こんにちは!K2 College編集部です。
2024年1月から新NISAがスタートして、資産形成・貯蓄に関心を持つ人が増えています。資産形成・貯蓄のニーズが高まる一方で、保険不要論を耳にする人は多いのではないでしょうか。
実際に、がんに罹患した経済評論家の山崎元さんや経済アナリストの森永卓郎さんは、いずれも「がん保険不要論」を唱えています。
この記事では、山崎元さんならびに森永卓郎さんの「がん保険不要論」について解説します。また、がん保険の要否を判断するためのアドバイスも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
がん保険は不要なの?
がん保険が必要か不要かはお客さまの状況によって異なります。がん保険不要論とがん保険のメリットについて解説していきます。
- 山崎元さんのがん保険不要論
- 森永卓郎さんのがん保険不要論
- 自由診療は公的医療保険適用外
- がん保険が不要かはどの水準の治療を求めるか次第
山崎元さんのがん保険不要論
山崎元さんは経済評論家の立場から、生前にがん保険不要論を提唱しています。山崎元さんの主張は「多くの日本人にとって民間生保のがん保険は不要である」です。山崎さん自身が食道がんに罹患した経験を踏まえ、公的医療保険制度と高額療養費制度を利用して、がん治療にかかる費用は十分にカバーできると考えています。
がん保険に加入していれば診断時や入院時に保険金が支払われることは事実です。しかし、山崎元さんは、がん保険に入っていて得するのは、がん罹患後、すなわち「事後」の問題と分けて考えています。
保険に加入するか否かの「事前」の意思決定では、将来、がんに罹患する確率や治療費用と保険料の負担を比較検討しなければなりません。そして、がん保険は加入者にとって平均的に見て損であり、保険会社にとって得な契約であると結論づけています。
山崎元さんは「がん保険の加入で罹患率が下がるわけではない」「感情に流されずに合理的な判断をするべきだ」と強調しています。また、がん保険が売れているのは、保険会社の営業努力と、がん保険に入ることで何となく安心感を得られるという消費者の心理によるものです。
しかし、実際にはがんのような一般的なリスクに対しては保険は不向きであり、滅多に起こらないが起きた時に破滅的な影響を及ぼす可能性がある事象に対してのみ保険を検討するべきだと主張しています。
山崎元さんの考え方は、個人の経済状況や価値観、リスクへの対処方法によって異なるため、一概にすべての人に当てはまるわけではありません。あくまで、がん保険について考えるひとつの視点を提供しています。
ご自身の状況を考慮し、必要に応じて専門家の意見を求めましょう。
山崎元さんの主張は正しいの?
極論ですが、正しい側面はあります。保険は保険会社が利益を出さなければ事業を継続できません。したがって、保険商品は保険会社が利益を出せるように保険料や給付要件などを定めています。
森永卓郎さんのがん保険不要論
森永卓郎さんも、山崎元さんと同じく「がん保険不要」との立場を表明しています。森永卓郎さんは自身のすい臓がん(後に、原発不明がんと診断)闘病を通じて、日本の公的医療保険制度と高額療養費制度で、標準治療の範囲内であれば医療費の大部分がカバーされると再認識したようです。
森永卓郎さんは、個室入院や先進医療など、追加費用がかかる治療を受ける意向がないため、民間の医療保険やがん保険に加入する必要性を感じていないと説明していました。ただし、実際には、森永卓郎さんは自由診療を選択して、多額の自己負担が発生しています。
また、森永卓郎さんは60歳を過ぎたら生命保険も不要だと考えており、自身が加入していた生命保険は60歳で死亡保障が終了する定期保険で、その後は小額の終身保険のみが残るとしているようです。
森永卓郎さんによれば、子どもが独立し、退職金や年金がある場合、大きな死亡保障は必要ないとのことです。さらに、現在の生命保険の予定利率が低いため、長期間持ち続けると損をする可能性があるとも指摘しています。
森永卓郎さんの考え方も、個人の状況や価値観によって異なるため、一概にすべての人に当てはまるわけではありません。公的医療保険制度の利用や、個々の経済状況に応じた保険の見直しについて考えるきっかけを提供していると言えるでしょう。
子どもが独立しても葬儀代などの準備で死亡保障は必要じゃないの?
必要ですが、葬儀費用は平均200万円以内と言われています。また、子どもが生まれたタイミングで1,000万円以上の死亡保障に加入し継続している人が多くいるのです。
自由診療は公的医療保険適用外
山崎元さんならびに森永卓郎さんが「がん保険不要論」を唱えている一方で、加入するメリットは次のとおりです。
- 用途自由のまとまったお金を受け取れる
- 働けない期間の収入補填になる
- 長期療養になった場合の治療費を確保できる
- 商品によっては先進医療の場合最大2,000万円の保障がある
それぞれのポイントについて解説します。
用途自由のまとまったお金を受け取れる
がん保険では、がん罹患時に用途自由のまとまったお金を受け取れます。実際に、がん保険には診断給付金の保障があるケースが一般的です。診断給付金の使い道は自由です。治療費に充てたり日常生活の支援に使ったりできます。
したがって、がん治療に専念するための経済的なサポートを受けられます。
働けない期間の収入補填になる
がん治療により仕事を休む必要がある場合、収入が途絶える心配があるでしょう。がん保険があれば、傷病手当金に加えて治療期間中の収入減少を補える可能性があります。
長期療養になった場合の治療費を確保できる
がんは長期にわたる治療が必要な場合が多く、高額な医療費がかかるケースがあります。がん保険は、長期療養が必要になった際、治療費用の負担を減らすのに役立つでしょう。
また、森永卓郎さんのように自由診療を選択した場合、多額の自己負担が発生します。がん保険からの給付金があると、安心して治療に専念できるかもしれません。
商品によっては先進医療の場合最大2,000万円の保障がある
がん保険では、先進医療を受ける際に必要となる高額な治療費に対して、最大2,000万円までの保障を提供しているケースが多くあります。先進医療特約により、最新の治療を受けるための経済的な支援を受けられます。
実際に、先進医療を受けるにあたって2,000万円貯金するのは難しいでしょう。しかし、がん保険に加入しておけば先進医療のための2,000万円を準備できます。
自由診療のメリットは何なの?
自由診療を選択した場合、新しい医療技術や医薬品を用いた治療に挑戦できます。
がん保険が不要かはどの水準の治療を求めるか次第
いかがでしたでしょうか。
山崎元さんならびに森永卓郎さんの「がん保険不要論」についてはなんとなく理解できたでしょうか。
確かに、がん保険に加入して金銭的に得をしないケースは多々あるでしょう。一方で、がん保険があれば、用途自由のまとまったお金を受け取れたり働けない期間の収入補填になったりします。
したがって、お客さまの状況によってがん保険が不要かどうかは異なります。森永卓郎さんのように自由診療を受けたいと考える場合、がん保険に加入しておく価値はあるかもしれません。
がん保険に加入するのはおすすめですか?
がんに対する保障があると、万が一の際にお金関係で不安な想いをせずに済むかもしれません。ただし、お客さまの状況によって、おすすめの商品は異なります。どの商品が自分に適しているかわからないようであればお問い合わせください。
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まとめ
- がん保険を含めて保険は保険会社が利益を出せるように商品設計されている
- 自由診療を受ける場合は自己負担が多くなる
- お客さまの状況によって、がん保険の要否は異なる
また、まとまったお金がある場合は下記の入門書も効率の良い資産運用ができるので一読ください。
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著者プロフィール
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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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