海外積立商品の構造的問題 ― Cornhill・FPI・RL360の比較分析

アジアを中心にIFA経由で販売されてきた海外積立商品は、表面上は「国際分散投資の利便性」「外貨建てによる資産防衛」「長期積立による資産形成効果」といった魅力的なキャッチコピーで投資家に訴求されてきた。しかし、その商品設計の中身を精査すると、共通して「高額な初期コスト」「複雑かつ不透明なボーナス・ペナルティ構造」「ファンド選択の制約」「税務面での不整合性」「販売チャネルの問題」に起因するリスクが浮かび上がる。ここでは代表的な3社 ― Cornhill、FPI(Friends Provident International)、RL360 ― を取り上げ、それぞれの特徴と共通課題を比較しつつ、日本人投資家が直面するリスクの本質を考察する。

  • 初期コストと長期拘束 ― 3社に共通する「手数料トラップ」
  • ボーナス設計の実効性と誤認誘導
  • ファンド選択肢と実際の運用効率
  • 税務面での不透明性と日本人投資家のリスク
  • 販売チャネルと投資家保護の欠如

初期コストと長期拘束 ― 3社に共通する「手数料トラップ」

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いずれの会社の商品も、契約初期に支払われる保険料の大部分を「初期口座(Initial Units)」として区分し、10年〜20年という長期にわたって手数料を差し引く設計を採用している。Cornhillの場合、実効手数料が年率5%近くに達するケースがある。FPIも同様に「ポリシーチャージ+管理費+ファンド信託報酬」が重複し、長期拘束が解けるまで利益が見込みにくい。RL360もまた「ラージアップフロントコスト+サレンダーチャージ」で途中解約を極端に不利にしており、いずれも投資家に「継続せざるを得ない」心理的拘束を与える点が共通する。つまり、商品設計そのものがIFAの高額コミッションを正当化するために作られているといえる。

ボーナス設計の実効性と誤認誘導

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3社とも販売時に強調されるのが「継続ボーナス」「ロイヤルティボーナス」といった付加価値だ。Cornhillでは長期継続で付与されるとされるが、実際には手数料控除後に算出されるため効果は小さい。FPIでも「契約後10年目以降にボーナス付与」と宣伝されるが、途中で積立を減額すると失効するケースが多く、期待値は低い。RL360に至っては「特別口座に上乗せ」と見せかけるが、同時に隠れた手数料を徴収しており、実質的に相殺されることが多い。つまり、いずれも「ボーナス」という言葉がマーケティング上の飾りにすぎず、投資家に誤認を与える仕組みである。

ファンド選択肢と実際の運用効率

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Cornhillの商品は専用ラップファンドが中心であり、選択肢が狭く、二重手数料が発生しやすい。FPIは一見豊富なファンドを提示するが、その多くは高コストなユニットリンクファンドで、インデックス運用やETFのような低コスト商品は限定的である。RL360も似た構造で、「多様性」を強調するが実際にはIFAの提携運用会社が中心となり、運用効率は低下する。結果として、3社とも「市場平均に劣後する運用成果」が構造的に組み込まれているといえる。投資家にとっての実質的な利点は乏しく、むしろ国内NISAや投資信託の方が遥かに低コストで高効率となる。

税務面での不透明性と日本人投資家のリスク

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Cornhill・FPI・RL360はいずれも英国法やマン島法など海外法準拠で設計されており、日本国内の税務制度との整合性に課題がある。解約時の課税計算に必要な払込保険料や諸費用控除の詳細が開示されず、投資家は「一時所得」として申告する際に不利になることが多い。また、為替差益課税の扱いも複雑であり、円安局面では思わぬ課税を受けるリスクがある。さらに、これら商品は日本の保険契約者保護制度の対象外であり、万一発行体が経営破綻しても投資家は保護を受けられない。国内税制・制度に整合しない「グレー商品」という点で、共通して重大なリスクを内包している。

販売チャネルと投資家保護の欠如

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Cornhill、FPI、RL360はいずれも香港やシンガポールのIFAを通じて販売されるが、その販売手法は「高額コミッション優先」であり、投資家本位とは言い難い。IFAは契約初期に高い手数料を得るため、積立の長期リスクや不利な解約条件を十分に説明しないケースが多い。販売後のアフターフォローも乏しく、契約者が困った時に現地オフィスに直接問い合わせざるを得ない状況も少なくない。さらに、日本在住者への販売は金融庁登録がなく「適法性グレーゾーン」に置かれており、万一のトラブル時に日本のADR制度や行政処分で救済されることは期待できない。つまり、投資家保護の枠組みから外れた「無防備な商品」として広がっているのである。

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まとめ

Cornhill・FPI・RL360に共通するのは、「IFAの高額コミッションを原資とする高コスト設計」「見せかけのボーナス」「限定的で非効率なファンド選択肢」「日本税制との不整合」「販売チャネルに依存する投資家保護欠如」という5つの問題点である。違いがあるとすれば、Cornhillはより単純に高コスト、FPIはブランドと歴史を背景に販売力が強く、RL360は「選択肢の多さ」を装いながら実際は似た構造を持つ点だ。いずれにしても、日本人投資家にとって本質的に不利な設計であることに変わりはない。海外積立は「国際分散」「節税」といった魅力的な言葉で包まれているが、実際には制度外商品であり、国内制度に沿ったNISAやiDeCoの方が圧倒的に合理的である。投資家は華やかなパンフレットの言葉ではなく、その裏に隠れた商品設計の現実を理解することが求められる。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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