生保営業職員、10年で最少。昨年度末、ピーク比1割減15万人。採用難、日生5万人割れ。

こんにちは、K2 College編集部です。

生命保険業界における営業職員の数が、過去10年で最少となり、昨年度末にはピーク時と比較して1割減の15万人となっています。この減少は、日本生命(以下、日生)の営業職員が5万人を割り込むなど、業界全体に広がる深刻な問題となっています。本稿では、その背景と傾向、具体的な対策方法について詳述します。

生命保険の営業職がかなり減ってるんですね。

はい、いくつか要因はありますので、それを見ていきましょう。

  • 背景と要因
  • 業界全体の傾向
  • 具体的な対策方法
  • 各社の取り組み事例
  • 今後の展望と結論

背景と要因

生命保険営業職員の減少は、複数の要因が複合的に作用した結果です。まず、少子高齢化の進行により労働力人口が減少し、採用難が一因となっています。若年層の人口減少と共に、魅力的な労働条件を提供しない限り、営業職への応募者が減少するのは必然です。

さらに、ライフスタイルの変化も影響を及ぼしています。若い世代は、安定した企業での勤務や、ワークライフバランスを重視する傾向が強く、成果報酬型の営業職を敬遠するケースが増えています。また、生命保険のオンライン販売の普及も、対面販売の重要性を相対的に低下させています。

そもそもの現役世代も減っていますし、どこも売り手市場ですね。

はい、どの業界でも厳しくはなっていますが、生命保険業界では特に大きく減ってきているようです。

業界全体の傾向

営業職員の減少は日生に限らず、業界全体の問題として広がっています。大手生命保険会社は軒並み営業職員の数が減少しており、これにより市場シェアや顧客サービスの質に影響が出ています。営業職員の数が減少することで、新規顧客の獲得や既存顧客へのサービス提供が難しくなり、業績に影響を及ぼしています。

また、営業職員の高齢化も進んでおり、若手の育成が追いついていない現状があります。ベテランの営業職員が退職することで、企業のノウハウや顧客との信頼関係が失われるリスクが高まっています。

離職率も高い業界のようですね。

はい、最初は友人知人などから営業し、その先、営業する先がなくなっていくと継続は難しいようです。そういった縁故だよりの営業では立ち行かなくなりますね。

具体的な対策方法

営業職員の減少に対する具体的な対策方法として、以下の取り組みが考えられます。

  1. 採用戦略の見直し:ターゲット層を明確にし、若年層にアピールする採用戦略を強化します。特に、ワークライフバランスやキャリアパスの明確化、研修制度の充実など、魅力的な労働条件を提示することが重要です。
  2. デジタル化の推進:オンライン販売やリモート営業の活用により、営業職員の負担を軽減し、効率的な営業活動をサポートします。また、顧客データの活用により、ターゲティング精度を向上させることも重要です。
  3. 教育と研修の強化:営業職員のスキルアップを図るため、継続的な教育と研修プログラムを強化します。特に、デジタルツールの活用や顧客対応スキルの向上に重点を置くことが求められます。
  4. 報酬体系の見直し:成果報酬型の報酬体系に加え、安定的な基本給や福利厚生の充実を図り、営業職員のモチベーションを向上させます。特に、長期的なキャリア形成を支援する制度の導入が重要です。
  5. ブランドイメージの向上:企業のブランドイメージを向上させることで、採用活動を有利に進めることができます。特に、社会貢献活動や環境への配慮など、企業のCSR活動を積極的にアピールすることが効果的です。

働き方もコロナで大きく変わったので、どう見直しできるかという点も大きいですね。

はい、ネット生保や保険代理店もあるので、その中でどのように営業のスキルをつけ、売れる営業にするか、モチベーション維持も大きく影響します。

各社の取り組み事例

実際に、各社は様々な取り組みを進めています。例えば、ある大手生命保険会社は、リモートワークの導入と柔軟な勤務時間制度を実施し、若い世代の働きやすさを追求しています。また、デジタルツールの活用を推進し、顧客とのオンライン相談を強化しています。

別の企業では、営業職員の育成に力を入れ、専門的なスキルを持つトレーナーを配置し、定期的な研修を実施しています。これにより、新人の早期戦力化を図り、離職率の低減にもつなげています。

さらに、報酬体系の見直しを行い、基本給を引き上げるとともに、成果に応じたインセンティブを設定し、営業職員のモチベーション向上を図る取り組みも行われています。

営業職もリモートワークで働くことも可能なんですね。

はい、オンライン面談も増え、移動時間も減るとそれだけ効率よく仕事ができますね。

まとめ

  • 生命保険業界はさらに厳しい採用環境が予想
  • 特に、デジタル化の進展と新しい働き方の導入が重要な鍵となる

最終的に、生命保険業界が持続可能な成長を遂げるためには、営業職員の育成とモチベーション向上が不可欠です。企業は柔軟な働き方を提供し、魅力的な報酬体系を整備することで、優秀な人材を引きつけることが求められます。
このような取り組みを通じて、生命保険業界が再び活力を取り戻し、顧客に対して高品質なサービスを提供し続けることが期待されます。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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