10万ドルでプライベートバンク口座開設には注意!-モナコプライベートバンク-

こんにちは。K2 Collegeの半野です。

プライベートバンクをご存じでしょうか。発祥はスイスで、世界の王族や貴族などを対象に資産管理や運用、保全のサービスする銀行のことを指します。現在では時代の流れとともに、一定金額以上の試算を持つ富裕層に対しても資産管理や資産運用のサービスを提供しています。日本でもプライベートバンクを謳っている銀行や証券会社があります。今回、お客様から問い合わせがあった「10万ドルでモナコのプライベートバンクに口座開設」を検証します。

  • プライベートバンク口座開設には億単位の資金が必要
  • 中身を確認することが大切。魅力に特別感がない
  • 手を出さないのが一番よい

プライベートバンク口座開設には億単位の資金が必要

今回10万ドルから、しかも海外モナコのプライベートバンク口座開設という響き?のせいか、私たち日本人は特別感を感じてしまいます。また「それぐらいの金額であれば始めてみようか」と感じる人もいるのではないでしょうか。しかしここは注意が必要です。一般的にプライベートバンクの口座開設には、大きな資産を持っていることが前提となっており、日本でのプライベートバンク口座開設に必要となる資産額はこのようになります。

つまり

・資産金額、億以上の単位を持つ富裕層が対象
・プライベートバンクはネットで顧客をすすんで勧誘したりしない。
・口座開設をする際は基本金融機関側からお客様にコンタクト、提案する。

プライベートバンクの場合、口座開設をネットで大々的に宣伝するということは行っていません。ですので「口座開設できますよ」と宣伝している時点で???となるわけです。

中身を確認することが大切。魅力に特別感がない

今回のモナコでのプライベートバンクですが、案内は以下の通り。

銀行名称: 不明
定期預金最低預入: 10万ドル(約1,300万円)
普通預金最低預入: 3,000ドル(約39万円)
開設手数料: 16万5千円(カード発行費500ドル含む)
使用方法: インターネットバンキング

そもそも銀行名が非公開というのはなぜなのでしょうか。『クラスAフルバンキングのライセンス取得』という宣伝文句もあります。そうなれば、なおさらどこの銀行なのかを確認したいところです。また魅力についてですが、プライベートバンクだからという特別感がありません

魅力: オンライン上で口座開設が可能
    高金利6‐10%
    暗号資産を口座へ送金可能
    デビットカード発行可能


オンラインで口座開設は今ではどの銀行でも出来るようになっていますし、デビットカード発行も当たり前です。高金利の定期預金とありますが、これも考えモノ。プライベートバンクでの利回りは日系証券会社などで5-10%、スイス系の銀行などになると2-8%と言われています。となると10%の預金金利はどこまで本当なのだろうかと疑ってしまうわけです。手数料も開設手数料のみの記載だけで、口座管理手数料が分からないのも大きな不安材料です。プライベートバンクの場合、以下のようなサービスが当たり前となります。

・金融機関による資産運用、管理
・税務、法務、相続に関するアドバイス
・ブラックカード発行
・限定のラップ口座
・IPO株の優先割り当て  
 など

このように手の届くサービスがあるので、手数料もそれなりにかかるのがプライベートバンクです。10万ドルの預入でここまでやってくれるとは到底思えないのですが・・・。

プライベートバンクの口座保有には資産も大きい額が必要だし、サービスも色々あるんですね。

富裕層向けの特別なサービスを提供していると考えると分かりやすいと思います。

手を出さないのが一番良い

このように検証をするとプライベートバンクとは名ばかりで、中身は単なる銀行のプレミアム口座程度のものであることが分かります。どうしても気になる、開設したいというのであれば、なぜ10万ドルから可能なのかしつこいぐらいに確認した方がいいでしょう。特に、どこの銀行なのかは開設前に知る必要があります。魅力もプライベートバンクとは大きくかけ離れているので、細かく精査をしましょう。こういう不明確なものには手を出さない、それが一番いいという結論になります。

まとめ

  • プライベートバンクとは名ばかりで、中身はそれとはほど遠いもの
  • こういう不確実なものには手を出さないことが一番

お金を増やす方法は様々です。ご自身のニーズに合った方法を選択して効率的に資産を増やして行きましょう。ご相談はこちらからご連絡ください。

著者プロフィール

半野輝明
半野輝明
大学卒業後、予備校講師などを経験し、海外渡航。
その後外資系企業に勤務し、2005年より再度海外留学を実行。
帰国後、それまでのキャリアよりも、金融や投資に関わる仕事をしたいと考え、海外就職をしました。
海外投資というと、ハードルが高いと感じてしまうかもしれませんが、決してそんなことはなく新しい投資、資産運用という形で出会うことができます。
皆様のお金の増やし方のバリュエーションもより深くなってくるはずです。
そんな新しい出会いの場をお客様に提供し、様々な情報を発信させていただき、皆様の資産を増やしていくサポーターとして、貢献できればと考えております。

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