円安の影響を考える

こんにちは!K2 Collegeの半野です。

今回為替の話をしていきます。ここ1年のうちに急激な円安となりました。このサイトでも何回か話したかと思いますが、円安になるということは日本人の持っている円の価値が下がるということ、資産が減るということです。円安になると企業の輸出業績がよくなるから、株価も上昇するなんて話がよく出ていましたが、メリットばかりではありません。特に私達にはデメリットになることも多いのです。

円安でいろいろ値段が上がっているなと感じますが、自分の貯金が減っているわけでもないので、資産に関しては無頓着でした。

円安の場合、値上げもそうですが、資産が減ることになります。それを見ていきましょう。

  • 円安で円の価値が下がっている
  • 円安で保有している資産価値も下がる
  • 資産は円だけでは不十分

円安で円の価値が下がっている

5年で28%を超える円安、つまり約30%分、円の価値が下がっていることになります。ここのところ急に物価が上昇していることを実感している方が多いと思いますから、この円安の影響をヒシヒシと感じている方も多いでしょう。次に5年前と現在の比較です。分かりやすくするため、1ドル=100円が1ドル=130円になっていると考えてみます。

5年前
原材料 5,000ドル→50万円

現在
原材料 5,000ドル→65万円

原材料費を5,000ドルとした場合、上記の試算となります。つまり5年前より輸入コストが30%上昇しているため、輸入に頼っている製品はその値上がり分のいくらかを価格に反映されることになります。もちろん上昇分をすべて価格に反映させてしまうと、企業もビジネスとして成立しなくなってしまいますから、製造コストや人件費などのコストを削減をし、物価上昇分も10%前後に抑え込むわけです。

為替分すべてが価格に反映されているというわけではありませんから、外国人から見れば10%値上げでも、残りの20%分、日本の製品価格は安く感じてしまうわけです。製品個々のクオリティーは5年前よりも、むしろ改善されているものが多いのに、安く買われてしまうわけですから、それだけ日本のもの、全ての価値が下がっていることになります。「安くていいもの」というのは消費者からすればいい響きですが、お金の視点から見ると、決してプラスに働いていないことが分かります。

細かい数字で見ると、負担感が大きいですね。

物価上昇にはこういう要素が大きく影響しています。特に日常生活に大きく影響しているので、なおさらですね。

円安で保有している資産価値も下がる

今度は私達が保有している資産をチェックです。

・投資しているNISA,iDeCo、投資信託
・加入している保険
・銀行などの預貯金
・持ち家や車

これらはすべて円で保有していることになります。では、100万円の価値がどうなってしまうかでチェックしてみましょう。

5年前 100万円→10,000ドル
現在  100万円→ 7,700ドル

円は減っていないんだからいいでしょ?そういう声が聞こえてきそうですが、物価は5年前と比較して上がっているんですから、同じ100万円でも商品の購入数は目減りしますし、購入する商品も質を下げたものにしなければなりません。それだけ100万円の価値が下がったということです。日本国内で購入するのならまだそれだけで済みますが、海外旅行でドルで購入する場合、購入できる物が30万円分少ないことになるんです。それだけ資産が目減りしているという事実があります。

円安の影響で、資産の価値も下がってしまうんだな。購入できるものも考えないといけないし・・・

はい、日本だから円のままでいいということにはなりませんね。何もしないで円安のせいで損していることになります。

資産は円だけでは不十分

資産の目減りを減らすにはどうすればいいでしょうか。5年前に100万円をそれぞれ円とドルで分散しておくとします。つまり50万円そのままと50万円を5,000ドルに交換とした場合の試算となります。

5年前(円のまま) 現在
50万円=5,000ドル   50万円=3,846ドル

5年前(ドルに交換) 現在
50万円を5,000ドルに交換 5,000ドル=65万円

現在
円合計 50万円+65万円=115万円
ドル合計  5,000ドル+3,846ドル=8,846ドル 

円で考えると、約15%資産が増えたことになります。もちろん将来の為替なんて、誰も予測できませんが、予測できないからこそ資産の目減りを減らすために、通貨を分散することが大切だということが分かります。そのまま円だけにしておくと、円安が起こると、数値上は目減りしなくても資産価値が下がってしまうのです。投資を考える場合、このことを検討材料の1つとして考慮する必要があります。
今、日本の投資信託や株などへ日本円だけで投資をしている人は、通貨を分散して投資することを意識してみてください。

通貨分散するとリスクヘッジなるんですね。

将来円安になるか、円高になるか誰にもわかりませんが、リスクを減らすためにも保有している資産の通貨を分散させることを意識してください。

まとめ

  • 円だけで資産を持つと、円安により目減りしてしまうので、リスクヘッジが必要
  • そのためにも円だけでなく、ドルなどの他の通貨に資産を分散させる

お金を増やす方法は様々です。ご自分のニーズに合った方法を選択して効率的に資産を増やして行きましょう。ご相談は、こちら(無料相談)から連絡ください。

著者プロフィール

半野輝明
半野輝明
大学卒業後、予備校講師などを経験し、海外渡航。
その後外資系企業に勤務し、2005年より再度海外留学を実行。
帰国後、それまでのキャリアよりも、金融や投資に関わる仕事をしたいと考え、海外就職をしました。
海外投資というと、ハードルが高いと感じてしまうかもしれませんが、決してそんなことはなく新しい投資、資産運用という形で出会うことができます。
皆様のお金の増やし方のバリュエーションもより深くなってくるはずです。
そんな新しい出会いの場をお客様に提供し、様々な情報を発信させていただき、皆様の資産を増やしていくサポーターとして、貢献できればと考えております。

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