金やビットコインへも投資しておく

こんにちは。K2 College大崎です。

以前のブログやK2 Collegeの記事でも述べてきておりますが、金(10〜15%)やビットコイン(1〜3%)も「アセット・アロケーション」に組み込んでおいた方が良いですね。

  • 動画解説
  • ペトロダラー体制の崩壊
  • BRICS が米国債とドルを売り続けている
  • 公的債務拡大はいつまでも続かない
  • 金や銀、ビットコインも保有しておく

動画解説

ペトロダラー体制の崩壊

1970年代のオイルショック後、石油取引が米ドルを基軸として行われるようになりましたが、主要な石油輸出国(特に中東諸国)は、米ドルで石油を販売し、そのドルを国際金融市場で再投資することで、米ドルの地位がさらに強化されました(ペトロダラー体制)


石油取引が米ドル建てで行われることで、世界中の国々が石油を購入する際に米ドルを必要とします。

この需要が米ドルの国際的な強さを維持する要因の一つです。

そして、
石油輸出国が得た米ドル収入を米国の債券市場やその他の金融市場に再投資することにより、米国の経済や金融システムが間接的に支えられてきました。

これらが、米ドルを貿易決済や外為取引において強力な通貨にしている背景です。

各国の中央銀行が米ドルを外貨準備として保有するのは、米ドルが国際貿易や金融取引で広く利用されること、信頼性と安定性、流動性の高さ、経済ショックへの対応能力など、多くのメリットがあるためです。

これにより、中央銀行は自国経済の安定性を維持し、国際的な金融取引を円滑に行うことができるのです。

そして、米国債への多くの外国資本が流入することで債券市場を支えてきました。

しかしながら、ロシアや中国、イランなどはエネルギー取引において現地通貨への移行をますます進めており、ウォールストリートジャーナルによると、2023年には世界の石油の20%が他の通貨で購入されたとのこと。

「オイルダラー協定」が期限切れになったことで、米ドルに対する需要が減少し、米ドルの力は弱くなり、米国の金融市場を弱める可能性があります。

米ドルに対する需要が減少し、米ドルの力が弱くなれば、どうなりますでしょうか?

米国債は購入されなくなり、債券価格は下落するかも知れませんね。
また、日本が米国債を買わされる割合が増えるでしょう。

BRICS が米国債とドルを売り続けている

BRICS諸国は西側諸国の覇権に対する反対を強めており、現地通貨での取引が促進され、世界規模で脱ドル化の動きが高まっております。

BRICS諸国は独自の決済システムを支える手段として、現地通貨バスケットとともに金に連動した新通貨の導入を選択したと報じられており、過去数年間、BRICSは金を備蓄してきました。

金は共通計算単位の40%を占め、残りの60% は BRICS 諸国のさまざまな通貨で構成されるとのことです。

今月、BRICS首脳会議がありますが、そこでBRICS独自の決済システムが発表されるかも知れませんね。

そして、米ドルを債券市場やその他の金融市場に再投資することにより、米国の経済や金融システムが支えられてきましたから、需要が得られなければ、米ドルや債券価格は下がってしまうかも知れません。

ドルの価値が無くなってしまうのでしょうか?

対米ドルでの取引が世界全体の約90%を占めていたような「ドル覇権」の崩壊は始まっておりますが、いきなりドルの価値が無くなるわけではないですよ。

公的債務拡大はいつまでも続かない

BRICS が米国債とドルを売り続ける中、米国の金融システムは圧力にさらされております。

米国の公的債務は、2024年10月現在、約 34.83 兆ドルに達しており、これは、継続的な政府支出と金利コストの上昇により、前年に比べて大幅に増加しています。

米国の公的債務は過去数十年にわたり急速に増加している(年平均約5〜7%程度)一方で、米国の国内総生産(GDP)は緩やかに成長(年平均約2〜3%程度)でしており、債務の増加スピードに追いついていない状況です。

また、米国政府は債務の利息支払いにも大きな負担を抱えており、現在、年間1兆ドル以上の債務利息を支払っていると言われております​。

すでに債務の利子は防衛費よりも大きくなり、また数年後には社会保障よりも大きくなると見込まれており、将来的には予算のかなりの割合を占めることが予想されています。

このような状態はいつまでも続かないでしょう。

米国の公的債務は、我々日本人には関係ないのではないでしょうか。

米国債を一番買っているのは日本です。
万が一、購入している米国債がデフォルトを起こしたら、日本の資産は減ることになりますよ。

金や銀、ビットコインも保有しておく

BRICS諸国は独自の決済システムを支える手段として、現地通貨バスケットとともに金に連動した新通貨の導入を選択したと上述しましたが、BRICS通貨が金に裏付けられれば、金価格はさらに急騰する可能性があります。

そして、各国中央銀行は自国経済の安定性を維持し、国際的な金融取引を円滑に行うために外貨準備を保有しておりますが、米ドル建ての外貨準備高は2024年には58.2%まで減少しております。

これは、米ドル建ての準備金を削減し、金に置き換えているからですが、今では世界の中央銀行のGold保有量はGold全体のほぼ5分の1を占めるまでになっております。

また、BRICSやその他の発展途上国が金やその他の現地通貨を外貨準備金に追加しているため、金価格が上がることはあっても大きく下がることはないと言われております。

世界規模で脱ドル化の動きが高まっており、米国の国内総生産(GDP)の成長は債務の増加スピードに追いついていない状況です。

世界の基軸通貨としての米ドルがすぐにどうこうなるとは思いませんが、

脱ドル化が米ドルにとって事態を悪化させる可能性がありますので、資産の一部を金や銀、ビットコインなどで保有しておいた方が宜しいかと思います。

アセット・アロケーションに組み込んでおいた方が良い割合として、金は10〜15%なのに、ビットコインが1〜3%としているのはどうしてでしょうか?

それは、ビットコインはボラティリティが大きいですからです。

なお、ボラティリティが大きい資産クラスほど、アセット・アロケーションやポートフォリオに組み入れて分散投資するのが良いですよ。

まとめ

  • 世界中の国々が米ドルを必要とするシステムは崩壊に向かっている。
  • 米国の金融システムは不安定
  • 金や銀、ビットコインも保有しておく

投資家それぞれに適したポートフォリオのアドバイスをいたします。
相談を希望される方は、こちらからお問合せください。

著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

この投稿へのトラックバック: https://media.k2-assurance.com/archives/25625/trackback