RLUSD(Ripple USD)は、米ドルに連動したステーブルコイン

RLUSD(Ripple USD)は、リップル社が提供する米ドルに連動したステーブルコインです。2024年12月17日に提供が開始され、XRP Ledgerとイーサリアムのブロックチェーン上で発行されます。

RLUSDは、国際送金や資産管理、分散型金融(DeFi)との連携、さらには従来の金融システムと暗号資産市場を結ぶ役割を担うなど、幅広い金融シーンでの活用が期待されています。

米ドルの価値が低下し続ける中、RLUSDのようなステーブルコインは、価値の安定性を求める投資家や企業にとって重要なツールとなるでしょう。

  • ステーブルコインとは

  • RLUSD(Ripple USD)提供開始
  • 米ドルとステーブルコインの関係


ステーブルコインとは


ステーブルコインは、その価値を法定通貨や他の資産に連動させることで、価格の変動を抑えた暗号資産です。

ビットコインやイーサリアムのような従来の暗号資産は価格変動が激しいため、決済手段や価値の保存手段としての利用が難しい面がありました。これに対し、ステーブルコインは価値の安定性を追求し、日常的な取引や金融サービスでの利用を可能にしています。

 ステーブルコインの価値は、米ドルやユーロなどの法定通貨、金や原油などの商品、または他の暗号資産に連動することが一般的です。

例えば、米ドルに連動したステーブルコインは、1コインあたり1米ドルの価値を保つように設計されています。これにより、ユーザーは暗号資産の利便性を享受しつつ、価格変動リスクを軽減できます。

‌ステーブルコインは、主に以下のような用途で利用されます。

決済手段

国際送金やクロスボーダー決済において、手数料が低く、迅速な取引が可能。

価値の保存

暗号資産市場のボラティリティを避けつつ、資産をデジタル形式で保持。

DeFiとの統合

分散型金融(DeFi)プロトコルにおいて、貸し借りや利殖の基盤通貨として活用。

ステーブルコインは、暗号資産市場の成長とともに重要性を増しており、RLUSDのような新たなステーブルコインの登場により、その役割はさらに拡大すると見られています。

ステーブルコインは、価格の変動を抑えた安定性があるということですね。

はい、そうです。
ビットコインやイーサリアムなどのボラティリティの高い暗号資産とは対照的ですね。

RLUSD(Ripple USD)提供開始

‌2024年12月17日、リップル社は米ドルに連動したステーブルコイン「RLUSD(Ripple USD)」の提供を開始しました。
RLUSDは、XRP Ledgerとイーサリアムのブロックチェーン上で発行され、両プラットフォームの強みを活かした柔軟な利用が可能です。XRP Ledgerは高速かつ低コストな取引を実現し、イーサリアムは豊富なDeFiエコシステムとの互換性を提供します。

‌RLUSDの主な特徴は以下の通りです。

クロスボーダー決済

国際送金において、従来の銀行システムよりも迅速かつ低コストで取引を完了。

資金管理

企業や個人が米ドル建ての資産をデジタル形式で管理する手段として活用。

DeFiとの統合

イーサリアム上のDeFiプロトコルと連携し、貸し借りや流動性プールへの参加が可能。

法定通貨と暗号資産の橋渡し

従来の金融システムと暗号資産エコシステムをシームレスに接続。

‌RLUSDの提供開始は、リップル社が長年取り組んできたクロスボーダー決済の効率化に向けた重要な一歩です。また、暗号資産市場全体においても、ステーブルコインの利用範囲がさらに広がることが期待されています。

RLUSD(Ripple USD)はすでに提供を開始しているのですね。

2024年12月17日に提供を開始してますが、わずか1ヶ月余りで総取引額が3兆200億ドルを超えたとのことです。

米ドルとステーブルコインの関係


ステーブルコインは、その価値を米ドルに連動させることで、価格の安定性を実現しています。特にUSDT(テザー)やUSDC(サークル)といった主要なステーブルコインは、1コイン=1米ドルの価値を保つために、リザーブファンドを設けています。

‌このファンドには現金の米ドルや米国短期債などが組み入れられ、ステーブルコインの価値を担保しています。

‌しかし、近年は米国債の発行量が増加し、米ドルの価値が低下傾向にある中で、これらのステーブルコインが米国外で流通量を拡大することで、米ドルの国際的な需要を高める可能性が指摘されています。

‌特にインフレが進む国々では、現地通貨の価値が不安定なため、法定通貨の代替としてステーブルコインが活用される傾向があります。米ドルに連動したステーブルコインは、価値の安定性を求める人々にとって信頼できる資産となり、国際的な取引や資産管理の手段として広く利用されています。

‌このような状況下で、ステーブルコインの流通量が増えるほど、米ドルの需要も増加し、結果的に米ドルの国際的な影響力が維持・強化される可能性があります。

米ドルのグローバルな流通拡大

ステーブルコインが国際的に広く利用されることで、米ドルの需要がさらに高まる。


米国債の需要増加

ステーブルコインのリザーブファンドが米国債を保有することで、米国債の需要が維持され、米国の財政を支える一因となる。

金融システムへの影響

ステーブルコインが従来の金融システムと暗号資産市場を結ぶことで、米ドルを基軸通貨とした新しい金融エコシステムが形成される可能性がある。

今後、ステーブルコインが米ドルの需要を支える一方で、多通貨型や商品連動型のステーブルコインが台頭することで、世界経済における通貨の多極化が進む可能性もあります。

RLUSDのような新たなステーブルコインの登場は、この流れにどのように影響を与えるか注目されるでしょう。

米国外でステーブルコインの利用が拡大するほど、米ドルの影響力が維持・強化されるとは面白いですね。

そうですね。

米国債に関しても、ステーブルコインが普及すればするほど、それを支える米国債の需要が維持され、米国の財政赤字を支える役割を果たす可能性があるということです。

まとめ

  • RLUSD(Ripple USD)は、米ドルに連動したステーブルコイン
  • RLUSDはビットコインやイーサリアムなどと違い価値が安定している
  • ステーブルコインの流通量が増えるほど、結果的に米ドルの影響力が強化される可能性がある

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著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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