投資において大切なのは○○を増やすこと

こんにちは。K2 College大崎です。

先般、「ドル・コスト平均法」についての話をしましたが、意外とその効用を理解できていない方がいるのですよね。

  • 積立投資を継続している期間中は、価額は低い方が良い
  • 大切なのは株数を増やすこと

積立投資を継続している期間中は、価額は低い方が良い

改めて説明しますと、「ドル・コスト平均法」とは一定額の購入を続ける手法のため、価額が低いときは購入量(口数)が増加し、価額が高いときは購入量(口数)が減少し、全体の平均購入単価を平準化させる効果がありました。

ですから積立投資を継続している期間中は、価額は低い方が良いのです。

積立投資をしていたのですが、運用成績が悪い状態が続いたので止めてしまいました。

それは、個人投資家の7割が失敗すると言われている理由のひとつですね。

マイナスリターンが続いたりすると気持ちが参ってしまい、投資を止めてしまう気持ちもわかりますが、それは感情の問題であり、基準価額が上昇し続けるよりも下落後に上昇した方がリターンは良くなることを知っていれば、投資を続けることができたかも知れません。

例えば、このグラフは毎月30,000円を20年間、積立投資を続けたものですが、

青色の折れ線グラフは基準価額が「上昇し続ける」パターン、赤色の折れ線グラフは「下落後に上昇する」パターンでシミュレーションを作成してあります。

「下落後に上昇する」パターンは、下落時は積立額を下回ってしまいマイナスリターンとなるタイミングもありますが、最終的には積立額を上回るどころか、「上昇し続ける」パターンを上回っております。

どうしてこうなるのかというと、「上昇し続ける」パターンは購入できる口数は減り続ける一方で、「下落後に上昇する」パターンは下落時に口数をたくさん買うことができたからです。

だから、積立投資をしている期間は「基準価額は低い方が良い」のです。

大切なのは株数を増やすこと

積立投資を継続する期間中は、基準価額が下がれば喜んだ方が良いですね。

そうなのです。
なかなか理解してもらえないのですが、投資の経験を重ねてくるとそうなって来ます(笑)

投資をしていると、資産価格や基準価額(株価)ばかり気にしている人が多いですが、それぞれ以下の組み合わせとなります。

資産価格=基準価額(株価)×株数

ここで大切なのは「株数」を増やすことです。

資産価格や基準価額(株価)は自分ではコントロールできませんが、「株数」は投資金額を増やすなど自分でコントロールできます。価額が低いときに投資すればたくさん株数を増やすこともできますしね。

そして、基準価額(株価)が上昇しようが下落しようが株数は変わりませんから、「株数」を増やすことにフォーカスすると良いですよ。

とは言え、ひとつだけ例外があります。
それは、基準価額が「下落し続ける」パターンです。

基準価額が下がることで「株数」を増やすことはできるのですが、基準価額が上昇しなれば一度も投資元本を上回ることもなく、マイナスリターンで終わってしまいます。

現実的に基準価額が「下落し続ける」、もしくは「上昇し続ける」ような資産クラスはあまりないかと思いますが、少なくとも「下落し続ける」資産クラスには投資しないように気をつけてください。

積立開始後は上昇するよりも下落した方が良い

知られていない「ドル・コスト平均法」の真実の記事において、積立投資も資産が大きくなるとドル・コスト平均法の効果は小さくなることをお伝えしました。

こちらについても、今回の毎月30,000円を20年間、積立投資を続けた場合のシミュレーションで説明します。

以下グラフは、一番最初に掲載した「上昇し続ける」パターン(青色)と「下落後、上昇」パターン(赤色)に、「上昇後、下落、上昇」パターン(緑色)を加えたシミュレーションです。

「下落後、上昇」パターン(赤色)と「上昇後、下落、上昇」パターン(緑色)を比べていただくと、「下落後、上昇」パターン(赤色)の方が資産価格は高くなっていることが確認いただけるかと思います。

これは、積立投資を開始して数年間、「上昇後、下落、上昇」パターン(緑色)は基準価額が上昇した一方で、「下落後、上昇」パターン(赤色)は下落したのが要因です。

要は、「下落後、上昇」パターン(赤色)の方は基準価額が低いうちに株数をたくさん増やしたからです。

「上昇後、下落、上昇」パターン(緑色)も11年目から14年目に基準価額が大きく下がって株数を大きく増やしましたが、基準価額が低いうちに株数を増やした「下落後、上昇」パターン(赤色)には追いつくことができませんでした。

このことから、資産が大きくなるとドル・コスト平均法の効果は小さくなるということが確認いただけるかと思います。

まとめ

  • 大切なのは株数を増やすこと
  • 積立投資を継続している期間中は、基準価額は低い方が良い(例外あり)

「積立投資」でも戦術を間違うと投資も失敗します。
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著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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