序論：AIの登場が照らし出した“コンサル業界の虚構”
近年、「AIによってコンサルタントが大量失業している」という記事や調査が相次いでいる。
だがこれは突然の悲劇ではなく、むしろ“必然的な浄化作用”だと言える。
長年、コンサルティング業界には「口だけ」「経験なし」「人脈営業」だけでキャリアを築く者が大量に存在していた。プレゼンの上手さ、横文字、スライドテンプレート、大手出身の肩書だけで“専門家らしく振る舞えた時代”は、AIの登場とともに終わろうとしている。
AIは単なる効率化ツールではない。“本物”と“偽物”を切り分ける検査装置として働き始めている。
- コンサル業界の旧来型構造：実働なき“口先産業”の拡大
- AIが突きつける現実：知識・分析・資料作成は“代替可能”
- 大量失業の本質：淘汰されているのは“偽物の価値”
- AI時代に残る“本物のコンサルタント”の条件
- 結論：AIはコンサル業界の巨大な“浄化作用”
コンサル業界の旧来型構造：実働なき“口先産業”の拡大
長らくコンサルティング業界は、以下のような構造的ゆがみを抱えていた。
• 口だけ型：実務経験が乏しいのに、フレームワークとプレゼンが上手いだけ。
• 経験なし型：成果を残したことがないのに「プロジェクト参画」「PMO」といった肩書だけが増えていく。
• 人脈売り型：紹介・縁故・元所属企業を武器に案件を取るが、中身の価値は薄い。
• 知識アービトラージ：クライアントが知らない情報を“知っている風”に話すことで成立していた。
こうした“中身の伴わないコンサルタント”が量産された理由は、企業が外部知見に依存し、ブランド名・肩書・人脈に安心感を求めたからにほかならない。
だがAIは、この旧来モデルの土台を一気に揺さぶっている。
AIが突きつける現実：知識・分析・資料作成は“代替可能”
AIの波は、コンサルの主要な付加価値を次々と自動化してしまった。
• 資料作成 → AIが即座に作れる
• 市場分析 → AIが圧倒的な速度で解析
• 業界知識 → AIが常時アップデートされた状態で保持
• 比較検証 → AIがモデル化して瞬時にアウトプット
つまり、“口だけコンサル”の主な武器だった
「知識があるように見せる」
「資料が作れる」
「分析ができる」
といった価値は、AIが瞬時に再現してしまう。
再現可能な価値は、価値ではなくなる。
ここに、口だけ・経験なし型が真っ先に淘汰される理由がある。
大量失業の本質：淘汰されているのは“偽物の価値”
海外でも「AIの進化がコンサルを置き去りにしている」という報道があり、実際にアナリスト系・資料作成系の職種は大幅にリストラが進行している。
しかし、その本質は単純だ。
■消えているのは“本物のコンサル”ではない
消えているのは、
• 実務経験がない
• 顧客の内部に踏み込めない
• 成果に責任を持たない
• 実装力がない
• 表面だけの知識商売をしてきた
いわば **「付け焼き刃型のコンサルタント」**である。
むしろAIの登場で明確になったのは、
“本物”の価値はAIで代替できない
という事実だ。
AI時代に残る“本物のコンサルタント”の条件
AIは万能ではない。
むしろAIが活用される時代だからこそ、“本物”のコンサルタントの価値が高まる。以下が残る人材の条件である。
**① 実装・定着まで責任を持てる
（机上の空論ではなく、現場で変化を起こせる）**
**② 組織と人を動かせる
（政治・利害・文化の調整はAIでは不可能）**
**③ 業務を理解し、自ら汚れ仕事までやれる
（上流だけ語り、手を動かさない者は消える）**
**④ AIを道具として使いこなす
（AIに代替されるのではなく、AIを使って人間の価値を引き上げる）**
**⑤ 成果で語れる
（肩書やブランドではなく、実際の結果で勝負できる）**
つまり、AI時代は
“本物かどうか”が可視化される残酷な時代である。
結論：AIはコンサル業界の巨大な“浄化作用”
AIは、コンサルタントを絶滅させるのではない。
“偽物のコンサルタント”を消し、本物が選ばれる時代をつくっただけである。
これまで、
• 口先
• プレゼン力
• 肩書
• 人脈
• スライドの美しさ
で食べてきたコンサルタントは、AIにすべて代替される。
だが、
• 現場で成果を出す
• 人を動かす
• 組織を変える
• 経営者に本質を突きつける
• AIを使って価値を爆増させる
こうした“本物の価値”はますます必要とされる。
AIはコンサルティング業界を破壊しているのではなく、正常化している。
ようやく、口だけのゴミが淘汰され、
成果を出せる“本物”が残るフェアな時代が来ようとしている。
私もよく分からないコンサルにごちゃごちゃ言われた経験があります。無駄な時間でしたね。
ほとんどのことはAIで解決できますし、本質からズレているかどうかは直ぐにバレる時代なので、無意味なコンサルタントは仕事も取れないし、収入も得られなくなっていくでしょう。
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著者プロフィール
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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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