こんにちは、K2 Collegeの野村です。
大手の保険会社だから安心・・・とは言えないですよね。
そんな事件が2018年に発覚しました。かんぽ生命の不正契約問題ですね。
今日に至るまで、数々の不祥事があった当保険会社ですがそんなかんぽ生命のこれまでの不祥事をまとめてみました。かんぽ生命に加入されている方、かんぽ生命の営業職員から保険を勧められている方はぜひご覧ください。
かんぽ生命とは?
ここでは、かんぽ生命についての会社概要をお伝えします。
<開業日>2007年年10月1日
<資本金>5,000億円
<健全性>
ソルベンシーマージン比率 1121.2%(2021年3月末)
格付け AA−(保険金支払能力、R&I)
A(S&P)
<総資産> 70兆1,729億円(2021年3月末)
<顧客数>2,283万人(2021年3月末)
<保有契約年換算保険料> 4兆5,672億円(2021年3月)
<設立の経緯>
2005年10月21日に公布された郵政民営化関連6法の中の郵政民営化で規定されている生命保険業を営ませるために同法第127条の定めるところにより従い、日本郵政株式会社が2006年9月1日に準備会社として株式会社かんぽを設立。2007年10月1日に商号変更され株式会社かんぽ生命保険に移行し、旧日本郵政公社から主に生命保険事業等を引き継ぎ所要の施設・職員等を承継した委員会設置会社となった。
その後、2019年3月に東証一部に株式上場。総資産額70兆1,729億円は日本生命に次ぐ生命保険会社第二位の規模。
実は民営化前から不正契約は横行していた?
そんな生命保険業界としては第2位の総資産を誇るかんぽ生命で知らない方はほとんどいないぐらい超有名な保険会社です。そんな大手保険会社ですが、実は民営化される前から今日に至るまで営業職員による不祥事があったとも言われております。
<かんぽ生命の不祥事の歴史>
(民営化前)
日本郵政公社は民営化前の2007年6月1日に監督官庁である総務省より簡易保険の不正契約(郵政では不正契約および職員による横領等の内部犯罪を総じて不祥事件と呼んでいる)是正についての行政指導、7月30日には不正契約多発を受け、業績評価「D評価(目標を大幅に下回っている)」を受けた。
公社のHP(現在は日本郵政のホームページから閲覧可能)の報道発表資料によると1年間に多数の職員が保険不適正募集で懲戒処分を受けている。一部報道では郵便局ぐるみで大量の不正契約が発覚するなど保険営業職員に対する個人目標という名の過酷なノルマの達成や成績欲しさが不正契約の背景とされている。不正契約の例として被保険者に面接していない無面接契約など。
これで是正されたかと思いきや2014年あたりからまた不祥事が・・・
(民営化後)
<保険金不払い>
かんぽ生命保険は民営化後の2007年10月~2012年10月の5年間に保険金の請求があった約1700万件のうち約10万 件、保険金額にして約100億円が不払い状態である可能性があると、2012年11月13日に発表した。
<不正契約>
2018年4月24日のNHKのクローズアップ現在+でかんぽ生命が不正契約を行っていると報道した。
2019年6月27日、2014年4月~2019年3月の間に契約したうち、顧客が生命保険の乗り換えで不利益を被った事例が23,900件に上ると発表した。さらに、これらとは別に顧客が半年以上にわたり新旧契約の保険料を二重に支払っていた事例が約22,000件あることも判明した。
2019年7月には、日本郵政・日本郵便の社長らが記者会見行い謝罪した。また特別調査委員会が設置された。2019年7月10日の時点で、少なくとも10万件の不正契約が見つかっている。
2020年3月31日の時点で、2014年4月~2019年3月の間に契約したうち、約183,000件の契約が機械的に調べて見つけられたものとして不正契約の疑いがあるとしている。2019年12月27日に金融庁による業務停止命令(2020年1月1日~2020年3月31日)を受け、当時の社長らは退任。
2020年8月19日現在、特定事案18.3万件のうち、販売員の法令違反が410名、社内ルール違反が2,212名、深掘調査22万件のうち、法令違反が37名、社内ルール違反が3名、見つかっている。2020年8月の営業自粛期間中にも販売員が不正契約を行っていることが発覚している。
2020年10月5日より業務再開しましたが、どんな不正契約をしていたのでしょうか?
どんな不正契約があったのか?
不正契約と一言で言っても、どんな不正契約をかんぽ生命はしていたのでしょうか。不正別にまとめまてみると・・・。
<不正契約の手口>件数は2014年4月~2019年3月の間に契約したうちの件数。
・二重契約(約75,000件)
新契約を結んでから6カ月以内に旧契約を解約すると乗り換えと見なされ販売員の手数料が半減するため、販売員の手数料を増やすために、7~9ヶ月間の二重契約をさせる手法。この間、保険契約者は不必要な保険料を支払っていたことになる。
・3ヶ月以上の無保険(約46,000件)
旧契約解約から3ヶ月以内に新契約に切り替えると乗り換えと見なされ販売員の手数料が半減するため、販売員の手数料を増やすために、4~6ヶ月間の無契約期間を作る手法。この間、被保険者に保険事故があっても補償がなされないことになる。
・特約切り替えで済むのに新規に保険を契約させる手法(約26,000件)
本来は特約切り替えで済むのに、販売員が手数料を増やすために、保険を解約して新契約に乗り換えさせる手法。
・補償内容が同じもしくは悪化するのに新規に保険を契約させる手法(約15,000件)
販売員が手数料を増やすために、悪化もしくは意味が無いにもかかわらず、新契約に乗り換えさせる手法。
・乗り換え不可能な保険を契約させる手法(引受拒絶が約18,000件、支払拒絶が約3,000件)
健康状態などの理由により、新契約が保険として機能しないのにもかかわらず、販売員が手数料のために、新契約に乗り換えさせる手法。
・解約を25ヶ月まで引き延ばす手口保険を解約したい顧客に対して、24ヶ月以内で解約されると、販売員は手当を返納しないといけないため、解約を25ヶ月まで引き延ばす手口。
この間、契約者は不必要な保険料を支払っていたことになる。
植平社長(2019年7月当時)によると会社側が立てた過剰なノルマが不正契約の原因であるとしている。また、会社側が作成した、顧客への営業手法の話法の研修用資料自体が、不適切な営業手法を行っていた。相続税の節税効果が無いにもかかわらず、節税効果があるかのように正しくない説明を行い営業を行っていた。
過去にBlogや対談動画でも触れておりますので、よろしければこちらもご覧ください。
【対談動画】第34回 かんぽ生命、今夏にも販売再開予定だけど大丈夫?
郵便局員の横領、窃盗とお金の犯罪が多発!!
かんぽ生命に加入されている方や保険の見直しを検討されている方のご相談はこちらからいつでもどうぞ!
(まとめ)かんぽ生命に加入されている方は即見直ししましょう!
また、2021年9月28日の朝日新聞の記事で
自粛期間中も103件の不適切契約の疑い かんぽ生命「研修を徹底」
またしても・・・という感じです。こちらも前回お伝えした第一生命同様に怒りを超えてただただ空いた口が塞がらない感じですね。保険に罪はないですが、かんぽ生命に加入している方は即見直しをした方がいいでしょう。
もしかしたら、先ほど述べた不正契約絡みかもしれまんので、必ず保障内容はチェックしましょう!
かんぽ生命に加入されている方や保険の見直しを検討されている方のご相談はこちらからいつでもどうぞ!
まとめ
- かんぽ生命は国内生保で第二位の総資産額を誇る保険会社
- 民営化以前からも不正契約は横行していた?
- 昨年からこれまでの自粛期間中でも103件の不適切契約があった!
- かんぽ生命に加入されている方は即見直しを!
著者プロフィール
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<経歴>
大学卒業後、大手宝飾品専門店に3年2ヶ月勤務。
生命保険業界の杜撰さに唖然として、世直ししたい一心で2006年6月から生命保険の代理店で生命保険の営業マンとして11年半勤務。
その傍らで、より顧客ニーズに立ったアドバイスがしたいと思い、2011年10月より個人事業として海外投資のアドバイスを開始。
弊社代表の河合と共通の知人経由で知り合い、その後弊社保険アドバイザー(K2 Assurance)として2017年12月より参画。
現在では、主に弊社パートナー(K2 Partners)向けに勉強会やセミナー講師、オンライン面談などを日々こなしています。
多くのパートナーが海外投資・海外保険のスペシャリストになるように日々サポートしております。
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