財産課税の気配が“人”を動かす――カリフォルニアと日本に共通する国家リスク

総論:課税は法律より先に「期待」で機能する

今回のカリフォルニアの資産5%課税案は、実現性そのものよりも、「議論された」という事実が最大の意味を持っています。
富裕層にとって重要なのは、実際に税金が取られるかどうかではなく、いつ・どの程度・どんな形で取られ得るかという不確実性です。

これは日本でも全く同じです。
全国民への明示的な「財産税」はまだ存在しませんが、富裕層に対する“事実上の財産課税”はすでに始まっている。しかもそれは、法律の名前を変え、分かりにくい形で進行しています。

  • カリフォルニアの本質は「税率」ではなく「前例」
  • 日本ではすでに始まっている“見えない財産課税”
  • 国債残高という“逃げ場のない現実”
  • 富裕層が最も嫌うのは「不確実性」
  • 「人が動く国」と「人を縛る国」の分岐点

カリフォルニアの本質は「税率」ではなく「前例」

新海外個人年金』の活用法!「2−3−5プラン」毎年5%の収入を得ながらも資産が増える。 - K2 College

記事で問題視されているのは、5%という数字そのものではありません。
• 一度限り
• 超富裕層限定
• 実現ハードルは高い

それでも富裕層が動く理由は明確です。
「州が純資産そのものに手を伸ばそうとした」という前例が生まれたからです。

税は累進的に拡張されます。
今日が10億ドル超でも、明日は5億、1億…と下がる可能性を誰も否定できません。
この「下がり得る」という期待が、人を移動させるのです。

日本ではすでに始まっている“見えない財産課税”

これが課税当局の「海外資産包囲網」だ! | 資産防衛に役立つ「税の掟」 | ダイヤモンド・オンライン

日本では、露骨な財産税は存在しません。
しかし、以下は事実上の財産課税です。
• 相続税・贈与税の極端な累進化
• 金融所得課税の引き上げ議論(分離課税の形骸化)
• 高額所得者への社会保険料負担の増大
• インフレによる実質的な通貨課税
• 円安放置による海外資産保有者への二重負担

これらはすべて、「持っていること」自体にコストを課す仕組みです。
名称が「財産税」でないだけで、本質は同じです。

国債残高という“逃げ場のない現実”

財政に関する資料 : 財務省

日本がカリフォルニア以上に危うい理由は、国債残高という絶対条件です。
• 政府債務はGDP比で世界最悪水準
• 金利上昇は財政を直撃
• 増税かインフレか、どちらかは不可避

この状況で、「財産には手を出さない」という選択肢は、理論上も政治上も残りにくい。

全国民への財産税は政治的に難しくても、
「富裕層限定」「一時的」「危機対応」という名目なら、十分に現実的です。

富裕層が最も嫌うのは「不確実性」

富裕層の4つの特徴!お金持ちに学ぶ資産管理の考え方 | コラム | auじぶん銀行

重要なのは、課税の有無ではなく予見可能性です。
• ルールが明確
• 長期的に変更されにくい
• 政治の感情で左右されない

これが担保されていれば、富裕層は税率が高くても留まります。
逆に、日本もカリフォルニアも、今はその逆です。
• 財政不安
• ポピュリズム
• 「金持ちから取れ」という空気

この3点が揃った時、富裕層は実際の課税を待たずに動く。

「人が動く国」と「人を縛る国」の分岐点

理論が人を縛る――”枠組み”の罠|垂水 隆幸

カリフォルニアから人が出ていくのは、税率が高いからではありません。
選択肢があることを知っているからです。

日本でも同じです。
世界を見渡せば、
• 税制が安定した国
• 資産に手を出さない国
• ルールを尊重する国

はいくらでもあります。

一度、人が動き始めると、税収基盤そのものが痩せる。
これは短期的な増税では取り戻せません。

日本でも税率の低い国に移住する富裕層が増えてきましたよね。

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まとめ:課税は最後の一手、だが議論は最初の一手

カリフォルニアの5%資産課税案は、法律として成立しなくても、すでに十分な効果を発揮しています。
それは「人を動かす」という意味でです。

日本も同じ局面にあります。
すでに富裕層向けの実質的な課税は始まっており、
国債残高という制約を考えれば、今後も議論は必ず出る。

国家にとって最も重いコストは、
税率を上げることではなく、信用を失うことです。

税は取れても、人がいなくなれば終わる。
カリフォルニアは、日本の未来を映す鏡になりつつあります。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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