「楽天SCHD」 vs 「SBI VYM」

こんにちは。K2 College大崎です。

「楽天SCHD」である楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)「SBI VYM」であるSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)それぞれについては、以前の記事で解説してきておりますし、「SCHD」「VYM」の比較についてもこちらの記事で解説しておりますが、

「楽天SCHD」と「SBI VYM」ではどちらが良いかとの問合わせも増えてきたので、今回は「楽天SCHD」と「SBI VYM」を比較します。

  • 動画解説
  • 「楽天SCHD」 VS 「SBI VYM」パフォーマンス比較
  • 「SCHD」VS「VYM」 パフォーマンス比較
  • 「SCHD」VS「VYM」分配利回り比較
  • 「SCHD」VS「VYM」組入銘柄比較

動画解説

「楽天SCHD」 VS 「SBI VYM」パフォーマンス比較

まずは「楽天SCHD」のパフォーマンスですが、設定日は 2024年9月18日と運用開始から2ヶ月しか経過しておりませんので、参考にならないかも知れませんが、

10月31日時点の月次レポートによると、10月末時点での資産残高は469.73億円、基準価額は10,790円、1ヶ月の分配金含めたトータルリターンは6.2%となっております。

これに対して「SBI VYM」は、資産残高は134.54億円、基準価額は11,812円、1ヶ月の分配金含めたトータルリターンは8.21%となっております。

「SBI VYM」の方が設定は9ヶ月ちょっと早いので、基準価額が高いのはわかりますが、「楽天SCHD」が設定1ヶ月ちょっとで資産残高が約470億円になっているのは凄いですね。

多くのインフルエンサーが優秀なファンドとして紹介しているようですので、急激に資金が流入しているようです。

「SCHD」については、大崎さんは2023.02.22にこちらの記事で取り上げてますね。

インフルエンサーが米国高配当ETFとして「VYM」「HDV」「SPY」しか取り上げていなかったので、2023.01.11の記事でも「VYM・HDV・SPYよりもSCHD」とSCHDを取り上げてもおりましたよ(笑)

「SCHD」VS「VYM」パフォーマンス比較

「楽天SCHD」と「SBI VYM」それぞれ運用開始して間もないので参考になりません。
そのため、それぞれ本家である「SCHD」と「VYM」で比較します。

ちなみに「楽天SCHD」と「SBI VYM」とも、本家である「SCHD」と「VYM」にただ投資しているだけです。

そのため、本家の「SCHD」と「VYM」の経費率である0.06%は、日本の証券会社から投資することで、「楽天SCHD」0.192%、 「SBI VYM」0.1238%と経費率が高くなっております。

「SCHD」の設定日は2011年10月20日と「VYM」に比べて短いため、「SCHD」の設定日に合わせて4,767日でトータルリターンを比べました。

その結果、「SCHD」のトータルリターンは393.95%「VYM」は339.81%と、トータルリターンは「SCHD」の方がおよそ1.16倍高いですね。

多少の差はありますが、13年で「SCHD」は約5倍、「VYM」は約4.4倍といずれも高いリターンとなっております。

パフォーマンスだけで見ると、「SCHD」で運用した方が良いように感じます。

そうですね。
他の特徴でも比べてみましょう。

「SCHD」VS「VYM」分配利回り比較

「SBI VYM」は設定日が2024年1月30日のため、すでに分配金は支払われておりますが、「楽天SCHD」の分配金支払いは2025年からのため、こちらも比較できません。

そのため、こちらも本家である「SCHD」と「VYM」 で比較します。

現在の分配金利回り(年間)は「SCHD」が3.41%「VYM」が2.78%と「SCHD」の方が高くなっております。

そして、大切なのは分配金利回りが今度どうなっていくかということ。

その点、「SCHD」「VYM」ともに優秀で、それぞれ12年、13年と分配金が毎年増えて行っております。

こちらが「SCHD」の1株あたりの分配金推移

こちらが「VYM」の1株あたりの分配金推移

ちなみに「VYM」の方が1株あたりの分配金は大きいですが、基準価額も大きい事も忘れないでくださいね。

ただ、分配成長率も重要で、その差は1.66倍もあります。

「SCHD」の場合、10年間の分配成長率は11.13%/年
「VYM」の場合、10年間の分配成長率は6.81%/年

長期保有していれば分配金はどんどん大きくなっていくことはイメージできたかと思いますが、その結果、YoC(Yield On Cost)も高くなっていきます。

現在の分配金利回り(年間)は「SCHD」が3.41%、「VYM」が2.78%と上述しましたが、もしそれぞれ10年間保有していたら、「SCHD」の分配利回りは7.26%

「VYM」の分配利回りは5.18%になっているということです。

「SCHD」の方が分配成長率が高い分、将来の分配利回りも期待できますよね。

ちなみに、もし13年前から「SCHD」を保有していたら、現在の分配金利回りは11.54%もあるということです。

「SCHD」の方が現在の利回りだけでなく増配率も高いので、将来の分配金が期待できますね。

VYMも素敵なETFですが、SCHDの方が秀でてますね。

「SCHD」VS「VYM」組入銘柄比較

「楽天SCHD」組入銘柄

「楽天SCHD」の10月31日時点での月次レポートによると、組入銘柄103銘柄のうち、上位10銘柄は以下のようになっております。

そして、上位10銘柄で全体の約40%の割合を占めております。

「SCHD」の構成銘柄は以下条件としておりましたが、

・10年以上連続の配当金支払い実績があること。
・浮動株調整後の時価総額が5億ドル以上であること
・ファンダメンタルズに基づく4つの特性(総負債額に対するキャッシュフロー、株主資本利益率、
 配当利回り、5年間の配当成長率)が優良な銘柄

現在の構成セクター比率では金融やヘルスケアセクター比率が多いようです。
また、「SCHD」は素材や公益事業セクターの割合が、極端に少ないのも特徴です。

「SBI VTI」組入銘柄

「SBI VYM」の10月31日時点での月次レポートによると、組入銘539銘柄のうち、上位10銘柄は以下のようになっております。

「SBI VYM」は「楽天SCHD」に比べてかなり銘柄数が多いですね。103銘柄でも十分に分散効果はありますが、「楽天SCHD」の5倍も銘柄数が多いです。

また、「SBI VYM」は上位10銘柄で全体の約25%の割合を占めております。

「VYM」の構成銘柄は以下条件としておりますが、

  • 高配当利回りを提供する優良企業に投資
  • 主に、米国市場に上場する大型株・中型株を対象とし、成長性よりも安定した配当を重視
  • FTSE High Dividend Yield Indexに連動する運用を行います。この指数は、配当利回りが高い企業を選定し、REIT(不動産投資信託)を除外

現在の構成は、金融セクターが突出しており、その後に生活必需品、ヘルスケア、資本財・サービスが横並びで続いてる感じですね。

現状はどちらも金融、ヘルスケア、生活必需品の割合が多いですね。

パフォーマンスや増配率などを見ると「楽天SCHD」に投資したいのですが、利回りはそれほど変わらないですし、「SBI VYM」の方が分散も効いているようで悩みます。どちらに投資した方が良いですか?

「楽天SCHD」は楽天証券からしか投資できませんので、すでに楽天証券を利用していれば「楽天SCHD」、SBI証券を利用していれば「SBI VYM」で運用されてはどうでしょう。

どちらも増配していくファンドですので、あれこれ悩んで時間を消費するよりも、その時間でお金に働いて貰った方が良いです。

まとめ

  • 「楽天SCHD」 の方がトータルリターンは高い
  • 「楽天SCHD」の方が分配金も成長していく
  • SBI証券を利用していれば「SBI VYM」で運用すれば良い

リターンで選ぶか、現在の配当利回りで選ぶか、それとも将来の配当利回りで選ぶか。

自分の好みで選べば良いですが、それぞれの年齢や置かれている環境によって適したファンドのアドバイスをしますので、希望される方は、こちらからお問合せください。

著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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