過去(1987年)のブラックマンデーと今回(2024年)のブラックマンデーを比較検証

こんにちは、K2 College編集部です。

ブラックマンデーは、歴史的に株式市場の大暴落を指す言葉であり、過去には複数回発生しています。特に有名なのは1987年のブラックマンデーですが、2024年にも同様の現象が発生しました。以下では、これらのブラックマンデーを比較検証し、まとめます。

最近の下落幅がブラックマンデーのときの下落幅を超えたそうですね。

はい、そもそもの株価が違うのであくまで参考ですが、過去最大の下げ幅を記録しました。

  • 背景と経済状況の比較
  • 市場メカニズムと取引の技術的側面
  • 政府と中央銀行の対応
  • 投資家心理と市場の反応
  • 経済への長期的影響

背景と経済状況の比較

1987年のブラックマンデー

1987年のブラックマンデーは、10月19日に発生し、ニューヨーク証券取引所のダウ平均株価が一日に22.6%下落するという大惨事となりました。この背景には、インフレ懸念、金利上昇、貿易赤字の拡大、ドル安といった複数の要因が絡み合っていました。特に金利上昇が投資家の不安を煽り、株価が急落しました。

2024年のブラックマンデー

2024年のブラックマンデーは、グローバルな金融市場の不安定さが原因となりました。また、日銀の利上げが資金調達コストを押し上げ、企業の収益見通しが悪化したことも大きな要因となりました。

1日で20%以上の下落というのは確かに一気に冷え込みますね。

はい、金利の利上げや通貨などが動くと株価も大きく影響を受けます。

市場メカニズムと取引の技術的側面

1987年のブラックマンデー

1987年当時の市場メカニズムは現在と比べて原始的でした。特にプログラム取引と呼ばれる自動取引システムが売り注文を増幅させたことが大きな問題でした。このプログラム取引は、一定の条件が満たされると自動的に大量の売り注文を出す仕組みで、これが市場の急落を加速させました。また、通信手段や取引のスピードも限られており、情報の伝達に時間がかかりました。

2024年のブラックマンデー

一方で、2024年のブラックマンデーでは、高頻度取引(HFT)やアルゴリズム取引が普及しており、これが市場の動きをさらに速めました。取引システムはより高度で複雑になっており、瞬時に大量の取引が行われます。このため、パニックが広がるスピードも非常に速くなりました。しかし、1987年と異なり、取引停止措置(サーキットブレーカー)が導入されており、一部の急激な売りを防ぐためのメカニズムも機能していました。

1987年のブラックマンデーでは自動売買でより売りが加速されたんですね。

そうですね。システム的な問題もあったようです。

政府と中央銀行の対応

1987年のブラックマンデー

1987年のブラックマンデーに対して、アメリカ政府と連邦準備制度理事会(FRB)は迅速に対応しました。当時のFRB議長アラン・グリーンスパンは、市場に流動性を供給し、金融システムの安定を図りました。FRBは公開市場操作を通じて市場に資金を注入し、銀行間の資金繰りを支えました。この対応が市場の回復に寄与しました。

2024年のブラックマンデー

林芳正官房長官は5日、同日の東京株式市場で日経平均株価が急落し下落幅が過去最大となったことについて「政府としては冷静に判断していくことが重要だ」と述べ、「内外の経済金融市場の動向などを緊張感を持って注視する」との考えを示しました。

今回も過去と同様に政府が対応するんでしょうか。

今のところはそこまでの動きはないようですが、今後どうなって行くのか注視する必要があります。

投資家心理と市場の反応

1987年のブラックマンデー

1987年のブラックマンデーでは、投資家のパニック売りが市場を急落させました。当時は情報伝達が遅く、投資家は混乱しやすかったです。また、個人投資家が多く、市場の変動に対する耐性が低かったことも影響しました。市場が回復するまでには数ヶ月を要し、投資家の信頼を回復するのに時間がかかりました。

2024年のブラックマンデー

2024年のブラックマンデーでは、情報が瞬時に伝達され、投資家の反応も迅速でした。ソーシャルメディアやニュースサイトを通じて情報がリアルタイムで共有され、パニック売りが瞬時に広がりました。しかし、プロフェッショナルな投資家の割合が増えており、ヘッジファンドや機関投資家がリスク管理を徹底していたため、市場の回復も比較的早かったです。市場は数週間で安定し始めましたが、投資家の心理には依然として不安が残りました。

投資家のパニック売りが今回も起こったんでしょうか?

新NISAで投資を始めたばかりの人など、大きく下げて証券会社への問い合わせが増えたようです。

経済への長期的影響

1987年のブラックマンデー

1987年のブラックマンデーは、短期的には深刻な影響を与えましたが、長期的には経済の回復が比較的速やかでした。アメリカ経済はその後も成長を続け、90年代にはテクノロジーの発展により大きな繁栄期を迎えました。ブラックマンデーの教訓として、リスク管理の重要性が認識され、規制も強化されました。

2024年のブラックマンデー

2024年のブラックマンデーは、グローバル経済に対してより複雑な影響を与えました。米景気減速懸念もあり一時世界同時株安が起こりました。今後、長期的な経済の不確実性は依然として高い状況が続いています。

株式市場の暴落からどのくらいで回復するのかも重要ですね。

ブラックマンデーの際はその後2年で回復し、その後成長をつづけています。定期的に下落は起こるもの、と考えておく必要があります。

まとめ

  • 景気が好調か減速するのかにより、投資資金がどこに流れるかが変わる
  • 通貨の影響もあり、一時売りが加速
  • 2024年の株暴落はこのまま下がるのか戻るのか、注視する必要がある

1987年と2024年のブラックマンデーを比較すると、経済状況、技術的側面、政府と中央銀行の対応、投資家心理、市場の反応、そして長期的な経済影響において、多くの違いが見られます。現代の金融市場はより複雑で相互に連関しており、リスク管理の重要性が一層高まっています。同時に、迅速な情報伝達と高度な取引システムが、市場の動きを一層速める一方で、適切な対策を講じるための時間も短縮しています。これらの要因を考慮しながら、未来の金融市場の安定を図るための取り組みが求められます。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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