海外移住業者に関する5つの問題点(トラブル)

近年、富裕層や早期リタイアを目指す人々を中心に、海外移住への関心が高まりを見せている。特に円安や将来的な税制不安、政治情勢などを背景に、より安定した環境や有利な税制度を求めて国外での生活を選択する日本人は増加傾向にある。このような需要に応じて、「海外移住コンサルティング」「投資家ビザサポート」「セカンドライフ支援」などを掲げる業者も急増している。

その一方で、こうした業者の一部では、サービスの質にばらつきがあるばかりか、法的・倫理的に問題のあるケースも散見されている。高額な手数料を請求しながら実際のサポートは限定的であったり、誇張された情報で消費者を誘導したりするような手法は、今や「移住ビジネス」業界のグレーゾーンとなりつつある。

国際的な法律、移民制度、税務など多岐にわたる専門知識が必要とされる海外移住の支援は、非常にデリケートかつ複雑な業務である。にもかかわらず、実際には営業ベースで組まれた提案や、現地業者との癒着に基づいた不動産紹介が行われていることも少なくない。

法的・倫理的に問題のあるケースも散見されているとのことですが、どのようなケースがあるか教えてください。

「海外移住業者」が抱える問題点を整理し、消費者がどのような点に注意すべきかを考察します。

  • 高額かつ不透明な料金体系
  • 誤情報と誇張広告によるミスリード
  • 契約・返金トラブル
  • 渡航後のサポート不足
  • 提携業者との癒着・詐欺的手口

高額かつ不透明な料金体系

多くの海外移住業者では、コンサルティング料やビザ取得代行費、不動産仲介手数料など、複数の費用項目が設定されている。しかしその金額が適正か否かを判断するのは、素人には非常に難しい。なぜなら、価格の根拠が示されることがほとんどないからである。

「フルサポートプラン:税込330万円」などといったパッケージ料金が提示されることもあるが、その内訳が明示されないまま契約が進むケースも多く、後になって「聞いていない追加費用」が発生するというトラブルも発生している。

特に注意すべきは、「成果報酬」と称しながら実質的には前払いが求められ、返金規定が極めて曖昧な契約形態である。海外移住という“夢”を抱く消費者は、価格よりも期待に引っ張られてしまいやすく、冷静な判断を欠いてしまうことがある。

このような背景を踏まえると、価格体系が明確で、事前に複数業者からの見積もりを取り、比較検討するプロセスが不可欠である。

誤情報と誇張広告によるミスリード

「永住権が最短3ヶ月で取得可能!」「資産〇〇円以上なら誰でも移住OK!」というような広告コピーを目にすることがある。これらの情報の多くは、法的に不正確であるか、あるいは特定の条件下のみを切り取った誇張表現である可能性が高い。

たとえば、投資家ビザ取得においては、実際には事業実績や雇用要件、現地での生活拠点など、多岐にわたる審査項目が存在する。ところが一部の業者は、こうした条件をあえて曖昧に伝え、「簡単に取得可能」という印象だけを強調する。

また、移住先の国が途中でビザ要件を変更する場合もあり、事前に伝えられていた条件が現地で適用されないという事態も起こりうる。にもかかわらず、業者側は「変更は仕方ない」と責任回避するケースが多い。

このような誤情報に踊らされないためには、自ら各国の大使館サイトや政府の公式情報を調べる努力が求められる。セカンドオピニオンとして、法律やビザに詳しい第三者(弁護士、行政書士等)の意見も有用である。

契約・返金トラブル

海外移住業者に関する苦情の中で特に多いのが、「契約内容と実際のサービスに差があった」「返金されない」といったトラブルである。

例えば「移住に失敗しても全額返金」と謳っていたにもかかわらず、契約書には「当社が業務を実施した場合、返金不可」との条項が小さく記載されていることもある。契約内容が口頭説明と異なっていたり、重要事項説明がなかったりすることも珍しくない。

さらに、解約や返金請求の問い合わせをしても、担当者が音信不通になったり、事務局の対応が曖昧でたらい回しにされる事例も報告されている。契約書の不備を理由に泣き寝入りせざるを得ない消費者も多い。

このようなリスクを避けるためには、必ず契約書の全条文を読み、特に「免責事項」「キャンセルポリシー」「返金条件」について理解しておくことが必要だ。また、トラブルに備えてやりとりは書面やメールで記録を残すことが推奨される。

渡航後のサポート不足

海外移住業者の中には、「ビザ取得まで」を主業務とし、実際の生活支援までは手が回っていない場合がある。つまり、消費者は「移住できたはいいが、生活に困る」という事態に直面することになる。

銀行口座の開設、現地住居の契約、医療保険の加入、子どもの教育、現地語の壁といった課題は、渡航後すぐに現実問題として突きつけられる。ところが一部の業者は、「現地には提携先があります」と言いながら、その連携体制が不十分だったり、現地スタッフの質にばらつきがあったりする。

また、生活相談に追加費用がかかることもあり、「結局、全て自力で解決した」という利用者の声も多い。とりわけ高齢者や単身渡航者にとって、このようなギャップは大きなストレスとなる。

安心して移住するためには、事前に「渡航後のサポート体制」が具体的にどこまで含まれているのか、また現地スタッフの人数や対応内容を確認する必要がある。

提携業者との癒着・詐欺的手口

一部の海外移住業者は、特定の不動産会社や投資先と深く提携しており、中立性を欠いた提案をしていることがある。例えば「この不動産を購入すれば永住権が取れる」といったセールストークで、消費者に高額な物件を購入させるよう誘導するケースが報告されている。

これらの業者は、実質的に現地企業の営業代理のような役割を果たしており、契約が成立すればキックバック(紹介料)を得るというビジネスモデルを取っている。そのため、消費者にとって本当に有利かどうかではなく、業者にとって都合の良い提案が優先される可能性がある。

中には、架空の移住スキームや、取得不可能なビザ取得を保証するような詐欺的手口も存在する。SNS広告やYouTubeなどで派手な演出をして信用を得ようとするパターンも多く、特に情報弱者が狙われやすい。

こうした被害を避けるためには、業者が本当に独立した立場でアドバイスしているのか、提携先から手数料を受け取っていないかを確認する必要がある。

「移住ビジネス」にも様々な問題点あるのですね。

詐欺や不誠実な対応を避けるためにも、慎重に調査し、納得できる業者を選びましょう。

まとめ

  • 海外移住は、人生の中でも非常に大きな決断であり、慎重な情報収集と計画が求められる分野
  • 近年の「移住ビジネス」市場には、消費者の不安や期待につけ込む不適切な業者も混在しており、トラブル事例が後を絶たない
  • 高額な費用、誤情報、契約トラブル、サポート不足、癒着や詐欺的行為――これらのリスクを避けるには、契約前に十分な比較検討と確認を行い、専門家によるセカンドオピニオンを活用することが不可欠
  • 移住という夢を叶えるためにも、信頼できる情報源と慎重な判断こそが最良の「保険」になる

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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