こんにちは、K2 College河合です。
本日は年々お問合せが増えている「海外送金」について解説します。かつては日本への不安、もっと良いファンド、金利のつく商品へ投資するため海外送金をする方が多かったのですが、20年ぶりの円安(125円/ドルを超え出したあたり)から、本気で外貨を持っておきたいと思う日本人が多くなってきました。その日本人の意志に反して、日本の銀行は年々海外送金をさせてくれないようになっています。そこで海外送金する意味、海外送金するならどこの銀行がいいか、をまとめたいと思います。
私は娘の留学費用で毎年送金していたのに、去年になってから急に送金させてくれない銀行が出てきました。他の銀行からお金を移してきて、それを送金しようとしたらダメだとか、銀行によって基準もバラバラなようです。
海外送金が厳しくなっている背景には「マネーロンダリング対策」と「海外送金をさせてくない当局」からの指示があります。そこも解説していきますね。
- 海外送金が厳しくなっている背景
- 外貨を持つ意味
- 日本の銀行ではなく、海外の口座で外貨を持つ意味
- 日本のファンドではなく、海外のファンドに投資をする意味
- 海外送金してくれる銀行、してくれない銀行
海外送金が厳しくなっている背景
海外送金が厳しくなっている背景には・・・
1)マネーロンダリング規制
2)当局からの指示
があります。
1)OECD諸国間でCRSという制度ができた流れで、国際的なお金の流れを把握しようという動きが強くなっています。これは各国税金を取りたいということもありますし、純粋にテロ資金、マフィア(ドラッグ、武器など)資金を止めるという目的もあります。今回、ロシアへの制裁にも使われていますよね。
しかしその中で、国際的な取引の少ない日本の金融機関はどこもマネーロンダリング対策がしっかりされていないと判断されてしまいました。その対応として、昨年(2021年)6月に金融庁と日銀が連携し、日本の金融機関を検査することになりました(記事はこちら)。
とはいえほとんどの日本人が税金を払った後に貯めた自分のお金を海外に送金するのに、どんな目的であろうと制限を受けるのはおかしいですよね。しかし日本円資産を減らしたくない当局は指導することができる監督下の金融機関に対して、海外送金をさせないようにという圧力をかけてきました。
2)日本の銀行にとっても海外送金することで稼げるお金はしれています。皆さんからすると一度の海外送金に一律6000円というのは、例えば100万円送金するのに0.6%を払うわけですから、銀行からもらっている金利と比べたらバカみたいに高いですよね。けれど銀行からしたら、30分(マネーロンダリング対策のせいで下手したら1時間)かけて6000円もらっていたのでは商売になりません。ということで、海外送金は一切断ってしまおうということになったのです。
商売としてはそれでいいかもしれませんが、本来の銀行という存在意義を考えるとひどい話です。けれど当局はそれで満足ですから、海外送金をしたいというごく一部の消費者が不満を言おうが断るような商習慣ができてしまいました。
海外の銀行のことはわかりませんが、自分のお金を自由に動かせないってひどいですよね。
はい、皆さんそう不満を言ってますが、それを銀行にぶつけると余計海外送金できなくなります。めんどくさい客は扱いたくないということですね。
外貨を持つ意味
それでも外貨を持つことは円安になっていくこれからの時代、必ず必要なことになります。円安になる理由としては・・・
・利上げができない中央銀行(日銀)
・資源がない
・膨れ上がる国債残高(1000兆円超)
・日銀と年金基金により買い支えられた日本株残高
・国会議員と官僚の利権構造
・少子高齢化
・国際競争力のない日本企業
・グローバル企業で働く人材を作れない日本の教育システム
など挙げられますが、どれも日本の価値がないことを示し、今後も諸外国との差が開くことを考えると、必然的に円安になるようになっていますよね。そのため今のうちに外貨にしておいて、必要な時にだけ必要な分を日本円に換えるということがこれからの時代は必要になります。
そう思いながら行動できず、気づいたら130円/ドル近くなってしまいました。もう一度円高になった時にドル転しようと思いますが、どう思いますか?
レンジ相場であればその考えは正しいですが、もう天井を抜けている相場です。今後は底なしに円安が進むことが予想されるので、できるだけ早くドルにしておくことをお勧めします。
日本の銀行ではなく、海外の口座で外貨を持つ意味
それではどうして日本の銀行ではなく、海外の口座に置いておいた方がいいのでしょうか?
1)日本(JAPAN)リスクからの逃避
2)日本の規制からの逃避
3)財産税からの逃避
1)日本(JAPAN)リスクというのは、上述した円安になる要因とも重複しますが、我々日本人は、日本の偏った教育を受け、日本人ばかりと会話をし、常識だと思っている日本文化の元、日本語だけを使って、日本円で生活しています。これは多民族が共存する海外ではかなり特殊であり、日本が「ガラパゴス」だと呼ばれる所以です。
その中では居心地のいい空間に感じますが、国際経済という点では競争力を失い、国内では一方向へ偏り過ぎてしまうため、構造改革、財政の立て直しができません。世界で見ても突出してGDPに占める国債残高が高い日本は、このままいくと破綻(デフォルト)ということも起こり得ます(WOWOWドラマ「オペレーションZ」がわかりやすいです)。日本という国と日本人個人という「個」を切り離しておいた方がいいと思います。
2)日本の銀行は日本の当局の管理下にあり、あらゆる情報は抜かれ、預金封鎖をされたら、自分の自由になるお金がなくなってしまいます。子供がいたら子供の学費を払えなくなり、会社経営をしていたら資金繰りに困ります。
3)国家破綻シナリオには必ず最後には財産税がついてきます。デフォルト(破綻)というのは国の借金(国債)の買い手がいなくなる時ですが、国債の一番の買い手は皆さん個人です。買っている記憶がないかもしれませんが、銀行に預金しているお金、加入している保険こそがそれです。そのため銀行から引き出し騒ぎが必ず起こるので、預金封鎖をします。生命保険の解約もできなくなるかもしれませんね。
これらの日本(JAPAN)リスクを回避するために日本ではなく海外の口座に外貨で置いておきましょう。そして年々強まる海外送金規制は、最終的には全ての日本人の金融資産が対象になるかもしれません。それが平気で起こり得るのが日本という国ですから、海外送金できるうちにしておきましょう。
国家破綻は極論ではないでしょうか?そういうことを言っている怪しいサイトをよく見かけます。
怪しいサイトたくさんありますよねwそういう書籍もよく見かけます。そういう人達は言い方は極端ですけれど、現実的に経済を勉強していくと、日本がかなり危ない状態だということがわかるのも事実です。国家破綻はもちろんしない方がいいけれど、古くはキューバ革命で一夜にして共産国になったキューバ、クーデターで再度軍に掌握されたミャンマー、今回ウクライナという国が滅びそうになっていて、侵略していったロシアがデフォルトになろうとしていること、習近平の任期5年以内に台湾を中国へ統一させようとしていることなど、絶対に起こらないということはなく、起こる時は一瞬で起こります(我々一般人にはそう見えます)。なのでできることは事前にしておけるといいですね。投資も人生も分散が大事です。
日本のファンドではなく、海外のファンドに投資をする意味
大事な金融資産を守るという意味では海外の銀行口座でいいですが、これからのインフレの時代、お金を増やしておいた方がいいですね。良いパフォーマンスのファンドへ投資するか、金利のつく保険にしておきましょう。
しかし既にご存じの通り、日本には良いファンド(ヘッジファンド、オルタナティブ)の選択肢も少なければ、金利のつく保険は皆無です(金利の低い日本国債が入ってから)。となると海外で投資をするしかありませんね。
銀行口座を開いて、海外送金をしてそこへお金を移すことは理解するのに難しくはないですが、投資をするとなると・・・難しいですね。
海外投資と海外保険について私なりにまとめている入門書(マニュアル)がありますので、一度読んでみてください。
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海外送金してくれる銀行、してくれない銀行
最後に海外送金をしようと思った時に、使うといい銀行、使わない方がいい銀行リストです。
<海外送金させてくれない銀行リスト>
・三菱UFJ銀行
・みずほ銀行
<海外送金できるかもしれないリスト>
・三井住友銀行
・地方銀行(銀行による)
<海外送金させてくれる銀行リスト>
ここに記載するとまた当局から規制が入る恐れがあるため、こちらから個別にご連絡ください。
三菱とみずほは海外送金させてくれないですね?
当局からの天下りが多い、指導が多いからじゃないでしょうか。ほぼ100%の確率で送金させてくれないと聞いています(法人で取引があるとか、よほど特殊なケースは別)。
まとめ
- 今すぐ海外送金をして外貨を持とう
- その前に海外口座開設を(我々がサポートします)
- 海外投資/保険も視野に入れよう
- 海外積立なら日本のクレジットカードから送金OK
海外送金するにも自分の口座が海外になければ送れませんよねwまだ持っていない場合は我々K2がサポートしますので、こちらの入門書(マニュアル)を読んだ上で、個別にご連絡ください。
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海外に渡航できないなど、諸事情で海外口座が開設できない方は、海外積立であれば日本発行のクレジットカードで海外送金ができます。こちらの入門書(マニュアル)を参考にしてください。
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著者プロフィール
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<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長
<趣味>
ダイビング、クルージング、自然
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