月1万・2万円積立では、資産形成も学資も年金も成立しない ― “努力不足”ではなく“設計ミス”という現実

「とりあえずNISAで月1万円」「余裕が出たら2万円に増やす」
こうした言葉は、今や金融機関の広告からSNSまで、至るところで聞かれる。しかし結論から言えば、その水準の積立では、資産形成としても、学資準備としても、老後資金としても、いずれも“足りない”。

問題は、積立額が少ないこと自体ではない。
**少額積立で人生の三大資金(教育・老後・生活防衛)が何とかなると“思わされている構造”**にある。

本記事では、
• 現実的に「最低いくら積み立てる必要があるのか」
• それができない場合、どこを見直すべきなのか
を、感情論や精神論ではなく、数字と構造で整理する。

  • 月1万〜2万円積立が「足りない」理由を数字で直視する
  • 学資準備として最低限必要な積立水準
  • 老後資金として必要な積立額の現実
  • 積立できないのは“意志の弱さ”ではなく“構造の問題”
  • 積立額が足りない人が本当に見直すべきポイント

月1万〜2万円積立が「足りない」理由を数字で直視する

修繕積立金が足りないのはなぜ?不足しないための対処方法をアドバイス|マンション図書館

まず、もっとも典型的なケースを見てみよう。
• 月1万円積立
• 年利5%
• 30年間継続

この場合の最終資産は、約830万円前後にしかならない。
月2万円でも、約1,650万円程度だ。

この金額で、何ができるか。
• 子ども1人分の大学費用(私立文系・下宿なし):約700〜900万円
• 老後生活費不足分(夫婦):最低でも2,000〜3,000万円
• 医療・介護・住宅修繕などの不測費用:別途必要

つまり、月1〜2万円積立は「一部を補う」ことすら怪しい水準であり、
「学資も老後もこれで何とかする」という発想自体が成立していない。

これは投資リターンの問題ではない。
積立元本が小さすぎるという、極めて単純な算数の話だ。

学資準備として最低限必要な積立水準

学資保険は本当に必要?仕組みやメリット・デメリットを解説|保険ガイド|保険ほっとライン

では、学資準備として現実的に必要な積立はいくらか。

仮に以下を前提とする。
• 子ども1人
• 18歳時点で800万円を準備
• 運用利回り:年4%
• 積立期間:18年

この場合、必要な月額積立は約3万円前後になる。

ここで重要なのは、
これは「最低ライン」であって「余裕ある水準」ではないという点だ。
• 私立理系
• 下宿・留学
• 大学院進学

こうした選択肢を残すなら、月4〜5万円は見ておく必要がある。

つまり、
学資だけで月1〜2万円は、最初から成立しない前提なのである。

老後資金として必要な積立額の現実

おひとりさま老後”に必要な資金を算出してみた | 東証マネ部!

次に、年金準備。

仮に、
• 老後資金として2,500万円を自助努力で用意
• 期間:35年
• 年利:4%

この条件でも、必要な月額積立は約4万円。

ここに、
• インフレ
• 年金制度の不確実性
• 医療・介護費用

を加味すれば、月5〜7万円でも「余裕」とは言い難い。

つまり、
• 学資:月3〜5万円
• 老後:月5〜7万円

両方を同時に進めるなら、最低でも月8〜10万円規模の積立が必要になる。

この水準を見て、
「無理だ」「そんな余裕はない」
と感じる人が多いだろう。

だが、それこそが問題の核心だ。

積立できないのは“意志の弱さ”ではなく“構造の問題”

修繕積立金が足りない!今からできる6つの対処法と解決策

月8〜10万円を積み立てられない理由を、
「自分の努力不足」
「節約が足りない」
に帰結させるのは、現実を誤認している。

本質は、
今の収入構造・家計構造が、その水準に耐えられる設計になっていない
という一点に尽きる。
• 可処分所得が少なすぎる
• 固定費(住宅・通信・保険)が重すぎる
• 教育費・生活費の上昇に対して収入が追いついていない

この状態で、
「月1万円でも積み立てている自分は偉い」
という精神的自己満足に逃げると、将来にツケを回すだけになる。

積立額が足りない人が本当に見直すべきポイント

3月7日は家計見直しの日】物価上昇に負けずに将来設計を行うには? 見直しや節約のポイントをまとめると・・・ | HugKum(はぐくむ)

積立額が確保できない場合、やるべきことは明確だ。

  1. 投資商品の前に「収入構造」を見直す
    • 昇給余地のない職種・業界にいないか
    • 副収入・事業収入の可能性を完全に放棄していないか

投資は、余剰キャッシュフローがあって初めて成立する行為だ。

  1. 固定費を“削る”のではなく“最適化”する
    • 住居費が収入に対して過剰でないか
    • 内容不明な保険に月数万円払っていないか

削減の目的は「節約」ではない。
投資原資を生むことだ。

  1. 「積立できない前提」で人生設計を再構築する
    • 私立前提の教育方針を見直す
    • 老後は都市部に住み続ける前提を捨てる

積立額を変えられないなら、人生設計の方を変えるしかない。

無駄な支出がないか再確認して、投資に回せる余剰資金を作りたいと思います。

あとは投資先として何を選ぶのかが重要になります。
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まとめ

月1万・2万円の積立は、
「ゼロよりはマシ」
ではあっても、
資産形成・学資・年金準備を成立させる水準ではない。

これは危機感を煽る話ではない。
最初から計算すれば分かる、冷静な現実だ。

そして、その現実を直視したとき、
• 積立額を引き上げる
• 収入構造を変える
• 人生設計を組み替える

このいずれか、もしくは複数を選ばなければならない。

少額積立を「正解」と信じ続けることこそが、
最もリスクの高い選択である。

今の積立額が足りないのではない。
今の前提が、もう通用しなくなっているだけだ。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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