「キャプティブ」の保有資産を日本へ還流させる

こんにちは。K2 College大崎です。

先日のコラム「キャプティブ」は大きな金額を節税でき、会社にお金を残すことができるでは、事業リスクに備えるために、海外に子会社(キャプティブ)を設立して再保険マーケットから補償を安い保険料で調達すれば、保険料のおよそ半分くらいは海外子会社に残すことができるスキームを紹介しました。

事例では、保険料1億円のうち、6,000万円をキャプティブ(海外子会社)へ資産移転することができましたね。

  • キャプティブの保有資産を日本へ還流させる
  • 「外国子会社配当益金不算入制度」を利用すれば95%は非課税

キャプティブの保有資産を日本へ還流させる

海外子会社にお金が貯まって行っても、そのお金はどう活用したら良いでしょうか?

まず、今後の日本リスクを考えると、海外に資産を逃しておくこと自体に価値があると思います。その上で、海外には日本では想像もつかないお金が増える金融商品がたくさんありますから、運用で増やして行かれても良いですね。

また、日本の親会社に配当として資金を還流させることもできます。

配当を受け取った場合には、日本で課税されるのではないでしょうか?

確かに課税されますが、海外子会社からの配当は税金を少なくする制度があるのですよ。

「外国子会社配当益金不算入制度」を利用すれば95%は非課税

近年、海外へ進出する企業が増えましたが、政府はその海外子会社が稼いだ利益を日本で使ってもらいたいために「外国子会社配当益金不算入制度」という制度を作りました。

これは、海外子会社が得た利益を「配当」により日本に還流する際に、受け取る配当金の95%を免税するというものです。

要は、海外子会社からの受取配当については5%部分しか課税されないということでね。

事例のケースで言えば、配当金が6,000万円ある場合は、5,700万円を親会社に還流させることができるわけですね。

ちなみに、対象となる外国子会社とは次の2つの要件を満たす外国法人とされておりますので、こちらを理解した上で、キャプティブを設立するようにしてください。

  1. 次の(1)または(2)の割合のいずれかが25%以上となっていること(租税条約により、これより低い割合になることもあります)。

    (1) 外国法人の発行済株式等のうち、内国法人が保有している株式等の割合
    (2) 外国法人の発行済株式等のうちの議決権のあるもののうち内国法人が保有している議決権のある株式等の占める割合
  2. 上記1.の状態が剰余金の配当等の支払い義務が確定する日以前6カ月以上継続していること。

まとめ

  • キャプティブ(海外子会社)へ資産移転しても良し
  • 「外国子会社配当益金不算入制度」を利用して国内の親会社に資産を還流しても良し

なお、「外国子会社配当益金不算入制度」の対象となる配当に係る外国源泉税については、外国税額控除制度の対象外となり、損金に算入されませんので、合わせて覚えておいてください。

「キャプティブ」についての相談は、こちらから「キャプティブ相談」とお問合せくださいませ

著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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