日本で年収1億円を超え、資産も十分に形成した。
事業も安定し、家族もいる。生活に不満はない。
それでも多くの富裕層が、ある地点でこう感じ始める。
「これ以上、前に進めない」
「やっていることの割に、自由が増えない」
「むしろ年々、動きづらくなっている」
この感覚は錯覚ではない。
移住しない富裕層は、構造的に“詰む方向”へ誘導されているからだ。
以下、その理由を5つに分けて整理する。
- 税率ではなく「可処分コントロール」が奪われていく
- 成功体験が「制度依存型」になり、再現性を失う
- 子ども世代で“見えないデグレード”が起きる
- 国家との距離が近すぎると「逃げ場」がなくなる
- 最終的に「時間」と「精神」が削られる
税率ではなく「可処分コントロール」が奪われていく

多くの富裕層は「税金が高い」ことにはすでに慣れている。
問題はそこではない。
本質は、
可処分所得・可処分時間・可処分意思決定が、年収と反比例して減っていく点にある。
日本に残る富裕層に起きる現象
• 税務・会計・法務の管理工数が爆発的に増える
• すべての行動に「説明可能性」が求められる
• 自由裁量の取引・投資ほどリスク扱いされる
結果として、
稼いだ金額が増えるほど
「自分で決めて使える領域」が狭まる
これは単なる不満ではない。
富裕層にとって致命的な非効率である。
成功体験が「制度依存型」になり、再現性を失う

日本に残り続ける富裕層は、無意識のうちに
**「日本の制度に最適化された成功モデル」**に固定されていく。
• 日本の税制前提
• 日本の金融慣行前提
• 日本の法制度・社会通念前提
この状態で何が起きるか。
問題点
• 海外案件への感度が鈍る
• グローバル基準の収益率を「危険」と誤認する
• 結果的に国内低成長マーケットに縛られる
つまり、
本人の能力ではなく
「場所」によって成功していた状態
になる。
このタイプの富裕層は、
制度が変わった瞬間に一気に脆くなる。
子ども世代で“見えないデグレード”が起きる

移住しない判断は、本人世代では成立することが多い。
しかし問題は次の世代で顕在化する。
よくあるパターン
• 親:国内で事業成功
• 子:日本の教育・就職市場に最適化
• 結果:グローバル競争力が育たない
その一方で、
• 資産は日本に紐づき
• 税務リスクも引き継がれ
• 国際分散は進んでいない
結果として子ども世代は、
「資産はあるが、選択肢は狭い」
「世界と戦うには不利なポジション」
に置かれる。
これは**親世代が意図せず行う“静かな階層固定”**だ。
国家との距離が近すぎると「逃げ場」がなくなる

日本は治安も良く、制度も整っている。
しかしその裏返しとして、
国家との距離が極端に近い
という特徴がある。
富裕層にとってのリスク
• 制度変更の影響をダイレクトに受ける
• 増税・社会負担は事前回避が困難
• 資産・所得の捕捉率が年々上昇
つまり、
「逃げない」という選択は
「すべてを受け入れる」という選択
と同義になる。
これは平時には問題ない。
だが、有事(増税・規制・金融不安)では致命的だ。
最終的に「時間」と「精神」が削られる
移住しない富裕層が最後に直面するのは、
金銭ではなく精神的コストである。
• 管理
• 調整
• 説明
• 忖度
• 配慮
これらに時間を奪われ、
本来やりたかった
・投資
・挑戦
・事業拡張
・人生設計
が後回しになる。
皮肉なことに、
最も自由であるはずの層が
最も縛られている
状態に陥る。
日本はルールで締め付けて国民から税金ばかり徴収するシステムですね。それが当たり前と思う子どもでは見えるものも狭くなってしまいそうです。
日本は治安もいいし間違いなく住みやすい国ではありますが、海外に連れて行くことで違う文化や言語、そして考え方などを感覚的に体験することが大切です。
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結論:移住しない富裕層が行き詰まる理由は「日本が悪いから」ではない
重要なのは、これは
日本批判でも、海外礼賛でもないという点だ。
問題はただ一つ。
富裕層にとって
「居住地=戦略変数」である時代に
それを固定してしまうこと
にある。
移住するかどうかは、価値観の問題だ。
だが、
• 移住“できる状態”を作らない
• 国を選ぶ自由を持たない
• 比較検討すらしない
ことは、
富裕層にとって最大のリスクになりつつある。
⸻
最後に
移住とは「出ていくこと」ではない。
選べる状態を作ることだ。
移住しないという選択が合理的であるためには、
• いつでも動ける
• どこでも稼げる
• どの制度にも適応できる
この条件が必要になる。
それを持たないまま日本に留まる富裕層は、
遅かれ早かれ、
「気づいたら、身動きが取れなくなっていた」
という地点に到達する。
それが、
「移住しない富裕層」が最終的に行き詰まる本当の理由である。
著者プロフィール

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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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