会計士・税理士に縛られる日本の経営者 ― 税務署の代弁者に支配された企業経営 ―

総論:経営の主体を奪う「会計の呪縛」

日本の中小企業や個人経営者の多くが、会計士や税理士の言葉に絶対的な信頼を寄せている。
しかし、その信頼の多くは“安心のための依存”であり、経営の自律を奪う構造にもなっている。
税理士は税務署に登録された「税務行政の代行者」であり、経営者の味方ではなく国家の代理人でもある。
彼らの助言は法令に忠実だが、必ずしも会社の成長や財務戦略に資するとは限らない。

本来、経営者は「税金を払うために仕事をしている」わけではない。
会社の使命は、価値を生み、雇用を守り、社会を豊かにすることにある。
だが現実には、税理士が作る決算書のために経営が行われ、税金の都合で投資や報酬が抑えられるという本末転倒な経営構造が日本全体に蔓延している。

  • 税理士は“税務署の代理店”であるという現実
  • 会計士・税理士の言葉が経営判断を歪める構造
  • 税務に最適化された会社は「死なないが、成長もしない」
  • 本来の会計とは、「未来の意思決定のための情報」
  • 経営者が取り戻すべき「数字の主導権」

税理士は“税務署の代理店”であるという現実

顧問税理士とは?中小企業が税理士との顧問契約を行うメリット - 顧問のチカラ|KENJINS[ケンジンズ]

税理士は税法に基づく専門家であり、彼らの最大の任務は「税務上のリスクを最小化すること」だ。
つまり、納税者の利益よりも、国の課税を正確に執行させるための立場に近い。
税務調査で問題が起きた際、税理士が「守ってくれなかった」と感じる経営者は少なくない。
それは、税理士の本能が「税務署の論理」を優先するからだ。

彼らにとって重要なのは、顧客企業を“安全圏”に置くこと。
その安全圏とは「税務署に逆らわない」「指摘されない」「書類上きれいに見える」状態である。
だが、それは経営の健全性や成長とは無関係だ。
結果として、会社は「税金の都合」で動く機械のようになり、
経営者自身が“帳簿を守るための奴隷”になる。

会計士・税理士の言葉が経営判断を歪める構造

税理士とは?税理士にお願いできることをわかりやすく解説 - 森福税理士事務所(堺市・岸和田市・和泉市)

日本の経営者が最もよく口にする言葉の一つが、
「うちの税理士がこう言ってたから」。
この言葉は一見、慎重で誠実な判断のように聞こえる。
しかし実際には、思考を放棄した依存のサインである。

会計士や税理士の言葉は「過去の数値」を基にした“結果の報告”であり、未来への“戦略の提案”ではない。
ところが多くの経営者が、それを未来の指針として受け止めてしまう。
たとえば、「利益が出すぎると税金が増えるから、設備投資をしよう」「役員報酬を抑えよう」という発想。
それは税務上は正しいかもしれないが、経営上は資本の最適配分を歪める判断である。
経営とは、将来の価値を作るための意思決定であり、税金のための消費ではない。

税務に最適化された会社は「死なないが、成長もしない」

新入社員が成長しない」と感じる人事必見!成長の阻害要因と解決策|社員研修の知恵袋

税理士の言う通りにしていれば、確かに会社は倒産しにくい。
キャッシュフローを守り、税務リスクを避け、堅実な帳簿が残る。
しかし、それは生き延びることに最適化された会社であって、
成長するための会社ではない。

税理士の指導のもとで作られる決算書は、「過去を整える書類」であって「未来を創る設計図」ではない。
そこには、投資リスクを取る発想も、成長に向けた柔軟な資金戦略も存在しない。
数字がきれいに見えるほど、現場の創造性は削がれ、挑戦する勇気が薄れていく。
「安全な会計」が「停滞する経営」を生む――
この構造に気づかないまま、数十年を会計士の判断に委ねてしまう会社が日本にはあまりに多い。

本来の会計とは、「未来の意思決定のための情報」

ROIとは?ROASとの違いやROIを高めるポイントも解説 | 株式会社アイリッジ

欧米では、会計は経営のための意思決定ツールとして扱われる。
数字は未来への羅針盤であり、
「この投資は何年で回収できるか」「新規事業のROIは何%か」を示すための分析材料だ。

しかし日本の会計は、税法を中心に設計されているため、
会計=納税のための記録 という位置づけになっている。
だから「利益=課税対象」という単純思考に陥り、
税金を減らすことが“良い会計”だと錯覚してしまう。

だが実際は、利益は会社の未来を支える資本であり、
納税はその社会的還元にすぎない。
税を避けるために利益を減らすことは、
将来の自己資本と信用力を削る“見えない自傷行為”なのだ。

経営者が取り戻すべき「数字の主導権」

経営陣および取締役への多面的な評価の実施~ステークホルダーの期待役割に応えるために~ | 『日本の人事部』

経営者がすべきことは、税理士を排除することではない。
税務と経営を分離する勇気を持つことである。

税理士はあくまで「税務の専門家」、
会計士は「監査・法令適正の専門家」。
しかし「経営の専門家」は他ならぬ経営者自身だ。
自社の数字の意味を理解し、戦略に結びつけるのは、経営者の知性であり責任である。

決算書を「税務署に提出するための資料」から、「次の投資を設計するための地図」に変える。
その瞬間に、会社の数字は生きた情報になる。
税理士に“納税の安全”を任せつつも、
“未来の設計”は自分で握る。
これが、経営者が自由を取り戻す唯一の方法である。

税金を減らすこともいいですが、それによって本来の売上がさがっては意味ないですよね。

まさに本末転倒です。経営者の目指すことを共有できる士業の方に依頼をしましょう。

まとめ

  • 数字に支配されず、数字を使いこなす経営へ
  • 日本の企業文化は「税務署の都合」に合わせて作られてきた。
  • 経営者が税理士に縛られるのは、その構造の延長にすぎない。
  • だが、本来の会計とは国家のための記録ではなく、企業の未来を描くための言語である。
  • 税理士の言う通りにしていれば、会社は「安全」にはなる。だが、安全とは停滞の別名でもある。
  • 真の経営者は、税務リスクよりも「未来を作るリスク」を取る。
  • 税理士に従う経営から、数字を支配する経営へ――
  • その変化こそが、今の日本に最も欠けている経営改革の核心である。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

この投稿へのトラックバック: https://media.k2-assurance.com/archives/34448/trackback