海外積立の「利益確定」を誤解する人が陥る落とし穴と、正しい“ラチェット運用”の設計

総論:利益確定は“出口”ではなく“次の階段に移動する行為”である

海外積立プラン、とくに Evolution(エボリューション)などのような国際積立型ファンドは、長期的な複利効果・ロイヤルティボーナス・手数料逓減など、独自の積み上げ構造の上に成り立っている。
それゆえ、正しく使えば日本のNISAとは次元の異なる成長曲線を描くが、使い方を誤れば“積立のメリットがゼロになる”ほど投資効率を落としてしまう。

もっとも多い誤解、それが

「利益確定=引き出し」

と考えてしまうことだ。

本来の利益確定は、
“増えた部分をリスク資産から元本確保型ファンドへ移す”
という“口座内の資産移動”である。
にもかかわらず、ある種の人は「利益が出たなら一度外に出そう」と考えてしまう。

これはちょうど、
マラソンで給水所に着いた瞬間、靴を脱いで家に帰るようなものだ。
本来は体勢を整えて次の区間を走るための“戦略的な休憩”なのに、
それを「もう走らなくていい理由」と誤解してしまう。

積立は“続けてこそ価値が出る商品”である。
引き出した瞬間、積立の設計は破壊され、複利の未来は失われる。
だからこそ、投資家の理解度が低いほど、この誤解は致命的なダメージをもたらす。

  • なぜ「利益確定=引き出し」だと積立の価値が消えるのか
  • 海外積立は「引き出さない」ことを前提に設計されている
  • なぜ人は「利益=引き出すべき」と思ってしまうのか
  • 住宅ローン返済や消費に回すと“利益確定の意味がゼロ”になる理由
  • 正しい利益確定=ラチェット運用で“保証される元本”を引き上げる

なぜ「利益確定=引き出し」だと積立の価値が消えるのか

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海外積立の利益確定とは、
“外に出す”ことではなく“内で守る”ことだ。

進化型の積立プランは、契約内部でこそ最も効果的に利益を守れ、増やせる構造になっている。
だから、利益確定で資金を外に出すと、以下の核心部分が一気に失われる。

■① 複利の連続性が消える

積立が本当に力を発揮するのは、
“右肩上がりの評価額そのものが次の利益を生む”構造になっているからだ。

引き出した瞬間、
これまで積み上げた複利の階段は寸断される。
次の階段が生まれない。

■② 手数料逓減という武器を捨てる

Evolutionなどでは、
11年目以降は年間管理手数料が0.35%に下がり、積立継続者だけが得られる恩恵がある。

途中で引き出すと以下のようになる:
• 手数料が高い期間で終了する
• 低コストゾーンに入らない
• 積立が「一番おいしいフェーズ」に入る前に自滅する

これはちょうど、
飛行機が離陸する前に「燃費悪いから降ります」と言ってしまうようなものだ。
上空に出てからこそ効率がいいのに。

■③ ボーナス配分が減る

Evolution では、拠出額によって配分率が 100〜105% まで変動する。
また、10〜25年継続でロイヤルティボーナスが付与される。

しかし引き出すと、
• 契約内資産が減り
• 配分率が下がり
• ロイヤルティも受け取れず
• “積立の価値が最も高まるタイミング”を逃す

つまり、利益確定のつもりがボーナスの放棄になっている。

引き出すという行為は、
利益確定ではなく“積立の解体”に近い。

海外積立は「引き出さない」ことを前提に設計されている

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資料にも明記されている通り、Evolution は本質的に以下の思想で作られている:
• 長期継続が前提
• 解約・引き出しはコストが高い
• 継続するほどボーナスが増え、手数料が下がる
• 10年以上で最大のパフォーマンス設計
• 積立は“内部での資産移動”が正しい使い方

つまり、
「継続してこそ価値が出る」商品なのである。

本来の利益確定とは、
“増えた利益部分を元本確保型に移し、保証される元本を底上げする”こと。
これこそが海外積立のラチェット運用であり、引き出しとは全く違う方向を向いている。

■「中で守る」仕組みだからこそ高効率

ラチェットとは、
口座内部の階段を一段ずつ上げるように、保証される元本を増やしていく設計だ。

利益確定の意味は
“階段の高さを維持したまま次の成長に備えること”。

その階段を“外へ持ち出す”ことはできない。
外に出した瞬間、階段はゼロになる。

なぜ人は「利益=引き出すべき」と思ってしまうのか

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これは投資経験やIQではなく、
人間の本能による誤解である。

人は “利益が出たものは自分のものだ”と感じ、
“手元に戻ってくる=安心”と捉えやすい。

しかし投資の世界では真逆で、
• 手元に戻す=運用の停止
• 内部に残す=次の複利の材料

になる。

■「利益を守る」=「引き出す」と勘違いする心理

会社の給与やボーナスは銀行口座に入る。
だから人は、
利益とは“自分の銀行口座に入るもの”
だと思い込んでいる。

だが投資では、
• 利益を内部で移し替えて守ること
• 利回りの源泉を中に残すこと

が最重要だ。

これはちょうど、
筋トレで筋肉痛になったからと筋肉を削り取ってしまうような勘違いに近い。
負荷による成長の途中で、その材料を外へ捨ててしまうことになる。

■悪意ではなく「構造を知らない」だけ

誤解する人を責める必要はない。
単に、

投資の“構造”を教わったことがないだけ

だからだ。

しかし、構造を知らないまま引き出すと、
その人自身が何年も積み上げてきた資産成長の“未来価値”を自ら消す結果になる。

住宅ローン返済や消費に回すと“利益確定の意味がゼロ”になる理由

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利益確定後に資金を外へ出し、
• 住宅ローンの繰上げ返済
• 大きな買い物
• 一時的な消費
• その他の支出

に使ってしまう人が一定数存在する。

だがこれは、
利益確定の概念を根本から履き違えている。

■ローン返済は“運用の停止”でしかない

仮に3〜5%の高い複利が得られる積立をやめ、
1%台の住宅ローンを返済するのは、
資産運用の観点では極めて非効率だ。

“返済”はリターンを生まない。
“運用”はリターンを生む。

どちらが資産形成に繋がるかは明らかだ。

■一時的な消費は「資産形成をゼロに戻す」行為

積み上がった資産は、
“次の利益を生む土台”である。

それを消費に使えば、
土台を壊してしまう。

投資は土台×利回り=将来価値で決まる。
土台を壊せば未来は小さくなる。

正しい利益確定=ラチェット運用で“保証される元本”を引き上げる

ラチェット運用が示す「元本確保型×インデックス投資」の最適解 - K2 College

海外積立の本当の利益確定とは、

✔ 利益部分だけを安全資産へ移し

✔ 評価額の一部を“保証のベース”として固定し

✔ 次の相場上昇で再び利益を取りに行く準備をする

という資産の再配置である。

これは
“中で守り、中で増やす”ための行為であって、
外に出すための行為ではない。

■ラチェットが生む“階段状の資産の積み上がり”

ラチェットとは、
たとえるなら「絶対に逆戻りしない階段」である。
• 一度利益を元本確保型へ移す
• そのラインは崩れない(保証のベース)
• 次にまた利益が乗る
• この利益をまた固定する
• 階段が一段ずつ上がる

この積み上げこそ、
海外積立の最大の武器だ。

外に出すと、この階段は生まれない。

■積立+ラチェット=“守りながら増やす”最高の戦略

積立は“増やす仕組み”。
ラチェットは“守る仕組み”。

この両方を口座内で使うからこそ、
海外積立は日本の一般的な投資家が経験したことのない
極めて高効率な資産形成を実現できる。

積立でまとまった資金にして、その後にラチェット運用で守りながらも増やすというのが安心できそうですね。

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まとめ:利益確定は「止める行為」ではなく「進めるための行為」

利益確定を“引き出し”と誤解する人は、本質的には悪意があるわけではない。
ただ、投資の構造を知らないまま言葉だけを表面的に受け取ってしまうだけだ。

だからこそ、金融のプロフェッショナルである側が、
語彙やプライドに配慮しながら、こう伝える必要がある。

✔ 利益確定は口座の外ではなく、口座の中で行う

✔ 引き出しは利益確定ではなく、運用の停止

✔ 海外積立は“内部で守る仕組み”だからこそ強力

✔ ラチェット運用は保証される元本を階段状に増やす

✔ 住宅ローン返済や消費に使うほど、未来価値を捨てる行為はない

最後に、読者にとって最も大切なメッセージはこれだ。

利益確定とは、未来を大きくするための準備である。
引き出しは、未来を小さくする行為である。

投資家は“止まるために利益を確定する”のではない。
“次の階段に移るために利益を確定する”のである。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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