仮想通貨関連の詐欺?『マーケットピーク』

こんにちは。K2 Collegeの半野です。

昨日入ったニュース記事から。またといいますか、何回目?と聞きたくなる仮想通貨絡みの詐欺案件です。その名は『マーケットピーク』

仮想通貨詐欺、なんだか毎月のように聞きますね。

これだけニュースになっていても、後を絶たない・・・。検証しましょう。

  • マーケットピークという会社
  • 今回の事件概要
  • 運用スキームは仮想通貨の値上りのみ
  • ここでも集金はMLM(マルチレベルマーケティング)
  • なかなかなくならない、仮想通貨関連の詐欺事件

マーケットピークという会社

この会社は2021年9月に日本に上陸した様子。マーケットピークは金融やブロックチェーン、「DeFi」分野の普及と教育を目的に設立された会社です。DeFi(ディファイ)とは仮想通貨にも使われてるブロックチェーンを使用した金融サービスのことです。仮想通貨取引所だったり、アコムのような仮想通貨専門の貸金業者なども存在します。

会社名:MarketPeak(マーケットピーク)
代表:SBRGEJ HECK(セルゲイ・ヘック)
設立:2017年
所在地:UAE・ドバイ

金融に関する教育と普及の目的を果たすためにマーケットピークは、PeakDefiという独自の資産運用サービスを展開しています。

HPもあります
https://marketpeak.com/ja

こんな文言もありました。
『マーケットピークのPeak DeFiでは銀行口座を作れない貧困層の方でもスマホさえあれば簡単に仮想通貨の保有、取引、運用が行える機能を持っており、Peak DeFiを通して発展途上国における金融リテラシーの向上を目的にしています。』

これだけ聞くと貧困層を助けてくれるいい会社に聞こえますね。しかし、ここのCEO、Sergej Heck(セルゲイ・ヘック)が以前ポンジスキームに関与していたとの情報が。BeOnPushというポンジスキームに関与し新たに立上げた会社とのこと。これだけでも十分に胡散臭いです。

※マーケットピークHPから

海外でもポンジスキームをしていた人物ですか。その時点でNGだと思うのですが。

それでも日本でこういうものを勧めてしまう人間が出てくるんですね。

今回の事件概要

事件の概要は以下の通り。

24日、特定商取引法違反の疑いで逮捕されたのは、東京・港区の坂本昂洋容疑者(33)ら9人で、去年6月から9月までの間、暗号資産への投資話を持ちかけた際、法令で定められた契約書面などを交付しなかったうえ、「契約解除はできない」などとウソを伝えるなどの違法な勧誘を行った疑いです。

捜査関係者によりますと、今回の事件で投資先となったのは、ドバイに拠点を置く「マーケットピーク」という会社が展開する暗号資産とマルチ商法を組み合わせた投資ビジネスでした。20代の若者を中心に2,515人から約7億7,500万円を集めたとみられています。
※Yahooニュースから抜粋

容疑が詐欺ではなく、特定商取引法違反というのがポイント。契約書類もなく、契約解除、いわゆるクーリングオフもできない部分が犯罪行為とみなされたということでしょう。今回も被害者が20代の若い世代に集中しているようです。被害者の声です。

男子大学生(21)
急に友人のSNSの投稿が金持ちの感じになったので『何やっているの?』という感じで、正直興味本位もちょっとありました。友人からは『僕じゃ説明できないから後日会ってわかりやすく話してくれる方に話してもらおう』と言われました。
後日、その友人に連れていかれたのは、大阪市内にあるタワーマンションの一室で、そこには5人ほどの男たちが待っていました。男らは「絶対損しない」などと暗号資産への投資を勧誘してきたと言いますが、徐々に、「10人紹介すればタワマンに住める」などとマルチ商法に話が変わっていきました。

別の男子大学生(21)
男たちからはビットコインの価値が下落して、今回紹介する暗号資産も下がっているけど、これは減退期やから、また上がっていくと言われました。『やったほうがいい』『やらないと損』とずっと言われました。そこから、どんどん話が変わっていって最後の方には人を紹介すれば紹介料をもらえるうという話になっていきました」

男性は怪しいと感じ、トイレに行った隙に逃げようとしますが、男らに囲まれ帰ることも許されませんでした。そして、おびえる男性に男たちは身分を偽り消費者金融から金を借りるよう迫りました。

他にも
「学生だと金額がそんなに借りられないので、バイト先の社員という設定にしろと言われました。僕の周りを円陣みたいな感じで囲んで、スマホを覗き込んでいる状況でした。金を借りる際に”騙されていませんか?”というボタンもあるんですけど、怖くてそれを押そうとしても押せなくて、そのまま140万円を借りさせられました」結局、男性は消費者金融3社から合計140万円を借りて暗号資産を購入ました。しかし、暗号資産の価値は値上がりするどころか下がり続け、現金に換えようと思ってもその方法すら確認できませんでした。

これまでもそうですが、今回さらに目立つのは逃げられないように取り囲んで、強引に消費者金融から借金させて出資させるという方法。かなり悪質です。サイトで検索してわかったことですが、お金が戻ってこないということで以前から非難轟々だったようです。

興味本位で儲け話についていってはいけないということでしょうか。

詐欺に共通するのは友人を平気でダマしているところです。連れて行ってさらに取り囲むのはひどいですね。

運用スキームは仮想通貨の値上りのみ

そして今回特徴的なのが、この運用の中身が不明な点です。これまでの仮想通貨のアービトラージや何らかの取引といったものはありません。調べた範囲では

・仮想通貨『Peak(PeakDefi)』に投資してくれる人を紹介
・紹介した報酬としてその仮想通貨『Peak』をもらう。
・仮想通貨『Peak』の値上がりで利益を得る


独自開発した仮想通貨『Peak』を販売しており、それを人に紹介することで報酬が得られるというのがマーケットピークの大まかな仕組みとなります。単なる仮想通貨の値上りによって月利3%以上稼げるというのがうたい文句としていました。

勧誘して紹介者を出す前提での報酬制度になっていますから、勧誘するつもりはないと考えている方は、マーケットピークに投資する意味はないと言っても過言ではないでしょう。しかも会社そのものがどのような仕組みで利益を出しているのかも全く不透明。しかもこの仮想通貨『Peak』、価格が右肩下がりで報酬として受け取ったところで、全く利益が出そうにありません。最高値時から価格が99%以上!下落している状態です。

これだけ価格が下がってしまうと、100万円投資させられた人は1万円以下まで下がってしまっていますね。

値上がりするかどうかも分からない仮想通貨を報酬にしている時点でおかしいです。

ここでも集金はMLM(マルチレベルマーケティング)

集金方法は、詐欺ではおなじみのMLMによる紹介報酬システムです

・直紹介ボーナス
・サイクルステップボーナス
・マッチングボーナス
・キャリアボーナス
・グローバルボーナス

この5種類のボーナスにプラスして、さらに全10種類のパッケージ商品が用意されています。マーケットピークに投資する際にはこのパッケージを購入することになっていたようです。パッケージの購入費用はUSD125ドルからUSD25万までとピンキリ。

マインドセット:USD125
クリプト:USD750
オールイン:USD2,000
アドバンス:USD4,500
シルバー:USD7,500
ゴールド:USD10,000
ダイアモンド:USD15,000
エンパイア:USD50,000
カントリー:USD100,000
ワールド:USD250,000

より高いパッケージになればなるほどサポートやコンテンツが充実し、紹介者を増やしやすくなったり稼ぎやすくなっていくようです。しかし、アドバンス以上のパッケージを購入した場合、クーリングオフを拒否されていたという悪質ぶりです。

メンバーシステムでランキング化し、高いランクになれば高い報酬を得られるようになっており、セミナーや先ほどの日本人がSNSでうまく誘導していたと考えられます。

被害者の声を聞く限り、パッケージも無理やり感がありますね。

これまでの詐欺案件よりも悪質度は高いですね。無理やり高いパッケージを購入させていたと考えられますから。

なかなかなくならない、仮想通貨関連の詐欺事件

前回の詐欺関連記事でも述べました。

『紹介すればもっと利益が出ます』

今回逮捕容疑は詐欺ではありませんが、まず詐欺であることは間違いありません。上記は現在の詐欺案件の常套文句といえるでしょう。仮想通貨だけでなく、MLMで集金をする案件は注意しなければなりません。しかも今回は本社のCEOが海外で怪しいポンジスキームを展開していたということで、それを日本に広げただけといえるでしょう。今後も仮想通貨、MLMでの紹介制度には十分気をつけて下さい。

まとめ

  • 仮想通貨関連の投資はリスク大
  • MLMによる報酬案件には手を出さないこと

お金を増やす方法は様々です。ご自身のニーズに合った方法を選択して効率的に資産を増やして行きましょう。ご相談は、こちら(無料相談)から連絡ください。

著者プロフィール

半野輝明
半野輝明
大学卒業後、予備校講師などを経験し、海外渡航。
その後外資系企業に勤務し、2005年より再度海外留学を実行。
帰国後、それまでのキャリアよりも、金融や投資に関わる仕事をしたいと考え、海外就職をしました。
海外投資というと、ハードルが高いと感じてしまうかもしれませんが、決してそんなことはなく新しい投資、資産運用という形で出会うことができます。
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