こんにちは、K2 Collegeの野村です。
今回は、8月12日に日経新聞に掲載されていました「東京海上、Amazonで保険販売 デジタル販路で若者開拓」について解説しようと思います。東京海上日動火災保険(以下、東京海上)とAmazonってどんなコラボ?と思いますが、特に損害保険はどんどんネットで完結になっていきそうですね。
- Amazonで保険をどうやって買うのか?
- どの保険が購入できるのか?メリットとデメリット
- (まとめ)保険商品全てでオンライン化はまだ早い?
Amazonで保険をどうやって買うのか?
東京海上は、22日からAmazonジャパン(東京・目黒)のネット通販サイトで保険を販売開始します。アマゾンのアカウントで保険に加入し、保険料の支払いから保険金の受け取りまで一括で提供するのは大手保険では国内初という。
まず、利用者はAmazonのサイト上にある広告から、保険加入用の専用サイトにアクセスします。その後、Amazonのアカウントの認証に同意したうえで補償内容など必要な情報を入力し、保険料をAmazonペイで払うことで、契約手続きが出来る。APIを使うため、氏名や住所、メールアドレス、電話番号の再入力は不要となる。
これについては、単なる販路改革というだけにとどまらず東京海上としては、巨大なAmazonのデジタル販路を生かし若年層を中心に取り込むことが出来る。
これまで、保険販売は対面営業や自社のネットが主流だった。しかし、業界全体で自動車保険はネット経由の販売シェアが1割程度(保険料ベース)にとどまるなど、デジタルの販路を活用しきれていない。利用者が多いアマゾンのサイト経由で販売すれば、保険になじみの薄い若年層の取り込みにもつながる。
Amazonという巨大プラットフォームで保険に入れるというのは相当なDX進化となるであろう。
どの保険が購入できるのか?メリットとデメリット
Amazon経由で買える保険としては、まず地震保険の販売からスタートする。予め決めた震度の地震が起きたとき、最短3日で自動的に定額の保険金を支払う。保険金は現金のほか、アマゾンギフト券で受け取ることもできるという点はAmazonならではのサービスとも言える。
今回の仕組みでは、実際に顧客が契約するのは東京海上のサイトになるため、Amazonは保険の販売代理店には当たらないそうだ。東京海上はAmazonのサイト経由でけがを補償する傷害保険などの取り扱いも検討しているそうです。
こうして保険商品がお手軽になおかつ利便性をもって購入出来る点は良いと思う。しかし、地震保険や傷害保険でもお客さんが補償内容をキチンと理解して加入出来るかどうかという点は個人的には不安を感じる。
なぜならば、ただでさえ複雑な保険の仕組みで過去に不払い問題などもあったからだ。生命保険飲みに関わらず損害保険も補償内容が多岐にわたり、お客さんがすべてを理解し続けるのは困難に等しい。
簡単に加入できるのは良いけど、ネットだからトラブルが多くなった!と言われないためにも加入者には「何かあったら補償の対象に関わらずご連絡ください」的なフォローをしていかないといざ請求時に「出る出ない」で揉めないように気をつける必要はあると思います。
(まとめ)保険商品全てでオンライン化はまだ早い?
この流れを受けて保険業界は今後どうなっていくでしょうか?個人的には全ての保険商品でこのようになるにはまだ相当の時間がかかると思う。
なぜならば、20〜30代の若い世代はテレビも見ないし、保険の窓口のような対面営業のところにもより一層行かなくなるだろう。会社にも行かないので、営業を受ける接点がどんどん減っていくであろう。そういう層には、Amazonで購入できるようになることでより一層対面で購入することに抵抗を感じるだろう。
ただし、生命保険に関しては一筋縄にそうは行かないだろう。確かにここ数年ネット生保がシェアを除々に広げてはいるが、単に亡くなっていくらだけではない商品もある。
運用系などの資産運用等の金融商品の販売においては、ECチャネル内での購入となるとネットだけで完結という流れには程遠く感じる。保険や遠い将来の資金需要の推計やそのための適切な商品提案ということはなかなかハードルが高いため、その点においては営業マンの説明や商品のポイントや独自の視点などきめ細かい部分でのアドバイスが必要だと思います。
とはいえ、AIがヒトの代わりにそこまで進化してくれば話は変わってくると思いますがw
まとめ
- 東京海上は、今月22日からAmazonジャパンのネット通販サイトで保険を販売開始
- Amazon経由で買える保険として、まず地震保険の販売からスタート。
- 保険金は現金のほか、アマゾンギフト券で受け取ることもできるらしい。
- 若者はいいけど、全ての保険商品でこのようになるにはまだ相当の時間がかかると思う。
今回は「東京海上とAmazonがコラボ?徐々になくなる対面販売」について寄稿しましたがいかがでしたでしょうか?コロナ禍でネットでの買い物する機会が劇的に増えましたが、ついに保険商品もAmazonで買える時代になってきました。とはいえ、まだまだ全ての保険商品が買えるわけではなく、当面は地震保険や傷害保険など損害保険の分野だけにとどまりそうですね。それでも、保険業界の在り方が徐々に変わってきている・・・そんな感じがしてなりません。変化に柔軟に対応していきましょう!
弊社ビジネスパートナーも随時募集中しておりますので、この機会に是非!
*パートナー募集はこちら
著者プロフィール
-
<経歴>
大学卒業後、大手宝飾品専門店に3年2ヶ月勤務。
生命保険業界の杜撰さに唖然として、世直ししたい一心で2006年6月から生命保険の代理店で生命保険の営業マンとして11年半勤務。
その傍らで、より顧客ニーズに立ったアドバイスがしたいと思い、2011年10月より個人事業として海外投資のアドバイスを開始。
弊社代表の河合と共通の知人経由で知り合い、その後弊社保険アドバイザー(K2 Assurance)として2017年12月より参画。
現在では、主に弊社パートナー(K2 Partners)向けに勉強会やセミナー講師、オンライン面談などを日々こなしています。
多くのパートナーが海外投資・海外保険のスペシャリストになるように日々サポートしております。
最近の投稿
- 医療保険2023.01.17PayPayほけん「インフル見舞金保険」、3日で1万件突破!
- コラム2023.01.08プルデンシャルが乗合代理店の新会社を設立!〜代理店営業はますます激化〜
- コラム2022.12.27東京海上日動あんしん生命保険の元社員が約3億8000万円を詐取!
- コラム2022.12.24過去に破綻した事がある日本の保険会社の今
この投稿へのトラックバック: https://media.k2-assurance.com/archives/6899/trackback