こんにちは。K2 College大崎です。
マーケットが目まぐるしい勢いで動いていますね。
金融不安は各地で広がっております。
- UBS、クレディ・スイスを買収へ
- 他人が恐れる時こそ貪欲になれ
10日にシリコンバレーバンクが破綻して、12日にはシグネチャー・バンクも破綻。
銀行システムへの懸念を和らげようと、16日には破綻の恐れがあるとみられていたファースト・リパブリック・バンクに米大手11銀行が合同で300億ドル(約4兆円)を預金するなど、救済策を講じておりました。
UBS、クレディ・スイスを買収へ
19日には経営不安が再燃していたスイス金融大手のクレディ・スイスを、同じスイスのUBSが買収することが決まりました。
買収によってクレディ・スイスの債券が無価値になるとの記事を見ましたが、
そうなのですか。
債券といっても様々な種類がありますが、今回は、劣後債の一種である「その他ティア1債」(AT1債)の約160億スイスフラン(約2兆2,800億円)相当が無価値となり、投資家が損失を負担することになったようです。
クレディ・スイスの自己資本に組み入れられたわけですね。
発行体がデフォルト(倒産)した場合、残っている資産の分配において、普通社債から順番に弁済されていくので、優先債務の全てが弁済されるまで、当該債券に対する分配は行われず、法的弁済順位が低くなればなるほど、利金が受け取れないリスクが高くなります。
ただ今回の買収では、株式交換でクレディ・スイス22.48株あたりUBS1株を割り当てる仕組みにしているようですから、クレディ・スイスの株式に投資している投資家は価値がゼロにはならないのに対し、AT1債は無価値となりますので、AT1債に投資した投資家からは不満の声が出ているようですね。
確かに株式よりも弁済順位が高いAT1債が無価値になり、株式は無価値にはならないというのはAT1債に投資している投資家にとっては納得できないかも知れませんが、AT1債は銀行の破綻を回避するためにそのような特徴のある債券ですので、仕方ないですね。
そのリスクと引き換えに普通社債よりも高い金利を得ていたわけですから、それは受け入れるしかありません。
同じような債券の価格は下落するかも知れませんが、クレディ・スイスの破綻は回避され、これで金融市場のリスクは、また一旦は緩和されたのではないしょうか。
他人が恐れる時こそ貪欲になれ
こんな金融市場に緊張が高まっている中で投資を続けていて大丈夫でしょうか。
市場から退場したらリターンを得ることはできませんよ。
緊張はこの先も続くかと思いますが、各国金融当局が迅速に対応して、都度、乗り切ろうとしております。
本日も、FRB(米連邦準備理事会)など日米欧の中央銀行6行は、協調して市場へのドル供給を強化すると発表しました。
金融システムの緊張が高まる中で、ドル建てでの支払いをする米国以外の金融機関がドルの資金繰りで目詰まりを起こさないようにするのが目的ですが、銀行が家計や企業に対して融資をする取引を滞りなく進める狙いもあります。
不安になる気持ちは理解できますが、ウォーレン・バフェットも「他人が恐れる時こそ貪欲になれ」との格言を残しております。
金融システムの緊張が高まる中で、機関投資家は株式のウエイトを下げておりますが、押し目買いを狙う個人投資家は株価が下がったところで買いを入れております。
例えば、先般のコラム、米地銀、信じ難いほどお買い得でもお伝えしましたが、
SPDR® S&P® Regional Banking ETF(KRE)の株価は3月に入ってから大きく下げております。
この先も下がるかも知れませんが、このタイミングで買っている方は買ってます。
回復後のキャピタルゲインは大きいですからね。
破綻したシリコンバレーバンクやシグネチャー・バンクもこのETFに含まれておりましたよね?
そうです。
これら2つの銀行に個別に投資していれば株式は紙くずになってしまいましたが、
KREであれば他に140銘柄に分散されているので、これらすべてが破綻しないかぎり、価値がなくなることはありません。
しかも上位10銘柄の資産構成比も20%に過ぎないので、十分な防御力を備えています。
一例としてSPDR® S&P® Regional Banking ETF(KRE)を取り上げましたが、確かに株価が急激に下落すると、どこまで下がり続けるのかという恐怖はあります。
一方で、他の投資家が慎重になっているときこそ押し目買いを狙うチャンスと捉えることもできませんでしょうか。
まとめ
- 金融システムの緊張は高まっている
- 他人が恐れる時こそ貪欲になれ
「他人が恐れる時こそ貪欲になれ」というバフェットの格言を取り上げましたが、
金融市場は不安定ですから投資家によって取るべき戦略は異なります。
投資相談を希望される方は、こちらからご連絡ください。
著者プロフィール
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投資アドバイザー
愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。
その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。
自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。
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