東京海上日動あんしん生命「低解約返戻金型逓増定期保険」

こんにちは、K2 Collegeの野村です。
今回は、 東京海上日動あんしん生命の「低解約返戻金型逓増定期保険」ついてご紹介します。
いわゆる名変プランではこの保険は活用されていましたが、今はどのようなニーズで加入するのでしょうか?その辺り含めて解説していこうと思います。

かつての「名変プラン」としてこの保険がありましたが、まだ販売している保険会社もあるんですね。

私も流石にもうないだろうと思いましたが、まだありましたw

  • 東京海上日動あんしん生命「低解約返戻金型逓増定期保険」動画解説
  • 低解約返戻金型逓増定期保険とは?通常の逓増定期保険との違い
  • かつては「名変プラン」として加入するケースが多かったけど今では?

東京海上日動あんしん生命「低解約返戻金型逓増定期保険」動画解説

東京海上日動あんしん生命「低解約返戻金型逓増定期保険」とは?

まずは逓増定期保険とはどんな保険でしょうか?
以前にこちらに書きました「かつて法人保険として流行した逓増定期保険とは?」をご覧ください。
この保険が出た当初は通常の逓増定期保険でしたが、

  • 2分の1損金でも返戻率で負けないように
  • より短期間で解約返戻金が立ち上がるように

ということで低解約返戻金型逓増定期保険が誕生しました。

仕組みとしてはこのようになります(今回はB型をご紹介)。

最初の4年間は通常の逓増定期保険よりも解約返戻率を低く抑える事で保険料を抑えられるのとその後の返戻金の立ち上がりを重視しております。

それでも、3年目からは85%の返戻率となり11年目の解約返戻金が約3,834万円とここでの返戻率が91.6%とピークを迎えます。

また、保険金額に関しても最初の8年間は3,000万円ですが、その後毎年50%ずつ逓増しこの場合ですとMAX1億5,000万円まで死亡保障が確保できます。

注意しなければいけないのは、ご契約から1年目と2年目は解約返戻率が35%ですのでそこで解約せざるを得ない状況となりますと、法人にとってかなりの雑損となります。

この場合ですと、ピークまで10年ぐらいありますので50歳ぐらいの経営者にとってはいいタイミングで解約できますね。

そうですね、逓増定期保険の場合は特に出口対策をしっかりしないといけませんので、10年ぐらいみれる法人であればこのパターンはいいかと思います。

かつては「名変プラン」として加入するケースが多かったけど今では?

低解約返戻金型逓増定期保険といえば、いわゆる「名変プラン」で思う出す方も多いですが、こちらも以前に書いた記事「名変プランも終了で節税保険から海外保険にシフトしましょう!」
こちらも宜しければご覧ください。

今は「名変プラン」としては活用できなくなりましたのが、それでも退職金準備としてはまだ加入されるケースもあるそうです。ただし、節税効果はほぼないのでメリットがあるかないか下記契約例で説明していきます。

<上記図の契約例>

  • 50歳男性
  • 年払い保険料・・・3,804,930円
  • 保険期間・・・70歳
  • 61歳時解約返戻金・・・約3,834万円(きりよく38,340,000円とします)
  • 61歳までの払済保険料・・・41,854,230円

この場合、61歳で解約すると実質返戻率は91.6%となります。
2019年7月に税制改正があり、最高解約返戻率が85%超の定期保険となると保険期間の当初10年間は、支払保険料のうち、支払保険料×最高解約返戻率×90%を前払保険料として資産に計上。そして、残りを支払保険料として損金に計上。
保険期間の当初10年間が過ぎた後は、最高解約返戻率を迎えるまで、支払保険料×最高解約返戻率×70%を資産に計上。そして、残りを支払保険料として損金に計上。

ということですので、このケースの場合最初の10年間は支払保険料(38,049,300円)×91.6%(ピーク時の返戻率)×90%=31,367,842円が資産計上で6,681,457円が損金処理されます。
11年目で解約すると、3,804,930円×91.6%×70%=2,439,721円が資産計上で1,365,208円が損金処理されます。
仮に、法人実効税率を30%で計算すると11年間で損金処理した実質保険料はだいたい3944万円となり、解約返戻金3834万円ですので、実質返戻率は97.2%となります。

また、こちらは11年間で資産計上している金額が33,807,563円ですので、解約返戻金3,834万円との差額454万円が雑収入扱いとなり、約136万円を法人税として納税する必要があります。

解約返戻率が100%を下回っていて、尚且つ納税する必要があるとなると法人として加入するメリットはないですよね(汗)

これですと、よほど資金的にも余裕のある法人でないと加入してもあまり意味がないですね。

そうなんです。保険料のほぼほぼ資産計上扱いですので、毎期法人税もしっかり払いつつ保険料も負担しないといけませんので、毎期安定的に黒字を出している法人でないと本当に意味がないですね。

まとめ

  • 低契約返戻金型逓増定期保険はかつては「名変プラン」として活用できたけど今はできない
  • プランにもよるけど、単純返戻率で90%を超えてくる
  • 法人のキャッシュでどうしても退職金を作りたい役員には良いけど
  • 毎期安定的に黒字が出て納税+保険料を支払えないと意味がない

今回は東京海上日動あんしん生命の「低解約返戻金型逓増定期保険」についてでしたが、いかがでしたか?今となっては、節税効果がほぼない逓増定期保険に加入してもメリットが少ないですが加入する際には税効果や出口対策をしっかり考えて、加入する必要があるかを顧問税理士やセカンドオピニオンなど事前に確認しましょう!また、15年〜の期間で考えれば資産計上にはなりますが海外終身保険で退職金準備するのもありだと思います。詳しくは下記入門書をダウンロードしてご覧ください。

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著者プロフィール

野村元輝
野村元輝
<経歴>
大学卒業後、大手宝飾品専門店に3年2ヶ月勤務。
生命保険業界の杜撰さに唖然として、世直ししたい一心で2006年6月から生命保険の代理店で生命保険の営業マンとして11年半勤務。

その傍らで、より顧客ニーズに立ったアドバイスがしたいと思い、2011年10月より個人事業として海外投資のアドバイスを開始。

弊社代表の河合と共通の知人経由で知り合い、その後弊社保険アドバイザー(K2 Assurance)として2017年12月より参画。

現在では、主に弊社パートナー(K2 Partners)向けに勉強会やセミナー講師、オンライン面談などを日々こなしています。
多くのパートナーが海外投資・海外保険のスペシャリストになるように日々サポートしております。

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