ワンルームマンション投資に群がる大衆 ― 「不労所得」の幻と安心の自己暗示

不動産投資と聞くと、多くの人が「安定収入」「資産形成」「老後の安心」をイメージします。特に都市部で盛んに売られているのが、ワンルームマンション投資。サラリーマンでもローンを組めばすぐ始められ、「家賃収入で年金代わり」というキャッチコピーは耳障りがよいものです。しかし、その背後には「楽して儲かりたい」という大衆心理と、感情に支配された意思決定が透けて見えます。

  • ワンルームマンション投資の魅力と現実
  • なぜ大衆は群がるのか
  • 感情型大衆の典型行動
  • ビジネス側の構図
  • 大衆の末路

ワンルームマンション投資の魅力と現実

不動産投資でフルローンを組むための条件・事例とオススメではない理由

• 魅力として語られること
• 少額で始められる(フルローン可能)
• 入居者がいれば家賃収入が安定
• 団信(団体信用生命保険)付きで「生命保険代わり」になる
• 将来売却益も狙える
• 現実に起きていること
• 空室リスクで収益が不安定
• 修繕費や管理費が利益を食いつぶす
• 金利上昇でローン返済が重くなる
• 中古売却では値下がりし、ローン残債が資産を上回る

大衆は「不労所得」という言葉に引き寄せられるが、実際は「銀行とデベロッパーに貢ぐ仕組み」に組み込まれるケースが大半です。

なぜ大衆は群がるのか

どうして人は、必要以上に群れたがるのか | 孤独からはじめよう | ダイヤモンド・オンライン

• 感情に刺さる言葉
→ 「老後2000万円問題」「副収入」「不労所得」。
• 同調圧力
→ 職場で「自分も投資してます」と言いたい、友人に遅れをとりたくない。
• 恐怖の回避
→ 「年金は当てにならない」と不安を煽られると、とにかく何かを始めたくなる。

つまり、彼らは不動産の価値や利回りを冷静に分析しているのではなく、「安心が欲しい」という感情に突き動かされているのです。

感情型大衆の典型行動

Four Human Emotions – 6 ways in which they help us in life - InfinumGrowth

• 営業トークを鵜呑み
→ 「ローンは家賃で返済できますよ」「将来は年金代わり」という言葉に安心。
• 数字を見ない
→ 実際のキャッシュフローや出口戦略を検証せず、「プロが言うなら大丈夫」と思い込む。
• 短期の快楽に流される
→ 「今すぐオーナーになれる」という満足感が意思決定の動機。

彼らにとって大事なのは利益よりも、「自分も資産家の仲間入りをした」という感覚なのです。

ビジネス側の構図

お金と時間を「浪費する人」「消費する人」「投資する人」、その考え方の決定的な違い | 20代に伝えたい50のこと | ダイヤモンド・オンライン

ワンルームマンション投資は、実は「大衆をターゲットにしたビジネスモデル」として完璧に設計されています。
• デベロッパーは高値で新築物件を売り抜ける。
• 銀行は長期ローンで金利収益を得る。
• サラリーマン投資家は「不労所得の夢」と引き換えに負債を抱える。

これは投資ではなく、**金融商品としての「消費」**に近いのです。

大衆の末路

不動産投資の末路は悲惨? よくある失敗パターン7選と回避策を徹底解説 | 不動産投資 | マンション経営コラム | イー・トラスト|マンション経営  不動産投資

最初は「自分も家賃収入で悠々自適」と夢を見る。だが数年後、修繕費や空室で赤字が続き、売却してもローンが残る。「こんなはずじゃなかった」と嘆くが、冷静に考えれば最初から数字は合わなかった。

つまり、大衆は「不労所得」という言葉に酔い、安心を得るために資産を投じ、最後には安心どころか不安を抱えて終わるのです。

何度も電話の勧誘を受けたことがあります。周りでも実際に投資している人もいます。

実際には毎月手出しがあり、節税で取り戻せると言っても毎月損失を出している時点で投資とは呼べません。
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まとめ

• ワンルームマンション投資は、不労所得を夢見る大衆をターゲットにした商品設計である。
• 感情型大衆は「老後不安」「みんなやってる」という心理に流され、冷静な計算をしない。
• 実際はデベロッパーと銀行が得をし、投資家は負債リスクを負う。
• 投資をしているようで、実態は「安心を買う消費行動」にすぎない。

結局、ワンルームマンションに群がる大衆は資産家ではなく、「不労所得という言葉に慰められる借金持ち」になってしまうのです。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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