海外赴任者&海外移住者のための証券会社(日本)の対応方法

こんにちは、K2 College河合です。

本日は「海外赴任者&海外移住者のための証券会社(日本)の対応方法」をまとめておこうと思います。海外に住んでいることを証券会社に知れると、その時点で運用資産(株、債券、投資信託など)売買ができなくなります。リスクを取っているわけですから、「売れない」というのは恐ろしいことですね。なので事前にこの記事を参考にどう対応すればいいか検討してください。

え、どうして海外に住むと日本の証券会社で売買ができなくなるんですか?

どうもそれが金商法に定められているようで、証券会社はただそれに従っている形となります(そうしなければコンプラ違反)。世界も時代も変わっているのに、古い法律を永遠変えようとしない日本社会のバグのようなものですね。

  • 増える海外赴任者、海外移住者
  • 海外居住がバレると証券会社の口座は動かせなくなる
  • 海外で銀行口座、証券口座を開くには?
  • 海外赴任、海外移住する際の3つの選択肢

増える海外赴任者、海外移住者

私もそのうちの一人ですが、企業に属して海外に赴任する人と海外移住をする人(FIREや教育移住など)は年々増えてますよね。2020年コロナで一時的に減少はしましたが、今後益々増えていくことでしょう。

そうすると海外の金融機関と日本の金融機関のシステムの違いに戸惑うことと思います。海外ではローカル銀行を除いて・・・

・マルチカレンシー
・オンラインで海外送金可
・デビットカードで世界中のATMからキャッシュを引き出し可
・銀行と証券口座が統一(一つの口座で預金も定期も運用もできる)

ができるので、何かあれば日本のように店頭へいかないといけないとか、海外送金手数料がバカ高いということもないんです。

海外の口座、持った事がありませんでした。

その地に居住しなければ開設できない国の口座もありますが、そうでなく訪問するだけで開設できる口座もたくさんあるので、是非どこかの口座を持ってみてください。

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海外居住がバレると証券会社の口座は動かせなくなる

住民票を抜いて、海外居住になるとすぐに証券口座を動かせなくなるわけではありません。あくまで非居住者になったことを自ら届け出なければまずまず知られることはありません。しかし一度馬鹿正直に伝えてしまうと、即座に取引停止となります。

こちら各証券会社の対応一覧です。

売買ができなくなるというのは運用にておいては致命的で、買う方はまだいいですが(買わなきゃ損はしないし、海外の口座で買えばいい)、今リスクを取って投資をしているものが、売却できなくなったらアウトです。利益確定もできなければ、損切りすることもできません。

ということで、まず最初に言えることは不必要な情報はわざわざ証券会社に伝えないこと。一度、口座を開いて運用を定期的にしていたら、追加の必要書類もないのでまずバレることはないでしょう。ただししばらく口座を使っていないと休眠口座のようになって、再開するのに住所証明が必要になります。運転免許証などを受け入れてくれればいいですが、面倒な証券会社は「住民票」を求めてくるので、そうするとアウトですよね。

なんともひどい話ですね。面倒くさいとしか言えません。

現代社会で馬鹿げたことのように見えますが、法律遵守しないと業務改善命令とか業務停止とかになるので、法律がある限りこの馬鹿げたことを続けていくことでしょう。

海外で銀行口座、証券口座を開くには?

一番妥当なのが、日本の証券会社が海外の銀行口座、証券口座を紹介してくれることですが、これもまた金商法58条の2によって禁止されています。ということで、海外の口座を持とうと思ったら、各個人が自分で海外へ行って口座開設をするしかないんですね。

海外で口座開設をするには、主に・・・

1)パスポート
2)住所証明(国際免許証など)
3)本人が渡航し英語で対応

が必要となりますが、3)に自信のない方は、弊社K2がサポートしますので、こちらから個別にご相談ください。

海外の銀行口座と言えば、やはり香港でしょうか?

香港以外にもハワイ、スイス、オーストラリア、新興国、オフショアなど色々な選択肢があります。どれがいいかは個別にご相談ください。また銀行口座とは別に運用専用の口座もあるので、まずはこちらの入門書を参考にしてください。

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海外赴任、海外移住する際の3つの選択肢

最後に「海外赴任者、海外移住者する際の3つの選択肢」をまとめておきます。

1)証券会社に通知しないで現状維持(ただしバレるリスク、追加書類提出リスクあり)
2)日本滞在中に全て売却、現金化し、海外の口座で運用
3)最初から海外口座を開いて、そこで運用する(海外では日本のような馬鹿げた法律はないので、どこに住んでいても永久に運用できます)

あなたならどれを選びますか?

私なら・・・とりあえず現状維持で1)かな(笑)。

ずっと喉に骨が刺さった状態になりますが(笑)、それも一つの選択でしょう。ただしバレた際は、わざわざ帰国して、また一度住民票を入れないと次の手続きできませんから、覚悟しておいてください(その間、相場は動きます)。

まとめ

  • 海外赴任者、海外移住者は日本の証券口座をなんとかしておこう
  • どれを選ぶかはあなた次第
  • 私なら日本にいるうちに海外口座を作って移しておきます

色んなところで見られる鎖国国家日本。こんな意外なところでも見えてしまいましたね。証券マンにとっては常識なんですけど、日本の証券マンも海外住んだことないとか、英語話せないとかいう人多いので、世界の非常識ってことも知らないでいることでしょう。

著者プロフィール

河合 圭
河合 圭
<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長

<趣味>
ダイビング、クルージング、自然

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