こんにちは。K2 College大崎です。
私は、2019年5月よりK2 に参画しておりますが、以降、「資産防衛」として資産全体の10~15%くらいは、金の現物で所有することをお勧めしてきました。
2020年12月に書いたブログでも、その旨を記載しておりますね。
そして、その理由の一つとして、各国の中央銀行が金融緩和で貨幣供給量を増やしており、相対的に「お金の価値は下がり続けている」からと説明しております。
「お金の価値は下がり続けている」ということが理解できない方も少なくないのですが、それは、通貨の購買力が減少している、つまり、同じ金額の通貨で以前よりも少ない商品やサービスしか購入できなくなることを意味します。
- 動画解説
- 紙幣の印刷が引き続き行われており、紙幣の購買力は減り続けている
- ニクソンショック以降、全ての紙幣の価値が下がっている
- 金が上がっているのではなく、あらゆる紙幣の価値が下がっている
動画解説
紙幣の印刷が引き続き行われており、紙幣の購買力は減り続けている

現代の経済において、各国の中央銀行は、物価安定を目的に貨幣供給量を調整しますが、その手段として大規模な紙幣の印刷が行われています。
こちらのグラフは米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度)が発行した現金(準備預金を含む)の推移を表しているものですが、

特に、2008年のリーマンショック以降、2020年のコロナショック以降に、大幅に貨幣供給量を増やしていることが確認できると思います。
この政策は、短期的な経済成長やデフレ対策として有効に働くことがありますが、長期的には紙幣の購買力を着実に減少させる結果を招いています。
こちらのグラフは、1971年を100とした時の米ドルの価値(対消費者物価指数)の推移ですが、2025年1月現在、約12.5%まで下がってきております。

1971年から現在までの米ドルの購買力は約87.5%も減少しているということです。
どうして1971年を支点にしたかというと、1971年に当時の米大統領リチャード・ニクソンが、金と米ドルの交換を停止(金本位制の廃止)し、米ドルが完全な管理通貨制度へ移行したからです(ニクソン・ショック)。
これによって、米ドルの価値は中央銀行の政策や政府の財政状況に大きく左右されるようになったわけですが、中央銀行が印刷した紙幣が市場に流れ込むことで、通貨の供給過剰が起こり、相対的に通貨の価値が下がるという現象が生まれるわけです。
また、市場へ通貨が過剰に供給されれば、インフレが進行し、同じ金額で購入できる商品やサービスは年々少なくなり、私たちの生活水準も圧迫されます。
このように、結局のところ、紙幣の印刷は、貨幣の本質的な価値を希薄化させ、その購買力を減少させる結果となっているのです。
2019年6月のブログで「インフレーションは、お金の価値が下がり、物価が上昇する」と述べられておりましたが、日本円の価値も下がり続けておりますね。
そうですね。
そして、記事では、日本の食料自給率は約38%、エネルギー自給率で言えば約8%であり、円安が進むと輸入品の価格が上がるから、購入するモノの値段が上がるとも説明してましたが、このところ物価上昇が続いておりますね。
2025年1月の消費者物価指数(CPI)は、再び4%台の伸びとなっております。
ニクソンショック以降、全ての紙幣の価値が下がっている

1971年、ニクソン米大統領が金と米ドルの交換を停止(金本位制の廃止)し、ドルは完全に法定通貨となりました。
これまでは、アメリカ政府が金を保有している限り、発行できるドルの量が制限されていましたが、金本位制の廃止により、その制限が取り払われ、その結果、中央銀行が自由に通貨を発行できるようになり、ドルは裏付けなしに流通するようになったのです。
ただ、金本位制が終わり、ドルが完全に法定通貨となったことで、通貨供給量は増加し、ドルの購買力は次第に低下していきました。
前項でグラフを示しましたが、1971年から現在までの米ドルの購買力は約87.5%も減少しておりましたね。

このように、金本位制の終了と法定通貨への移行は、通貨の価値を維持するための担保がなくなることを意味し、相対的にドルをはじめとする全ての紙幣の価値は減少しています。
現在、金価格は1トロイオンス2,900ドルまで上昇してきておりますが、米ドルと交換されていた1971年時点では35ドルでした。
ただ、金が上がっているのではなく、むしろ紙幣の価値が下がっていることが、金価格の上昇を引き起こしているのです。
「金が上がっているのではなく、紙幣の価値が下がっている」という意味がよく分からないのですが・・・。
事項で説明しますね。
金が上がっているのではなく、あらゆる紙幣の価値が下がっている

金の価格が近年上昇していると感じる人が多いかもしれませんが、実は、金そのものが上がっているわけではありません。金の価値が上がったと感じるのは、通貨(特に紙幣)の価値が相対的に下がっているからです。
ここまで解説してきたように、中央銀行が紙幣を発行し続けることで、市場には過剰な通貨が溢れ、結果的に各国通貨の購買力が低下しています。
これにより、金などの物理的な資産の相対的な価値が上昇しているわけです。
金は昔から「価値の保存手段」として認識されており、通貨の価値が不安定になればなるほど、その価値が見直される傾向にあります。
実際には、金自体が価値を増したからではなく、むしろ紙幣の価値が低下しているために、金の価格が上昇しているということです。
なかなか理解するのが難しいかも知れませんが、金の価格上昇は、単に通貨の価値の低下を反映しているに過ぎないということですし、インフレや過剰な通貨供給が引き起こしている現象ということです。
「通貨価値が低下している」ということが理解できました。
それは、良かったです。
金などの実物資産はその相対的価値を保つことができるので、購入しておきましょうね。
まとめ
- 紙幣の印刷が引き続き行われており、購買力は減り続けている
- 1971年から米ドルの購買力は約87.5%も減少している
- 金が上がっているのではなく、あらゆる紙幣の価値が下がっている
資産構築、資産運用、資産保全のご相談は、こちらからご連絡くださいませ。
著者プロフィール

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投資アドバイザー
愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。
その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。
自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。
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