こんにちは、K2 College河合です。
本日は投資家どころかほとんど全ての日本の金融マンが言い続けている嘘について話をしたいと思います。それが「為替はリスク」です。
外貨建てで投資したら、為替リスクがありますよね?ドルで投資したら、ファンド自体の運用で利益が出ても、為替で損してしまうことがあると思います。
仰ってることの半分が正解で、半分が不正解です。何が正解で何が不正解なのか、一つずつ解説していこうと思います。
- 「為替はリスク」は真っ赤な嘘
- 通貨を分散していないことがリスク
- 為替は資産
「為替はリスク」は真っ赤な嘘
日本の証券会社で働いていると、コンプライアンスの一環で「為替リスク」を顧客に伝えないといけないと教育されます。この指導はどこから来ているのか、上を見ていただければ容易に想像していただけるかと思いますが(笑)、これ100%間違いなんです。むしろ悪意ある誘導だと捉えることができます。
まずこの話の中心が知らないうちに円になっているのに気づいてください。一言も日本円(JPY)だと言っていなくても、日本人が日本語で日本の証券会社で投資をして、ドル投資で為替で損というのは、円転した時の損得の話をしていますよね?しかし本質的には、投資をした後円に戻すかどうかはその時の投資家の選択であり、必ずしも円に戻す必要はありません。なので「為替がリスク」というのは・・・
「将来円に戻すのが当然ですよね?」
という悪意ある誘導なんです。
「日本が安全」
「円が安全」
「日本人の資産はリスクある外貨ではなく円で持つべき」
というのが、そうあることで都合良くなる人達からのミスリードなんです。
私は大手証券会社で今も働いていますが、確かに「為替リスク」について説明しないといけないとばかり言われていて、その通り顧客へ説明していました。これが証券マンや銀行員みんなやっていたら、日本人は皆外貨がリスクだと思ってしまいますよね。
証券外務員を取るためじゃなくて、儲けるために投資自体をちゃんと勉強したら、もしくは海外で住んだことがあれば、これがすぐに嘘だと気づきますが、日本の学校を出て、就活をして、資格勉強ばかりしていると、疑問を抱かないかもしれませんね。日本国からしたらしてやったりです。
通貨を分散していないことがリスク
投資の勉強をしたことがあれば、何をリスクと呼ぶのか思い出してください。
- リスクとは上下のブレがあるもの
- リスクとは一つの資産を偏って持つこと(分散されていないこと)
でしたよね?これを為替に当てはめれば・・・
①円を含め、どの通貨も変動相場制を取っている限り、どの通貨に対してもブレます。これは投資家にとってはリスク(ブレ)ですが、経済的原理では物価を調整してくれますので、変動相場制の方が皆にとって良いとされてます。
「日本に住んでいて、資産を円で持っていて、円で消費するならリスクないでしょ」
これも間違いです。変動相場制というのは物価を調整する役割があるので、鎖国を敷いて、日本が全て自給自足をしない限り、輸入品に為替レートが適用されます。商品、食物、資源など、小さな島国日本は大きく輸入に頼ってるわけですから、日本で普段消費をするものは全て為替が絡んでいるため、円を持っていれば損しないというのは間違いです。今は世界中インフレの時代ですから、世界中で物の価格が上がってるのに、日本だけ物価が上がらないということはありません。仮に今年生活必需品が5%インフレになっていたとしたら、金利のつかない日本円で持っていた人は-5%資産が目減りしているということですよね。
②これを避けるために、まずは外貨を持つことがインフレへのリスクヘッジになるんです。仮に今持っている日本円100%の資産のうち半分(50%)を米ドルにしたら、やっとリスクが半分になります。シーソーでいう左右同じ重さの均衡状態です。
ただ為替は世界中たくさんありますから、これと同じ原理をそれらの通貨に当てめると、いくつかの通貨に分散して持つというのが正解になります。
「卵🥚は一つのバスケットで持たず、いくつかのバスケットに分けて持て」
言われてみると、私の資産も円100%です・・・。
金融資産でこの考え方をできるようになったら、これを人生全体に当てはめてみてください。
話せる言語は日本語だけ
日本の学校でしか教育を受けてない
日本の会社に勤めている
給料は日本円
家も日本で持っている
ローンも日本の銀行から
資格も日本でしか通用しないもの
どれだけリスクの高い人生かわかりますよね?
為替は資産
「為替は資産」です。分散してある状態で、生涯持ち切ることを考えてください。死ぬ前に円に戻そう、などの考えも必要ありません。
その上で、お金を使いたい時があると思います。その時にはその時の為替レートを見て、最も高いものを選んで、消費する通貨に転換して消費してください。もしくはその時点から見て、将来上昇しそうな通貨を残して、そうでない通貨から使っていってください。
納得しました。それでは私も外貨預金をいくつか持って、資金を分散しておくことにします。
日本の銀行だとわざわざ外貨預金をその通貨ごとに作らないといけませんが、海外の銀行はマルチカレンシー口座というものがあります。通貨を分散して保有することを考えたら、海外の銀行口座を使った方がいいかもしれませんね。
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またただ外貨にしておいても、今は金利のつく時代ではありません。中国、インドのような新興国の影響でインフレもありますので、金利の付くものにしておいたり、運用したりということがこれからは必ず必要になります。その際、オフショア資産管理口座というのを活用することをお勧めします。詳しくは私の書いた入門書(マニュアル)をご一読ください(無料)。
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5000万円以上の資産をまとめて管理するならスイスプライベートバンクもオススメです。
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まとめ
- 大事な資産はいくつかの通貨に分散して持とう
- マルチカレンシー口座を活用しよう
- 金利のつかないこともリスクなので運用しておこう
今だったらどの通貨に、どのような比率で、どのような資産で持っておくのがいいかは、いつでもお気軽に個別にご相談ください(無料)。
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著者プロフィール
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<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長
<趣味>
ダイビング、クルージング、自然
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