こんにちは、K2 College編集部の森本です。
新NISAのスイッチングについて、わからないという方も多いのではないでしょうか。新NISAはメリットが多い投資制度であることに間違いありません。しかし、銘柄変更する際は少なからずデメリットも存在します。
今回の記事では、新NISAにおけるスイッチングの仕組みについて解説します。新NISAでスイッチングを考えている方は参考にしてください。
新NISAで投資を始めましたが、スイッチングで銘柄変更はできるのでしょうか?
新NISAでは銘柄変更できますが、スイッチングにはリスクもあるため、銘柄変更する際はリスクも考慮して検討する必要があります。
- 新NISAにおけるスイッチングの仕組み
- 新NISAの非課税投資枠のポイント
- 新NISAにおけるスイッチングのデメリット
- 新NISAでは長期的な投資を心掛ける
新NISAにおけるスイッチングの仕組み
新NISAにおけるスイッチングの仕組みについて解説します。
スイッチングとは?
スイッチングとは、保有している銘柄を売却し、その資金を使って新しい銘柄を購入することを指します。これにより、投資家は市場の変化に合わせてポートフォリオを調整できます。
新NISAではスイッチングできない
確定拠出年金である「iDeCo」や「企業型DC」には、保有商品の入れ替えによる資産構成の変更を可能にするスイッチングが利用できますが、新NISAではこれと同じ方法でのスイッチングは認められていません。
新NISAにおいて、年間の非課税投資枠に余裕がある場合は、保有資産を売却して得た資金で新たな商品を購入することが可能です。厳密に言えば、非課税投資枠の範囲内であれば銘柄変更はできますが、利益を含めた額の変更はできないということです。
新NISAでは利益分のスイッチングはできないんですね。
そうですね。あくまでも新NISAでスイッチングを行うと、売却した銘柄の元本分のみ非課税枠として翌年度に復活します。
新NISAの非課税投資枠のポイント
復活は時価ではなく「薄価残高方式」で計算
新NISAで上場株式や投資信託を売却・解約した場合、復活する非課税投資枠は売却時の時価ではなく、購入時の薄価(薄価残高方式)に基づいて計算されます。
仮に100万円で購入した投資信託が70万円に下落、あるいは150万円に上昇した時点で解約しても、翌年に復活する投資枠は購入時の元本である100万円だけです。
新NISAのスイッチングを行う際には、この「簿価残高方式」の特性を理解しておくことが重要になります。
非課税投資枠は翌年から再利用できる
新NISAで投資信託や上場株式を売却すると、非課税投資枠が復活するというメリットがあります。
しかし、復活するタイミングは売却後すぐではなく、翌年になるという点には注意が必要です。つまり、売却によって空いた非課税投資枠を同年中に活用して再投資することはできないということです。
この仕組みが、新NISAにおけるスイッチングの柔軟性を制限しているひとつの要因といえるでしょう。
新NISAはなぜスイッチングの柔軟性を制限しているのですか?
新NISAは「家計の安定的な資産形成」を目的とした長期的な視点で資産運用を推し進めている制度だからですね。
新NISAにおけるスイッチングのデメリット
デメリットを理解せずにスイッチングを行うと、長期的な利益を損なう可能性があります。
長期的に得られるはずだった利益の損失
売却した銘柄の購入額が新しい銘柄の購入額に充てられることは、結果として長期的に得られるはずだった利益が損なわれる可能性があります。
投資の最大のメリットは、「複利」で運用されることです。スイッチングを行わずに当初の銘柄を保有し続けていれば、その銘柄の価値が上昇した場合、複利でより大きな利益を得られる機会を逃してしまうリスクがあります。
新NISAで投資をする場合は長期的な視点を持ち、スイッチングのデメリットを理解することが大切です。
一時的に現金を保有している状態になる
新NISAでは、保有商品を売却した場合、簿価残高方式により翌年の非課税投資枠が復活します。しかし、この仕組みには同年中の再投資ができないという制約があります。
非課税投資枠に余裕がある場合は問題ありませんが、年間投資枠の上限まで使っている場合、一時的に現金を保有している状態となります。
投資できない期間は投資していない状態と同じであり、投資家がポートフォリオを見直すことが難しく、利益額も含めてスイッチングできないのは新NISAにおける大きな課題といえるでしょう。
非課税枠に余裕がある場合は、スイッチングをしても問題ないでしょうか?
問題ありませんが、投資は時間を味方に付けることが重要です。長期運用が基本の新NISAではスイッチングはおすすめできません。
新NISAでは長期的な投資を心掛ける
新NISAを賢く運用するためには、長期的な投資戦略を持つことが重要です。短期的な市場の変動に一喜一憂するのではなく、自身の投資目的やリスク許容度に合った銘柄を選び、着実に積み立てていく必要があります。
スイッチングに頼らず定期的な積立投資を行うことで、時間の経過とともに資産を着実に増やしていくことができます。また、市場の短期的な変動に惑わされず、冷静な判断を心がけることも大切です。
一時的な値下がりに動揺してスイッチングを行うのではなく、長期的な視点を持って投資を続けることが、NISAを賢く運用するためのカギとなるでしょう。
結論としてスイッチングはできるがしない方がいいですか?
そうですね。新NISAでは基本的に銘柄変更をせず、同一銘柄を積み立てたほうが、リスク軽減効果や複利効果を期待できます。
まとめ
- 厳密に言うと新NISAでスイッチングはできない
- 売却後の非課税投資枠は翌年から再利用が可能
- 非課税投資枠は元本分のみ復活する
- 新NISAではスイッチングに頼らず長期的な積立投資を行うことが重要
初心者の方が最適な銘柄を選ぶのは難しいかもしれません。お困りの際は無料相談にてお話を伺いますので、ご希望の方はこちらからご連絡ください。
著者プロフィール
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金融機関や会計事務所で実務経験を積んだ後、現在は金融系Webライターとして活動中。
累計200本以上の記事を執筆し、様々な金融系メディアで執筆経験あり。自らの投資経験や金融の専門知識を活かし、読者にとって分かりやすく実践的な情報提供を心がけている。
保有資格は「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」
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