eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックス 〜三菱UFJアセットマネジメント

こんにちは。K2 College大崎です。

以前のコラムでS&P500配当貴族指数の動きに連動する投資成果をめざす「Tracers S&P500配当貴族インデックス」を紹介しましたが、

1月12日に三菱UFJ国際投信から「eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックス」が発売されるようです。

  • eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックス概要
  • S&P500指数からクオリティが高く、配当利回りが高い銘柄を選択する
  • eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスの運用成績
  • eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスへの投資した方が良いか

eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックス概要

eMAXISシリーズからは、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー) など人気が高い投資信託が発売されておりますが、高配当に対する人気も高まってきておりますので、新たにラインナップに加えたのでしょうか。

こちらのファンドはS&P500クオリティ高配当指数(配当込み、円換算ベース)」に連動する値動きをめざすのですが、

「Tracers S&P500配当貴族インデックス」がS&P500の構成銘柄のうち25年間連続して増配している優良大型株64銘柄(2022年10月末)で構成されるのに対し、

「eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックス」は、S&P500の構成銘柄のうちクオリティ・スコア、および配当利回りの基準から、ぞれぞれ上位200位以内にランク付けされる銘柄を抽出し、原則として両方の基準を満たす銘柄を均等に組み入れるようです。

なお、クオリティ・スコアは、収益の創出、収益の質、および、財務の健全性の組み合わせとして定義されており、米国大型株で構成されるS&P500指数の中でも、競争優位性があって事業基盤が確立し、収益がより安定的な企業が選ばれているようです。

S&P500指数からクオリティが高く、配当利回りが高い銘柄を選択する

三菱UFJ国際投信のHPを見ても、まだ商品が掲載されておりませんでしたので目論見書で詳細は確認できませんでしたが、モーニングスターの記事には、

バイオ医薬品のギリアド・サイエンシズ、自動車用及び工業用交換部品の流通に携わるサービス会社のジェニュイン・パーツ、金融サービス会社のプリンシパル・フィナンシャル・グループなどが組入銘柄の上位に入っており、S&P500指数の組み入れ上位とは顔ぶれが大きく変わっているようです。

また、セクターで見ても、IT26.4%、ヘルスケア15.2%、金融11.6%というS&P500指数に対して、金融26%、資本財13.3%、生活必需品13%と大きく異なるようです。

ただ、連動を目指すS&P 500® QUALITY HIGH DIVIDEND INDEXS&P500クオリティ高配当指数)の最新のFactsheet(DECEMBER 30, 2022)で確認したところ、組入上位10位銘柄はエネルギー関連銘柄が多くなっており、

またセクター別の割合も以下のとおりとなっておりました。

最新のFactsheetは2022年12月30日のものですから、モーニングスターの記事(2022年12月27日)は少し前の内容かも知れませんね。

いずれにせよ、eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスの組入銘柄は、S&P500指数の中からクオリティが高く、高い銘柄を選択するようです。

eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスの運用成績

前述のとおり、まだ目論見書でファンド詳細が確認できませんので、連動を目指す先であるS&P 500 Quality High Dividend Indexのデータを確認します。

S&P 500 Quality High Dividend Indexの設定日は2018年4月23日ですが、設定来のパフォーマンスは以下のとおりです。

S&P500指数の2022年のリターンが−19.97%でしたから、S&P 500 Quality High Dividend Indexの−0.31%リターンというのはたいしたものですね。

組入上位10位銘柄はエネルギー関連銘柄が多くなっておりましたから、これらが大きく貢献したのかも知れません。

なお、モーニングスターの記事にバックテストを含めたパフォーマンス推移をS&P500指数と比較したものが掲載されておりましたが、

これを見る限り、長期的にはほぼ同じ値動きをしておりますが、

昨年から続くの金融引き締め局面においては「S&P 500 Quality High Dividend Indexの」の方がパフォーマンスは良いですね。また、S&P500指数に比べて下落幅も抑えられております。

これは、S&P500指数がコロナショック後のリターンが良かったのはGAFAMなどのハイテク銘柄が大きなウェートを占めていたからであり、逆に、そのためにS&P500指数は金融引き締め局面において大きく下落することになったわけですね。

金利上昇局面ではハイテク銘柄は売られますから。

eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスへの投資した方が良いか

それもひとつの選択肢だとは思います。

バックテストを含めたパフォーマンス推移を見ても、長期的にはほぼ同じ値動きをしていると述べましたが、細かく見ると低金利で据え置かれている間もS&P500指数のリターンを上回っておりますし、金融引き締め局面においてもそうでした。

コロナショック後に大規模な金融緩和が続けられている間は、大量のマネーがGAFAMなどのハイテク銘柄に流れ込んだためS&P500指数の方のリターンが上回りましたが、しばらくはそのようなことはないため、S&P500指数よりはeMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスの方がリターンは高くなりそうですね。

まとめ

  • eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスは、S&P500指数からクオリティが高く、配当利回りが高い銘柄を選択したファンド
  • 金融緩和政策下ではS&P500の方がパフォーマンスが良いが、それ以外はS&P 500® QUALITY HIGH DIVIDEND INDEXの方が良い

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著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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