プルデンシャル生命 米国ドル建終身保険(無配当)

こんにちは、K2 College 松本です。

今回はプルデンシャル生命の終身保険米国ドル建終身保険を解説します。プルデンシャルといえば「ドル商品!」ということで、日本ではトップクラスの予定利率(2.5%)を誇る米ドル建の終身保険です。ご提案を受けている方、既に契約されている方も多いと思います。

利率が2.5%であれば、銀行の金利0.001%の2,500倍もあります!!
予定利率が高いということは、貯蓄性が高いので契約したほうがいいですよね?

早まってはいけません。保険商品は『予定利率』『積立利率』と分かりにくい表現をしますが、これは『利回り』とは違います。実際の利回りがどれくらいなのか理解した上で判断しましょう。

  • プルデンシャル生命はCMしてないだけで信頼できる会社
  • 予定利率が2.5%と国内トップクラス
  • 返戻率は10年で90%しかない。海外終身保険との比較すると…
  • 契約はしない。既に契約している人は個別相談してください。

プルデンシャル生命はCMしてないだけで信頼できる会社

会社概要

プルデンシャル生命は日本に本社を置く外資系生命保険会社で、アメリカ大手の金融機関プルデンシャル・ファイナンシャルのグループ会社です。同じグループ会社で、ジブラルタ生命PGF生命(銀行や代理店チャネル専業会社)があります。

1987年10月に設立され、この時代には珍しい男性のみを保険営業マンとして採用していましたが、現在では女性も採用しいます。プルデンシャルの一番のウリである保険営業マンのことを「ライフプランナー」の呼称で呼び、登録商標にもなっています。

ちなみに1979年にソニーとの合弁でソニー・プルデンシャル生命保険を設立しているが、その後合弁は解消され、ソニー・プルデンシャル生命は現在のソニー生命となっており、プルデンシャル生命保険とは繋がりはありません。

営業開始:1988年4月
総資産:5兆4,772億円(2021年3月末時点)
保有契約高:42兆325億円(2021年3月末時点)

格付情報

S&P:A+ (2021年6月末時点)
R&I:AA- (2021年6月末時点)

ソルベンシーマージン比率

824.5% (2021年3月末時点)

会社名は知りませんでしたが、お世話になっている人から紹介されて会ってみると、パリッとした営業マンで信頼できると感じました。

CMなどをしないのが、プルデンシャルグループの方針なので知らない方も多いと思います。しかし、格付けソルベンシーマージン比率からも十分に信頼に値する会社と言えます。人対人なので合う合わないはあるとますが、非常に優秀な営業マンが多いです。

予定利率が2.5%と国内トップクラス

終身保険 イラスト イメージ 英語

契約概要

商品名:米国ドル建終身保険〔無配当〕
契約年齢:0歳〜75歳
払込期間:5年〜30年、55歳〜85歳、終身払
払込頻度:月払、半年払、年払
予定利率:2.5%(2021年4月1日時点)

※死亡保障USD50,000以上の場合は割引があります

商品解説

予定利率は2.5%と国内トップクラスですが、普通の米ドル建終身保険です。終身保険なので一生涯の死亡保障貯蓄機能がありますが貯蓄性はとても低いので、貯蓄を目的で契約する必要はありません。また貯蓄機能があることで、死亡保障額に対する保険料が高いことがデメリットです。

一生涯の死亡保障があり、利率も2.5%あるなら資産運用にもなるし加入したいです。

皆さんが勘違いするポイントでもありますが、予定利率は「利回り」や「金利」とは違うので注意してください。次のチャプターで具体的なシミュレーションの数字を見ていきましょう。

保険用語については下記のリンクで詳しく解説しています。
『予定利率』『積立利率』『利回り』とは?

返戻率は10年で90%しかない。海外終身保険との比較すると…

パンフレットには具体的な契約例が記載されていないので、ご相談頂いた方の契約例は以下の通りです。

契約例

契約年齢:25歳 男性
死亡保障:USD 160,000
保険期間:終身
払込期間:10年
払込頻度:半年払
保険料:USD 3,343.82

総支払保険料:USD 66,876

<解約返戻金と返戻率の推移>
10年後(35歳):USD 60,592(90%)

15年後(40歳):USD 66,624(99%)
20年後(45歳):USD 73,232(109%)
25年後(50歳):USD 80,448(120%)

30年後(55歳):USD 88,224(131%)
35年後(60歳):USD 96,544144%

45年後(70歳):USD 114,432(171%)
55年後(80歳):USD 132,592(198%)

10年で保険料の支払いが終わっても元本割れ状態です。16年目でようやく支払った保険料以上の解約返戻金になり、あとは寝かせておくだけで増えていきます。返戻率だと数字が大きく見えるので沢山増えてる気がしますが、35年後(60歳)でたった44%しか増えていません。それぞれを実質利回りで計算すると。

<実質利回り>
10年後(35歳):-0.21%

15年後(40歳):-0.04%
25年後(50歳):0.95%
35年後(60歳):1.25%
45年後(70歳):1.37%
55年後(80歳):1.39%


保険会社に35年間保険料をロックされたのに35年後の利回りは1.25%と度肝を抜かれる低さです。もちろん契約時から死亡保障がありますし、メガバンクの普通預金の金利0.001%よりは良いですが、運用目線でみると利回りは低すぎですね。

35年後の利回りで考えても予定利率(2.5%)の半分しかないんですね。。。

はい。貯蓄や資産形成という目線で考えると魅力は全くありません。
また死亡保障16万ドルを6.6万ドルで購入できてるからお得!と考える人もいるでしょうが、これがそもそも高すぎなんですよ。『新インデックス型海外終身保険』と比較してみましょう。

『新インデックス型海外終身保険』との比較

契約年齢:25歳 男性
死亡保障:USD 160,000
保険期間:終身
払込期間:15年
払込頻度:年払
保険料:USD 1,419.2

総支払保険料:USD 21,288

<解約返戻金と返戻率の推移>
15年後(40歳):USD 27,880(130%)
25年後(50歳):USD 52,083(244%)
35年後(60歳):USD 106,071498%

45年後(70歳):USD 224,857(1,056%)
55年後(80歳):USD 474,273(2,227%)

<実質利回り>
15年後(40歳):3.74%
25年後(50歳):5.25%
35年後(60歳):6.00%
45年後(70歳):6.47%
55年後(80歳):6.74%

どうですか? ビックリしました?笑
まずは総支払保険料の安さです。16万ドルの死亡保障をたった2万ドルで購入できます。続いて解約返戻率の高さです。35年後(60歳)の時点でプルデンシャルに解約返戻金を上回ってしまいます。それから払込期間は15年なのでプルデンシャルよりゆっくり支払ってこのポテンシャルです。

保険料が安すぎなのと、返戻率が1,000%を超えてるんですけど。。。

初見の方は皆さん驚きます。
死亡保障が安く購入できることは当たり前ですが、死亡保障が必要ない方でも実質利回りで5%以上を得られたら資産運用としても十分な価値があると思います。

契約はしない。既に契約している人は個別相談してください。

終身保険の特徴は、死亡保障と貯蓄の両立が出来ることですが、
・貯蓄性が低すぎる
・死亡保障に対する保険料が高い

という理由でオススメできません。

既に契約している場合はどうしたらいいでしょうか?

契約内容によって「継続」「減額」「払済」「解約」と適切なアドバイスは変わるので、私に直接ご相談ください。

※直接相談(無料)

まとめ

  • 加入するのはやめよう
  • 今契約していたら、内容を見て個別に判断するので、お気軽にご相談ください(無料)
  • 日本では保障と貯蓄は分けて契約しよう(終身保険はしないで)

海外の終身保険であれば貯蓄性が高いので、死亡保障との両立ができます。詳しくは入門書を一読ください。
※【入門書】家族のために死亡保障を準備するための入門書

また教育資金準備や貯蓄だけが目的の方は、下記の入門書を一読ください。
※【入門書】公的年金に依存しない自分年金を準備するための入門書
※【入門書】子供のためにベストな学資保険に入るための入門書

著者プロフィール

松本崇裕
松本崇裕
大学卒業後、東証1部上場の設備会社で現場監督として勤務。

外資系生命保険会社からスカウトされ、2013年1月から生命保険のライフプランコンサルタントとして6年3ヶ月勤務。

また同時期に個人で海外投資も始めましたが、海外投資の情報は少なく信頼できるか判断も難しいので、WEBや知人から沢山の情報を集めていました。 その1つの情報源としてK2のメルマガを購読しながら知識を深めていきました。

そして国内外の保険や投資についてメリット、デメリットを正直に伝えた上でアドバイスをする活動方針に共感し、弊社保険アドバイザーとして2019年4月よりK2 Holdingsに参画しました。

クライアントのマネーリテラシーの底上げをしつつ、日々顧客利益の為に活動しております。

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