブジャブマネー状態が徐々に解消されていき、リスク資産に向かうマネーが減少していくことは覚えておく必要があります。

また、グラフにはS&P500指数(赤)の値動きを反映させてありますが、2022年は年初来より、下落基調になっております。

これは大幅な利上げが続いた影響が大きいですが、今後は量的引き締め(QT)も気にした方が良いかと思います。

マーケットはこのような状況ですので、引き続き株式のボラティリティ(値動き)は高いかと思います。

リターンを狙いながらも損失は限定的に抑える

今週は経済指標の発表が目白押しですが、

ADP雇用者数
実質GDP
PCEコアデフレータ
製造業PMI
ISM製造業景気指数
非農業部門雇用者数
失業率

今後もインフレ抑制や利下げの可能性が期待できる情報が出れば、株価は再び上昇する可能性もあります。

そこで、リターンを狙いながらも損失は元本の5%と限定的に抑えることができる「元本確保型ファンド」で運用されてはいかがでしょうか。

とくに50代以降のお金を減らせない方は、ポートフォリオに組み入れていただくのも宜しいかと思います。

まとめ

  • 利上げだけでなく、量的引き締め(QT)にも注目すべき
  • 量的引き締め(QT)に株価にとってはマイナス要因
  • リターンを狙いながらも損失は限定的に抑える方法を取り入れる

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著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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