オフショアファンドを一部解約した時の3つの選択肢

こんにちは、K2 College河合です。

本日はオフショアファンドへ投資をしている方のための出口戦略を解説したいと思います。投資するのも大事ですが、投資した後、利益確定をする時のことも準備しておくと安心ですよね。

気になるのは売却代金の受け取り方と税金ですよね。

そうですね、それもパターンによって異なるので、パターンごとにまとめておきます。

  • 直接投資とオフショア資産管理口座
  • 一部解約して日本へ送る
  • 全部まとめて解約するまで引き出さず複利運用
  • 海外口座を作って、そこへ送金し、ATMで引き出すか、カードで消費していく

直接投資とオフショア資産管理口座

まずオフショアファンドへ投資する際、大きく分けると海外の口座を使わない直接投資(ファンドへ直接送金)とオフショア資産管理口座(証券口座のようなもの)を使って投資をする2パターンがあります。

1)直接投資

直接投資は投資したファンドを売却した場合、そのまま海外の銀行口座なり日本の銀行口座なりで資金を受け取ることになります。日本に居住している(住民票を入れている)場合、日本の税務署で申告をしてキャピタルゲイン税(分離課税、20%)を支払うことになります。

2)オフショア資産管理口座

オフショア資産管理口座経由の投資においては、海外の保険会社の商品の中でカストディアン名義となっています。そのためオフショア資産管理口座内の売買に関しては、都度納税する必要なく(複利運用)、口座解約時にまとめて申告することになります(申告分離課税、20%)。

(最初に送金した額 + 追加送金した額) – 口座解約時の時価総額 = 利益

ということで、計算が簡単です。

オフショア資産管理口座経由で投資した方が複利効果があって、効率的に資産を増やすことができるということですね。

そうですね。次にそのオフショア資産管理口座で投資している方が、途中でファンドを売却して、一部口座から資金を出そうという場合の取り扱いを説明します。大きく3通りパターンがあります。

一部解約して日本へ送る

オフショア資産管理口座は複利運用できるツールとして素晴らしいのですが、長くしていると一部資金を使いたいということもあると思います。その際、主に3つの方法があります。

一つ目が一部解約をした資金を日本へ送金するという方法。ほとんどの方がこの頭しかないのではないでしょうか?

この場合、確定申告が必要になり、その際、その資金は一部解約か利益確定かをご自身で選択する必要が出てきます。税務署は税金を取りたいばかりですから、相談すれば一部は利益だということで納税することになります。ただ実際は投資資金はもっとたくさんある中の一部を引き出しただけなので、それが利益だとは言い切れないですよね。

申告しなかったらどうなるのでしょうか?

日本の税務当局は、海外から日本に送られてきた資金は100万円でもチェックして(というより銀行が報告している)、この資金はなんですか?と聞いてきます。そのためトラブルになることが想定されるでしょう。

海外口座を作って、そこへ送金し、ATMで引き出すか、カードで消費していく

日本の銀行に送金するから問題になるのであれば、海外で銀行口座を持って、そこへ送金しようという方もいます。どの銀行もデビットカードが付いてきますから、そのカードを使って日本のATMから引き出すことができます(引き出す時は日本円)。海外の口座であれば、最低でも米ドル口座はあるので、円安になるとわかっている日本円に戻さなくてもいいので良いですよね。

海外口座は世界中にたくさんありますが、日本人に身近なところとしては、以下3つの選択があります。

香港:渡航必要、CRS
ハワイ:渡航必要、CRS外
カンボジア:渡航不要、CRS外

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私も香港の口座を持ってますが、もう何年も使ってません。

まずその銀行口座が今もなお使える状態になっているか(凍結、閉鎖になっていないか)を確認してください。使えればその口座でいいですし、使えなければ、新しく口座を作りましょう。作れるうちに作っておいた方がいいですよ。

全部まとめて解約するまで引き出さず複利運用

ということで、よっぽど日本に資金のない方以外は、このオフショア資産管理口座で運用している資金は一番最後まで運用し続けます。外貨で、金利(もしくは運用益)があり、海外に置いてある資金なので、日本リスク(円安、預金封鎖財産税)を考えると、優先順位は最後で然るべきでしょう。

そうするといつか(老後)運用をやめて、年金保険(海外)にして、元本はそのままで金利部分を年金として受け取っていくというスタイルにする時に、長年運用していたオフショア資産管理口座を全解約することになります。

長年、複利で運用していたので、きっと利益はかなり大きくなっていることでしょう。上述の通り、その時に日本の居住者(住民票を入れている)であれば、日本への申告(分離課税20%)が必要になりますが、その年は非居住者になり(住民票を抜く)、海外で生活していたらどうでしょう?キャピタルゲイン課税を取る国は日本など一部の国で、多くの国はキャピタルゲイン税は0%ですから、この大きな利益も非課税とすることできます。この点、日本の証券会社で運用していると、非居住者になった途端、証券口座は凍結されてしまうので、海外で運用しておいた方がいいですよね。

利益に対する税金と海外居住費用比べたら、後者の方が安くつきそうですね。

はい、一時的な海外居住の費用は旅行+αの金額です。むしろそれをキッカケに、老後海外で生活することも考えられていいのではないでしょうか。海外の保険会社を見るのもいいですね。海外の保険会社で利回りの高い保険に入り、老後資金はそこからの金利収入だけで過ごしていきましょう。

まとめ

  • 解約をする際の選択肢を把握した上で、EXITを決めよう
  • 海外口座も簡単に作れる
  • 非居住者は非課税(キャピタルゲイン)
  • 海外の年金保険は高い利回り
  • 老後は元本を崩さず、金利だけで年金生活しよう
  • そのまま海外移住も考えよう

私は日本の税理士ではありませんので、日本の税制についてはあくまで一般的な認識として書いています。ただ世界にはキャピタルゲイン税が0%という国がたくさんあることや、CRS非加盟の銀行口座もまだまだあること、複利運用の方が単利運用(日本の証券会社)よりも効率良く増やせること、海外の保険会社の年金保険は利回りが高いので、老後は元本を取り崩さず金利だけで生活していけることなどは、事実としてしっかり認識していだくために今回、記事としてまとめました。

著者プロフィール

河合 圭
河合 圭
<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長

<趣味>
ダイビング、クルージング、自然

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