死亡診断書の公証付き翻訳とは何か

「死亡診断書の公証付き翻訳」とは、医師が発行した死亡診断書を、外国の行政機関・裁判所・保険会社などに提出する際に必要とされる、正確な翻訳に加え、翻訳の真正性を第三者が証明する書面です。

この翻訳は単なる言語変換にとどまらず、「翻訳者が正確に訳したことを誓約」し、さらに公証人または行政書士などがその宣誓内容を確認し、公的に認証(notarize)する形式を取ります。

特に英語圏(米国・カナダ・オーストラリア)などでは、「Certified Translation」「Notarized Translation」が強く求められる傾向にあります。

「死亡診断書の公証付き翻訳」ついて、詳しく教えてください。

以下で詳しく解説いたします。

  • 必要となる場面と提出先
  • 翻訳の形式と必要な内容
  • 公証を取得する方法(日本国内の場合)
  • 翻訳+公証+アポスティーユの組み合わせ
  • 海外で公証付き翻訳が必要な場合の対応(現地翻訳 vs 日本翻訳)

必要となる場面と提出先

上のようなシーンで、公証付き翻訳が求められることがあります:

各機関が「翻訳証明」「公証」をどこまで要求するかは国や目的によって異なりますが、**「翻訳者の署名+公証人の認証」**が一般的な構成です。

翻訳の形式と必要な内容

翻訳文に含めるべき要素:

1. 死亡診断書の原文(コピー)
2. 翻訳文(レイアウトや記述を忠実に再現)
3. 翻訳証明文(Certification Statement)
• 翻訳者名、住所、署名
• 「私はこの翻訳が原文の正確かつ完全な翻訳であると証明します」という文言
4. 翻訳者の署名(手書き)
5. 翻訳日

翻訳証明文(英語例):

I, [Translator Name], hereby certify that I am fluent in [source language] and [target language], and that the above is a true and accurate translation of the attached document.

[Signature]
[Name]
[Date]

この文書に対して、後述の通り行政書士や公証人が認証を加える必要があります。

公証を取得する方法(日本国内の場合)

日本で公証付き翻訳を取得するには、以下の2つの方法があります:

  1. 行政書士に依頼する
    • 英文翻訳+翻訳証明書+認証手続きまで一括で対応可能
    • 外国向け文書の取扱に慣れており、費用は1万円〜2万円程度
    • 行政書士は「職印付き証明書」を添付し、外国の機関でも高い信頼性がある
  2. 公証役場で公証人による認証を受ける
    • 自分または翻訳者が翻訳し、翻訳証明書を作成
    • その署名を持って最寄りの公証役場で認証を受ける
    • 手数料:1通あたり11,000円〜13,000円程度
    • 外務省での「アポスティーユ」や「大使館認証」が必要になるケースもあり

※ 公証人は翻訳の内容には関与せず、「翻訳者が内容の正確性を誓って署名した」ことに対して認証を行います。

翻訳+公証+アポスティーユの組み合わせ

提出先によっては「公証済の翻訳文」に加えて、「外務省の認証(アポスティーユ)」または「駐日大使館の領事認証」が必要となる場合もあります。

認証手続きの流れ(一般的なパターン):
1. 死亡診断書を日本語から英語などに翻訳
2. 翻訳証明書を添付し、翻訳者が署名
3. 公証役場で署名の認証(Notarization)
4. 必要に応じて:
• 外務省でアポスティーユを取得(ハーグ条約加盟国向け)
• 各国大使館で領事認証を取得(非加盟国向け)

所要日数の目安:
• 翻訳:1〜3営業日
• 公証:即日〜1日
• アポスティーユ:1〜3営業日(郵送ならさらに数日)
• 領事認証:国により異なるが3〜7営業日

海外で公証付き翻訳が必要な場合の対応(現地翻訳 vs 日本翻訳)

提出先が外国にある場合、次の2通りの方法が考えられます:

日本国内での翻訳+公証+認証(日本語→英語など)
• 日本国内で完結する
• 信頼できる行政書士や翻訳事務所に依頼
• 外務省や大使館での追加認証を受けてから送付
• メリット:事前に準備でき、品質が担保される

現地翻訳会社で翻訳・公証
• 海外で認定翻訳者(Certified Translator)に依頼
• Notary Public(公証人)によりその場で公証
• メリット:現地要件に適合しやすい
• デメリット:料金が高く、やりとりが煩雑になることも

→ どちらの方法が適しているかは、提出先の要求(例:Certified translation required by U.S. notary)によって異なるため、事前に確認することが重要です。

海外の保険に加入するのは手続きがスムーズでも、保険金請求時には厳密な書類審査や公的証明が求められることが多く、予想以上に手間と時間がかかることがあるのですね。

「死亡診断書の公証付き翻訳」は、その典型例です。
こうした制度的ハードルを事前に知っておくことは大切ですね。

まとめ

  • 死亡診断書の公証付き翻訳は、正確性と公式性が強く求められる文書であり、提出先の国や機関によって要件が微妙に異なる
  • 適切な手順と専門家のサポートを活用することで、スムーズかつ確実な書類提出が可能

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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