海外不動産投資を検証 バンコク編

こんにちは。K2 Collegeの半野です。

ここ2回は生活コストの話をしてきました。しかし投資や資産運用に興味のある方には、そんな話より
投資の話をしてよというリクエストの方が多いでしょう。そんなわけで、今回は不動産の話をしていきます。ただ私自身が不動産投資を専門としているわけではありませんので、あくまでも一個人の意見として、参考程度にしていただければと思います。

  • 不動産価格は上昇中
  • 家賃収入(インカムゲイン)をチェック
  • 購入するなら自分で住む、あるいは売却益(キャピタルゲイン)狙いで

不動産価格は上昇中

海外での不動産投資となると、どうしても日本より魅力を感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、情報がどこまで正しいのか見極めることは現地に長期間滞在しないと難しい部分もあります。
タイでは、外国人の土地所有が禁止されているため(最近法律が改正されたようですが)一軒家を購入することは不可能です。ということで不動産投資をする場合、コンドミニアムが対象となります。そのコンドミニアムも外国人が所有できるのは、法律により全体の49%となっています。その価格をチェックしてみましょう。こちらのグラフですが、コンドミニアムの価格の推移です。2009年を100とし、2021年9月までのデータとなります。

※CEICData.comから抜粋
2009年1月 100
2021年9月 194.4

少し前のデータとなりますが、コンドミニアムの価格が約1.9倍以上に上昇していることが分かります。日本と大きく異なるのは、中古だから価格が安いとは必ずしもならないということ。少なくともほとんどのケースで購入時よりは高い価格で転売というパターンとなります。このデータがそれを裏付けていますね。では実際の価格の一例をみてみましょう。現地の某不動産会社が売りに出している金額です。ロケーションは日本人が数多く住んでいるエリアです。

<<2022年完成>>
1ベッドルーム(1LDK) 面積 30〜36m²
販売価格 850万バーツ(3,400万円)から
平米単価 23.6万バーツ(94.4万円)
家賃 30,000バーツ(12万円)から
利回り 4.2%

2ベッドルーム(2LDK) 面積 40m²〜67m²
販売価格 1,100万バーツ(4,400万円)から
平米単価 27.5万バーツ(110万円)
家賃 40,000バーツ(16万円)から
利回り 4.4%

<<2015年完成>>
2ベッドルーム(2LDK) 面積 43m²
販売価格 1,001万バーツ(4,004万円)から
平米単価 23.3万バーツ(93.2万円)
家賃 40,000バーツ(16万円)から
利回り 4.8%

平米単価が日本円で90万円から110万円台。東京都心エリアと比較しても意外と高い感じがしませんか?
ただほとんどが家具がついている物件であること、プール・ジム付きとなっているので、その分はお得なのかもしれません。

家賃収入(インカムゲイン)をチェック

次に気になるのがやはり家賃収入(インカムゲイン)。先日話をしましたが、コンドミニアムがあちこち建設されていること、また空き部屋の数も非常に多いことから、現状は借り手市場です。そしてこれがバンコクでのデータ、かなり実情をあらわしていると思います。

少し見づらいですが、こちらのデータはグロスの数値ですから、ネットとなると 1-2%程度下がります。そして日本人が多く住み、かつバンコク都心のエリアが一番上のWatthanaエリアです。この試算で考えた場合、ネット利回り2%台!さらにairbnbはバンコクではかなり規制が厳しく、現実的ではありません。賃貸の場合30日以上貸し出すことが法律で定められており、チェックも結構厳しいです。それでも違法で貸し出しているオーナーもいるようですが、それほど多いようには見えません。こう考えるとインカムゲインでリターンを得ようとするのは、ハードルが高いです。

ちなみに購入の際は銀行でローンを組むことは不可と言われてきましたが、最近は若干緩和されているようです。某外国系銀行のローン一例です。

対象物件:300万バーツ以上のコンドミニアム
金額:鑑定評価額、または購入価格(いずれか低い方)の最大70%まで融資
通貨:USDもしくはSGD
期間:3-30年
最低年収:USD6万ー7.2万
金利 4.04%ー6.44%

これだとインカムゲインのリターンがローンの金利でなくなります(それどころか、マイナス)また気を付けなければならないのが、タイバーツではなくUSDかSGDになっているということ。為替の状況によっては金利負担がさらに大きくなる可能性があります。

おまけ
バンコク以外でも少し離れたシラチャーやパタヤという海岸エリアが注目されています。また日本人ではリゾート地として有名なプーケットがあります。特にパタヤはバンコクから車で2時間半程度と近いこと、外国人(以前はロシア人が多かった。コロナの影響で中国人、インド人にシフトしていると思われる)が多く、コンドミニアムの売買が非常に盛んです。このエリアで一時期多かったのが 利回り保証、買取保証付きの物件。「どういうスキームで出来るのだろう」と不思議だったのですが、コロナの影響もあり破綻が相次いでいます。

例えばパタヤのコンドミニアムの場合、こんなのがありました。

利回り保証10%、7年後の買取保証付き

これ飛びつきたくなってしまいますね。しかも買取保証はなんと購入価格の130%での買取、すごいです。しかしこのデベロッパーが破産申請をして、それも夢となりました。ちなみにこの会社、HPはまだそのまま残されています。(さすがにプロジェクトでの数字は削除されていました)

購入するなら自分で住む、あるいは売却益(キャピタルゲイン)狙いで。

コンドミニアムの人気はまだまだ盛んです。もちろん物件や場所にもよりますが、新規売り出しをかければ、すぐに完売する物件もあります。銀行の定期預金よりも利回りがいいといって購入するタイ人も多いのです。最近では差別化を図るため、バンコクでも買取保証をしてくれる物件なども出てきています。家賃の利回り保証まではありませんが。

検証したとおり、インカムゲインでのリターンを得ることはなかなか難しいでしょうが、売却益(キャピタルゲイン)はまだ見込みがありそうな感じです。ただこれも今後どうなるかは分かりませんが。ご自身で住む、将来転売する、そういうことであれば、購入してみるのもありかもしれません。ただし、購入の際は、現地で自身の目で見て確かめることは必須です。

まとめ

  • 不動産価格は上昇してきた。今後は注意する必要がある。
  • 購入するならキャピタルゲインを狙うこと
  • 現地で物件を実際に確かめること

お金を増やす方法は様々です。ご自身のニーズに合った方法を選択して効率的に資産を増やして行きましょう。ご相談は、こちら(無料相談)から連絡ください。

著者プロフィール

半野輝明
半野輝明
大学卒業後、予備校講師などを経験し、海外渡航。
その後外資系企業に勤務し、2005年より再度海外留学を実行。
帰国後、それまでのキャリアよりも、金融や投資に関わる仕事をしたいと考え、海外就職をしました。
海外投資というと、ハードルが高いと感じてしまうかもしれませんが、決してそんなことはなく新しい投資、資産運用という形で出会うことができます。
皆様のお金の増やし方のバリュエーションもより深くなってくるはずです。
そんな新しい出会いの場をお客様に提供し、様々な情報を発信させていただき、皆様の資産を増やしていくサポーターとして、貢献できればと考えております。

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