「人生に備えておきましょう」「万が一のために必要です」。この言葉に背中を押され、多くの人は毎月高額な保険料を払い続けます。医療保険、がん保険、学資保険、外貨建て保険…。選択肢は無限にあるように見えますが、その構造を冷静に見れば、ほとんどは不安を煽られた大衆が安心を買わされ、保険会社と営業マンだけが儲かる仕組みです。
- 保険の建前と実態
- 大衆が群がる心理
- 感情型大衆の典型行動
- 保険業界と営業マンの構図
- 大衆の末路
保険の建前と実態

• 建前(セールストーク)
• 「入院1日◯円で安心」
• 「子どもの教育費はこれで安心」
• 「老後資金も運用しながら準備できます」
• 実態
• 実際に給付を受ける可能性は低く、保険料は「掛け捨て」。
• 貯蓄型保険も、手数料と解約控除で資産形成としては非効率。
• 運用益は保険会社が吸い上げ、加入者にはわずかな保証が返るだけ。
冷静に見れば、保険は「起こる確率が低い不安」を高いコストでカバーする商品にすぎません。
大衆が群がる心理

• 不安の植え付け
→ 「病気になったらどうする?」「入院は◯百万円かかる」など、極端な例を突きつけられる。
• 同調圧力
→ 「みんな入っているから」「会社の同僚も勧められたから」という理由で加入。
• 安心感の消費
→ 実際には合理的判断ではなく、「払っているから大丈夫」という精神安定剤。
つまり、保険料を払うのは「未来のリスク」への備えではなく、「今この瞬間の不安から逃れたい」という感情なのです。
感情型大衆の典型行動

• 営業マンに言われるがまま加入
→ 内容を理解せず、「なんとなく必要そう」と契約。
• 数字を見ない
→ 「返戻率」「手数料」を無視し、月々の保険料だけを気にする。
• 保険が資産だと思い込む
→ 「貯蓄型だから損はしない」と勘違い。実際には定期預金以下の利回り。
大衆にとって重要なのは、合理性ではなく「安心している自分」であり、それこそが保険会社のビジネスチャンスなのです。
保険業界と営業マンの構図

• 保険会社は「大衆の不安」を収益源にする。
• 営業マンは契約数に応じて高額なコミッションを得る。
• 大衆は「安心したい」という感情に金を払い続け、結果的に保険会社を肥え太らせる。
この構図は、宗教とよく似ています。保険料は「お布施」、営業マンは「布教者」、保険会社は「安心という信仰心を集める寺院」。
大衆の末路

30年、40年と保険料を払い続けても、給付を受ける場面はほとんど訪れない。老後に残るのは「払った金額に見合わないわずかな返戻金」と「自分はちゃんと備えていたはずなのに…」という後悔。
大衆は「不安から逃れるために払った安心料」によって、むしろ資産形成の機会を失っているのです。
まとめ
- 保険は本来「生活破綻リスク」を限定的にカバーするものにすぎない。
- しかし大衆は、不安を煽られると感情で判断し、過剰に加入する。
- その結果、保険会社と営業マンを潤わせ、自分の資産形成を阻害する。
- 保険に群がる大衆は「将来の安心」を買っているのではなく、**「今この瞬間の不安逃避」**を消費しているにすぎない。
- 結局、大衆は投資家でも生活防衛者でもなく、「不安に操られて保険料を払い続けるスポンサー」にすぎないのです。
著者プロフィール

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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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