こんにちは。K2 College大崎です。
SBI証券のホームページにおいて、広瀬隆雄氏が最新のレポートとして「株式益回り(Earnings yield)」について解説しておりました。
「株式益回り」を知ることで、株価の割高・割安が判断できるようになりますし、債券の利回りや他の株式と比較して、どの投資が相対的に魅力的かを判断することもできるようになりますので、ぜひお読みください。
- 動画解説
- 「株式益回り」とは
- 「株式益回り」から見て「S&P500指数は割高」
- 「シラーPER」から見て「S&P500指数は割高」
動画解説
「株式益回り」とは
「株式益回り」は株式投資において株式がどれだけ利益を生み出しているかを示す指標で、1株当たり純利益(EPS)を株価で割ったもので、株価の割安性を表すことができます。
株式益利回り(%)=(1株当たり純利益÷株価)×100
また、株式益回りは、株価収益率(PER)の逆数(1/PER)であり、通常、PERが低いほど株価が割安とされるのに対し、株式益利回りは高いほど株価が割安と判断されます。
株式益利回り(%)=(1÷株価収益率)×100
たとえば、PER(株価収益率)が20倍なら株式益利回りは5%、PERが50倍なら株式益利回りは2%となり、前者の方が割安となります。
株価水準と1株あたり純利益を比較する点はPERと同じですが、株式益利回りは金利水準との比較を目的としているので逆数となります。
長期金利(長期国債の利回り)から株式益利回りを差し引いた「イールドスプレッド」や、長期金利を株式益利回りで割った「イールドレシオ」等、株式相場の割安感や割高感を判断する場合にも使われます。
「株式益利回り」を利用して、株式相場の割安感や割高感を判断することができるのですね。
そうですよ。
それに、債券の利回りや他の株式と比較することで、どの投資が相対的に魅力的かを判断する材料になります。
「株式益回り」から見て「S&P500指数は割高」
広瀬氏のレポートからお伝えすると、11月22日現在の株式益回りは4.02%ということになります。
・S&P500指数のEPS:240.09(2024年)
・S&P500指数:5,969.34
それに対して10年債利回りは4.4%ですから、10年債利回りが株式益回りを上回っていることになります。
S&P500指数は割高感があり、債券に投資した方が相対的に魅力的と判断することができますね。
先般の記事「ウォーレン・バフェットが保有株式を売りまくっているのは、経済危機を予見しているから!?」において、
バフェット氏は保有株式を売却し続け、代わりに「短期米国債」の保有を増やしていると解説しましたが、バフェット氏が債券投資家に転じたのも合理的と言えますね。
再び、広瀬氏のレポートからお伝えすると、
来年、2025年の予想EPSである275.16を代入すると計算結果は4.6%となり、この場合は株式益回りが10年債利回りより高い数字になるとのことです。
そして、その両者の差を「リスクプレミアム」として説明しております。
株式益回り − 10年債利回り = リスクプレミアム
そして、歴史的には米国の株式市場のリスクプレミアムは3%から5%の範囲内に収まることが殆どで、
上で取り上げた11月22日現在の数値で計算すると、
株式益回り(4.02) - 10年債利回り(4.40) = リスクプレミアム(-0.38)
となり、リスクプレミアムがマイナスになってしまう。
そして、現在のようにリスクプレミアムが0またはマイナスになった過去のケースでは、株式市場は遅かれ早かれ長期調整に入るケースが多かったと。
・1966~69年リスクプレミアムが0になり、株価指数は約30%下落、米国はリセッション入り
・1999~2000年リスクプレミアムが0になり、2000年3月にITバブルが崩壊するとS&P500指数は
約-50%下落
・2007年リスクプレミアムはほぼ0となり、その後2008年にリーマン・ショックが起き、S&P500指数
は-57%の下落
広瀬氏は「株式益回り」は、いま株式市場はバリュエーション的に魅力があるのか、それとも無いのかを体感する尺度として一定の利用価値があると述べておりますので、参考にしてください。
現在のS&P500指数は割高なのですね。
S&P500指数に連動するファンドに積立投資しておりますが、どうすれば良いでしょうか。
短期中期と長期では戦略は異なります。
お金が必要なタイミングが15年〜20年以上先になるのであれば、そのまま積立投資を継続するのも良いですが、15年未満であれば、他の投資先にも分散して投資するようにされるのが宜しいかと思います。
お金が必要なタイミングで資産が大幅に減っている可能性は減らした方が良いかと。
「シラーPER」から見て「S&P500指数は割高」
現在の株価が企業の利益水準に対して割高か割安かを判断するための指標として、株価収益率=PER(Price Earnings Ratio)というものがあります。
株価が1株当たりの当期純利益の何倍になっているかを示す指標で、一般にPERが高いと利益に比べて株価が割高、低ければ割安であるといわれます。
それに関連した指標で、過去10年間の1株あたり純利益の平均値をインフレ率で調整した実質純利益でPER(株価収益率)を計算した「シラーPER」といったものがあり、
ノーベル経済学賞受賞者のロバート・シラー教授が考案した指数で、「CAPEレシオ」とも呼ばれています。
一般的にシラーPER15倍以下は割安、逆に25倍以上になると割高と判断されることが多いですが、現在の数値は38.61と、ITバブル崩壊に次ぐ、高い値となっております。
やはり現在のS&P500指数は割高なのですね。
2025 年に深刻な不況が起こるとの予測もあるようですし、大幅な調整が入るのが心配です。
一つの方法として、一部の纏まった資金は満期時に元本100%が還ってくる元本確保型ファンド(S&P500)で運用されてはどうでしょう。
もし株価に大幅な調整が入らずにS&P500が順調であれば、その上昇を取り込めるようにも設計されております。
まとめ
- 「株式益回り」は株価の割安性を表すことができる
- 現在のS&P500指数は割高
- リスクプレミアムが0またはマイナスになったケースでは、株式市場は長期調整に入るケースが多かった
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著者プロフィール
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投資アドバイザー
愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。
その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。
自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。
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