「イールドスプレッド」で債券・株式のどちらが割高・割安がわかる

こんにちは。K2 College大崎です。

先般、こちらの記事で現在、米国株の主要三指数は「債券と比較して割高感がある」とお伝えしました。

今回は、米国株が債券と比較して割高であるということが、どのようにしてわかるのかを解説します。

  • 動画解説
  • 「イールドスプレッド」で債券・株式のどちらが割高・割安がわかる
  • S&P500指数は割高
  • 投資判断

動画解説

「イールドスプレッド」で債券・株式のどちらが割高・割安がわかる

どうして米国株が債券と比較して割高ということがわかるのでしょうか?

それは「イールドスプレッド」という指標を用いて債券と株式を比較したからです。

「イールドスプレッド」は利回り(イールド)の差(スプレッド)という意味で、通常は債券同士の利回り差を指す場合が多く、長期国債を基準にこの利回りは魅力的だとか割高だとかを判断します。

また、債券と株式を比較する際にも用いられ、長期国債の利回りから株式益利回りを差し引いて、イールドスプレッドが小さい(大きい)場合、株式相場は割安(割高)と考えることもできるのです。

「イールドスプレッド」を利用して債券と株式を比較することができることは分かったのですが、「株式益利回り」とはどのようなものでしょうか?

「株式益利回り」は1株当たり純利益を株価で割ったもので、株価の割安性を表す指標です。

株式益利回り(%)=(1株当たり純利益÷株価)×100

株価収益率(PER)の逆数(1/PER)となり、通常、PERが低いほど株価が割安とされるのに対し、株式益利回りは高いほど株価が割安と判断されます。

株式益利回り(%)=(1÷PER)×100

S&P500指数は割高

2023年11月29日現在、すでに米長期金利(10年債利回り)は「NASDAQ100指数」の益利回りより高くなっておりますが、「S&P500指数」との差もわずかとなっております。

2023年10月20日時点の日本経済新聞の記事も「逆転は間近」という見出しでに掲載されておりますね。

2023年11月28日時点のS&P500確定イールドスプレッドは▲0.57ですが、過去平均のイールドスプレッドが▲2.631であることを考えると、▲0.57でも「S&P500指数」は割高と考えることができますね。

投資判断

S&P500指数を売って債券を買った方が良いでしょうか?

一般的には、リスクゼロの米国債利回りはリスクの高い株式市場の益利回りよりも低いのですが、ここまで債券利回りと益利回りのスプレッドが縮小してくると、割高な株を売って債券を買うというのも一つですね。

しかしながら、今後、失業率が上昇してきて、経済が減速してこれば、米国債利回りは低下してイールド・スプレッドは再び拡大することになるかも知れませんから経済指標などをこまめにチェックするようにして投資判断をしてください。

まとめ

  • 「イールドスプレッド」で債券・株式のどちらが割高・割安がわかる
  • 経済指標などをチェックして投資判断をする

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著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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