スルガスキーム(スルガ銀行)まとめ

こんにちは、K2 College編集部です。

スルガスキームは、スルガ銀行による不正融資問題を指し、日本の金融業界に大きな衝撃を与えたスキャンダルです。この問題は、シェアハウス投資を中心とした不正融資の実態が明るみに出たことから始まりました。以下に、この問題の背景、内容、影響、およびその後の対応について詳しく説明します。

数年前に問題になりましたね。

はい、特にかぼちゃの馬車の一件で大きな問題となりました。

  • 背景
  • 不正の内容
  • 発覚と影響
  • 調査と処分
  • その後の対応

背景

スルガ銀行は静岡県沼津市に本店を構える地方銀行で、個人向けの不動産投資ローンに力を入れていました。2000年代後半から、不動産投資のブームに乗り、多くの個人投資家がシェアハウスやアパートメントへの投資を行うようになりました。この流れの中で、スルガ銀行は他の銀行に比べて高利回りの融資を積極的に行い、投資家に人気を博していました。しかし、2018年に大規模な不正融資問題が発覚し、銀行の経営に深刻な打撃を与えることとなりました。

高利回りの融資というのはどういったものだったのでしょうか?

頭金なしフルローン・オーバーローン
融資までの審査スピード早い(約2週間)
金利4.5%と高金利(都内は3.5%)
という形で、金利は高いもののすぐに資金が必要になる不動産投資にはうってつけだったそうです。

不正の内容

スルガ銀行の不正融資問題は以下のような手法で行われていました:

  • 書類の偽造
    スルガ銀行の職員は、顧客の収入証明書や預金残高証明書を偽造し、実際の収入や資産状況を大幅に誇張して融資を行っていました。例えば、収入が少ない顧客に対して高額の収入証明書を作成し、その結果、多額の融資を受けられるようにしていました。
  • 過剰融資
    本来の収入や資産では到底返済能力がない顧客に対しても、多額の融資を行っていました。これにより、多くの顧客が返済不能に陥り、結果として多くの破産申請が行われました。
  • シェアハウス投資
    特に「かぼちゃの馬車」というブランドのシェアハウス投資に対して多額の融資を行っており、この案件が問題の中心となりました。シェアハウス運営会社の不正も絡み、投資物件の収益性が著しく低いことが後に判明しました。この投資は、収益が見込めるとされた物件が実際には稼働率が低く、運営会社が破綻するなどして多くの投資家が被害を受けました。

書類の偽造までして融資が受けられるようにしていたんですね。

はい、不動産業者に都合の良いシミュレーションなどを元に融資をうけてしまったため、収支が悪くなると返済できなくなってしまいます。

発覚と影響

2018年初頭、シェアハウス投資に関与していた複数の投資家が、融資に問題があると訴え始めました。これにより金融庁が調査に乗り出し、不正融資の実態が明らかになりました。スルガ銀行の経営陣は責任を取り辞任し、銀行の信頼性が大きく損なわれました。また、このスキャンダルは日本の銀行業界全体に衝撃を与え、金融監督当局による規制強化につながりました。

金融庁はスルガ銀行に対して業務改善命令を発出し、詳細な調査を実施しました。その結果、銀行内部での不正行為が広範囲に行われていたことが確認されました。金融庁はスルガ銀行に対して業務改善計画の提出を求め、同銀行は内部統制の強化や経営体制の見直しを行うこととなりました。

いたちごっこな感じもしますね。

問題が発覚して規制が強化される流れですね。

調査と処分

金融庁による調査では、以下のような問題点が指摘されました:

  • 内部統制の欠如:銀行内のガバナンス体制が不十分であり、内部監査やリスク管理が機能していなかったこと。
  • コンプライアンスの欠如:顧客の信頼を損ねるような不正行為が横行していたこと。

この結果、スルガ銀行には厳しい業務改善命令が下され、経営陣の総入れ替えが行われました。新しい経営陣の下で、内部監査機能の強化やコンプライアンスの徹底が図られることとなりました。

経営陣は辞めて終わりですか。

スルガ銀行創業家の岡野光喜氏はこの問題を受けて、代表取締役会長CEOを引責辞任したそうです。

その後の対応

スルガ銀行は、被害を受けた顧客に対して補償を行い、内部統制の強化を図るために多くの改革を実施しました。具体的には、以下のような対策が取られました:

  • 内部監査機能の強化:監査部門を拡充し、不正行為を未然に防止するための体制を整備。
  • 社員教育の徹底:全社員に対してコンプライアンス教育を実施し、倫理意識の向上を図る。
  • 顧客対応窓口の設置:被害を受けた顧客の相談窓口を設置し、迅速な補償対応を実施。
  • 経営体制の見直し:ガバナンス体制を強化し、経営の透明性と責任性を確保するための新たな体制を構築。

結局、組織文化の問題でしょうね。

はい、不正を防ぐには組織文化を変えないと変わらないでしょうね。

まとめ

  • スピード優先の審査で不正が多く行われていた
  • かぼちゃの馬車、アパマンのアパート経営等の不動産投資で多くの過剰融資が発生
  • かぼちゃの馬車問題ではローンと不動産を相殺し、調停済み

スルガスキームは、日本の銀行業界における深刻な不正融資問題として記憶されています。この問題は、金融機関の信頼性の重要性を改めて浮き彫りにし、業界全体の透明性とガバナンスの向上に向けた取り組みが求められるきっかけとなりました。金融機関は、このスキャンダルを教訓に、顧客との信頼関係を築くための努力を続ける必要があります。

スルガ銀行の対応は、金融機関としての信頼回復のための重要なステップとなっていますが、これからも継続的な改善と透明性の確保が求められます。この問題の教訓を生かし、日本の金融業界全体が健全な発展を遂げることが期待されます。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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