こんにちは、K2 College河合です。
本日も大体の投資家から言われる悩み「営業マンの言う通りに投資って不安」について、元証券マンの立場から解説したいと思います(笑)。
私は物売りの証券マンの言うことなんて初めから信じてないので、ネット証券で自分でいいと思った銘柄、投資信託だけ買ってます。
はい、それは正解だと思います。ただやはり餅は餅屋。個人で本業がありながら勉強できる範囲と、我々投資の専門家が勉強している量ではかなり差ができてしまうと思うので、我々のような投資アドバイザー(販売はしません)のアドバイスもよければ参考にしてみてください(直接相談無料)。
ここからは大手証券会社(対面営業)で投資をしているという投資家のみ読んでください。
- 証券会社は売買から生じる手数料(コミッション)で儲けている
- 証券マンは手数料の高い商品を売りたい
- (米国式)資産残高の1%をもらう顧問料体系はいつ始まる?
- 「お客様」と呼んでくる営業マンには注意しよう
証券会社は売買から生じる手数料(コミッション)で儲けている
証券会社で勘違いされがちなのが、投資信託を作って運用しているアセットマネジメント会社とは別だということです。私がいた野村ホールディングスであれば、親会社の傘下に野村證券と野村アセットマネジメントがあり、同じようには見えますが、実際には別会社として動いています。そのため野村證券で野村アセットの投資信託を販売もしますが、別の会社(例えばフィデリティとかアライアンスバーンスタインとか)の投資信託を販売したりもします。逆に野村アセットも野村證券だけで販売してもらうのではなく、銀行などでも販売されたりしています。
それぞれ主にこのような手数料(コミッション)でビジネスが成り立ってます。右手はよくある手数料率(%)を表記しています。
<証券会社>
購入手数料:3%
残高コミッション(信託報酬の一部):0.5%
売却手数料:0.3%
<アセットマネジメント(ファンド会社)>
信託報酬:1.5%/年
成功報酬(ヘッジファンドのみ):10%(ハイウォーターマーク)
つまり証券会社は売買の手数料で儲けているので、たくさん売買してもらった方がいい。ファンド会社は資産残高に対する一定割合を信託報酬として毎年もらい続けるので、投資してもらったら長く持ってもらった方がいいということになります。
長期投資をすると言って買ったのに、証券会社の担当からしょっちゅう連絡があるのはだからなんですね。
はい、株価(基準価額)が上がっていれば「利益確定をしましょう」、下がっていたら「この商品ダメなのでこちらにしましょう」とどちらに転んでも連絡が来ると思います。
証券マンは手数料の高い商品を売りたい
証券会社にもいろんな金融商品がありますよね。
- 株
- 債券
- 投資信託(ファンド)
- 変額年金保険
- SMA(一任勘定)
- ファンドラップ
いずれも相場が絡んでくるものですから、どの証券マンも今後上昇するものを売りたいと思ってます。つまり「お客様」に儲かってもらいたいと思ってます。ただそんなこと言ってるだけじゃあ、ノルマのある証券会社では働いていけませんよね。ノルマ(目標数字=コミッション)を上げるために、以下のような商品戦略となります。
- 「お客様」が興味あるもの
- 今後の相場で上がりそうなもの
- 手数料の高いもの
- 長期で縛られないもの
手数料が高いという意味では変額年金保険もSMA、ファンドラップもいいのですが、長期投資をしてもらっては売買できなくなってしまうので(4)、結果的に投資信託が中心になります。
確かに株をしたいという理由で証券口座を開いて、株の売買をしていたのに、担当者からはいつも投資信託ばかり勧められます。投資信託の方が分散投資されてるからいいとか・・・。
たしかに投資信託の方が分散投資できていますが、投資信託の内80%がベンチマークであるETFに負けているので、本当は投資信託で運用するよりもETFへ投資した方がいいですよね(証券マンならみんな知ってます)。しかしETFは株と同じ手数料しか取れないため、その事実を教えてくれる証券マンはいないと思いますし、株やETFがいいと思うなら、手間のかからないオンライントレードで勝手に売買してください(これも一応担当者の成績となる)と考えられています。
(米国式)資産残高の1%をもらう顧問料体系はいつ始まる?
ご覧の通り、こういった証券会社の手数料体系が顧客である投資家と利益相反しているのがわかりますよね。投資家は手数料を抑えて、リターンを高くすることを目標としているからです。
そのため投資の本場、米国ではメリルリンチという会社が20年以上前にこの制度を廃止。資産残高の1%を顧客からもらうという顧問料制度(フィーモデル)が始めました。そうすることで、証券マンの目的も投資家と同じになり、無駄な手数料を抑え、リターンをたくさん出してもらおうとなります。また運用報告はしますが、無駄な売買をしなくていいことで、余計なセールスに使う時間も避け、長期投資のため、必要な時に会えばいいようになります。
実はこれ米国では既にスタンダードになってるんです。ETFができた時に、頭のいい米国の個人投資家達が投資信託をすることはなくなるだろうってすぐに気づき、ビジネスモデルを転換させたんですね。
しかし個人投資家の投資リテラシーの低い日本では、長くコミッションモデル(売買手数料で稼ぐ)が変わりませんでした。証券会社もイノベーションのジレンマで、これまでの儲けているビジネスモデルを捨てることもできませんでした。
ただここ数年、若い個人投資家が増え、オンライントレードがスタンダードとなり、ネットやSNSでの情報収集が恒常化すると、投資信託の資産残高上位もETFばかりとなりました。自分からは変われなかったけれど、最初から違う考えを持った人が増えてきたことで、共存するようになりました。
また米国式のフィーモデルは日本のSMA、ファンドラップなどで試験的に行われていますが、結局手数料を稼げない、長期間動かせなくなってしまう、ということで証券マンが好んで販売しようとしないという状態です。コミッションモデルとフィーモデルの共存は難しいようですね。
これを聞いてしまったら、私もこういう米国式アドバイザーと付き合いたいと思います。証券IFAというのを最近は耳にしますが、こうした制度なんでしょうか?
証券IFAというのは、証券会社の代理店です。保険会社と保険代理店と同じ関係だと思ってください。つまり基本的な稼ぎ方は証券会社と同じコミッションモデルですよね。ただノルマがない分、自分で短期的に無茶して稼ぎたいと思えばそのような営業になるし、長期で顧客とちゃんと付き合っていきたいと思えば、そのような営業にすることができます。その人次第ですね。
「お客様」と呼んでくる営業マンには注意しよう
どんな業界の営業も同じですが、
「お客様は神様」
だと教育している会社ありますよね。また顧客の呼び方を「〜(名前)さん」ではなく「〜様」と呼ぶことを強いたりしています。
また逆も然りで、「お客様」と呼ばれたい消費者、「お客様」扱いされたい消費者いますよね。お金を払うのだから良くしてもらって当たり前、呼んだらすぐに来て欲しい、ワガママ聞いてくれるのが当たり前。こういう消費者は自分で自分が損をすることを決めてます。
買う人間 vs 売る人間
という関係でいいと自分から決めてしまってます。「売る人間」は言い換えれば「売れればいい」わけですから、その人が買った後のことなんて知ったことじゃありません。買った後、文句を言ってこようが無視すればいいんです(「お客様」ほど文句を言ってくる)。「買う人間」から二度と買わないって言われようが、「売る人間」が二度と買ってもらおうなんて思わなければそういう関係でいいんです。
買うことなんて誰からでもどこからでもできる世の中ですから、そんな一時的利益のため、小さなプライド、くだらない拘りのために、大事な情報源をなくしてしまう方が損です。せっかくその人間から買うのであれば、値段以上の価値をもらった方が得ですよね。
だから「お客様」と呼んでくる人は警戒しましょう。テーブルの向こうサイドでこちらを見てパンフレット片手にセールスしてこようとする人達です。そうではなくテーブルのこちらサイドに一緒に座って、同じ方向を同じ目線で見てくれるような人に相談するようにしましょう。
そう言われると、思い当たる節がいくつもあります・・・。買う物を選ぶんじゃなくて、付き合う人を選ばないといけませんね。
私も経験ありますが、こういうタイプは全く相手にしません。むこうからのマニュアル通りの会話には答えず、自分が買いたいと思うかどうか、そのために必要な情報だけを聞き出します。しかし中にはちゃんとした人も結構います。こういう人は、単なるアパレル店員でも家具屋でも不動産屋でも、その後もプライベートでの付き合いが続いています。投資や保険、お金の世界でもこうした一生かけて長く付き合えるアドバイザーが見つかるといいですね。弊社K2はこのようなアドバイザーとしてお付き合いさせてもらっています。
※弊社K2メンバーはこちら
※K2 Recruit(採用)はこちら
【まとめ】証券マンは情報を取るだけの関係でいよう
現在、何社の証券会社とお付き合いありますか?手数料体系もですが、商品ランナップもほとんどどの会社も似たり寄ったりになっており、また主にETFで投資をすればいいとなると、それほど一つの証券会社と1人の営業マンと深く付き合う必要もなくなりましたよね。
ただやはり投資情報、相場、データなど、日本語で参考になるデータは持っていたりします(とはいえネットでも相当量手に入りますが)。なので証券マンとは情報収集のために付き合いをして、投資先を決める際は自分自身で選ぶか、我々のような中立な投資アドバイザーへご相談ください。どの証券会社にも属さない立場から、客観的なアドバイスをさせていただきます。
このサイト(K2 College)でほとんどの商品の情報と解説が見れるので、むしろ証券会社に相談しなくてもよさそうですね。
ありがとうございます。そのためにこのサイトを作って更新しています(笑)。あとは本当は日本という限られた狭い金融業界ではなく、海外にもっとたくさん良い金融商品(ヘッジファンド、オルタナティブ)があります。これはETFでは投資できないので、一つの選択肢として入れてもらえると、もっとリスクが低く、リターンの高い分散投資ができるようになります。詳しくは私の書いたこちらの入門書(マニュアル)をご覧ください(無料)。
※『オフショア投資入門書(マニュアル)』はこちら(無料)
まとめ
- 証券マンからは情報収集のみの付き合いで
- コストを抑えれば、リターンは高くなる
- リスクは低く、リターンが高いのがヘッジファンド&オルタナティブ
- 一生付き合えるお金のアドバイザーを見つけよう
著者プロフィール
-
<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長
<趣味>
ダイビング、クルージング、自然
最近の投稿
- 元本確保型ファンド2024.05.17満期時に元本を保証してもらった上で、投資ができる『元本確保型ファンド』
- 分散投資2024.04.18分散投資でリスクを減らそう
- 海外口座2023.08.21海外赴任者&海外移住者のための証券会社(日本)の対応方法
- 海外積立2023.08.18国外転出時課税制度(出国税)とは?
この投稿へのトラックバック: https://media.k2-assurance.com/archives/basics/800/trackback