(続編)マニュライフ生命の行政処分で前役員の責任追及へ!

こんにちは、K2 Collegeの野村です。

今回は、7月19日Diamond Onlineに掲載されておりました「マニュライフ生命への業務改善命令で責任言及の前CEO・前CGOが在籍するアフラックの苦悩」について解説しようと思います。金融庁も今回はかなり激おこプンプン丸といったところでしょうか。

  • 旧経営陣がアフラックに逃げ込む?
  • 金融庁がここまでお怒りな2つの理由
  • 金融庁が今後どうアフラック攻める?

旧経営陣がアフラックに逃げ込む?

そもそも、マニュライフ生命だけなぜこのような事態に陥っているのか?それは以前に私が書いたこちらを御覧ください。

その後、この件で関係していた旧経営陣はアフラックに転職したようだ。まさに「責任逃れ」ということになる。本来であれば、当事者がこの会社に在籍していないと責任追及できないはずだが、今回の金融庁はこれまでとはひと味もふた味も違う。

それもそのはず、行政処分の詳細は同日16時に金融庁のホームページに公表されたが、その文書を読んだ保険業界の関係者たちは一様に驚きを隠さなかった。金融庁の出した答えが、行政処分の中で旧経営陣の責任を文書に明示的に盛り込むことだった。

今回の行政処分の資料を見ると、マニュライフの「前CEO」や「前専務執行役」とほぼ名指しするかたちで、「商品開発段階から主導していた事実を鑑みると、とりわけ責任は非常に重く、一連の行為には組織性が認められる」(金融庁)と厳しく指弾している。ほぼ名指しで責任を問う文言が随所にちりばめられていたからだ。

保険業界の関係者からは「こんな行政処分は見たことがない……」と絶句したそうだ。

金融庁がここまでお怒りな2つの理由

そもそも、なぜここまで金融庁が起こっているのか?その理由は2つある。

1つ目は、以前のコラムでも書いているが保険本来の趣旨を逸脱するような商品開発と募集活動だ。国税庁が法人税基本通達を改正して注意喚起を行い、後に金融庁が監督指針も改正したにもかかわらず、マニュライフは低解約返戻金型の逓増定期保険を使った、租税回避行為ともいえる「名義変更プラン」という節税手法に手を染め続けていた。また、2021年後半から個人年金保険を使った名義変更プランに手を染めただけでなく、年末には円安でターゲットプライスに達した外貨建て一時払い終身保険の乗り換え募集を「おかわりプラン」と称して促進。これらが、今年2月14日に金融庁がマニュライフに検査に入るダメ押しになったとされている。

もう1つ目は、目標数字さえ達成できれば租税回避行為だろうがその手段は問わない。まさに「営業優先の企業文化やコンプライアンス、リスク管理を軽視する企業風土」に加え、それを組織的に行ってきたことを金融庁が厳しく指弾。これが業務改善命令に至った二つ目の理由だ。

こうした悪しき企業風土を作り上げた元凶は、前CEOをはじめとした「旧経営陣」である。加えて、再発防止策は講じていたもののその後も企業風土を変えることができず、個人年金保険の名義変更プランの推進などを看過してきた現経営陣に対しても、厳しい指摘がなされている。

ここまでされると、金融庁としてもこれまで以上に強い態度で接する必要があると考えたのであろう。

金融庁が今後どうアフラック攻める?

とはいえ、このマニュライフの旧経営陣に対して直接の処分は下せないだろう。

前職における経営責任を明らかにすることで外堀を埋め、本人や移籍先の保険会社に自主的な対応を迫るというやり方だ。そのため焦点は、マニュライフの前社長兼CEOで現在アフラックの副社長を務める吉住公一郎氏と、マニュライフ前専務執行役でアフラック常務執行役員の勝矢宏氏の処遇に移った。

仮に今後、アフラックが両人の守りを固めてくるようなことがあれば、両人に引責させることは難しくなる。実際に金融庁はその感触を確かめようと、行政処分を下す1カ月前の6月中旬、訪問してきたアフラックの役員に対し、吉住氏を「どう評価しているのか質問している」(アフラック関係者)という。

同関係者によると、アフラックの役員はとっさに「活躍されている」などと答えたというが、金融庁の目には守ろうとしていると映ったに違いない。その面談以降、金融庁はアフラックが政治家などを使って対抗してくる可能性を考え、先手を打つようにして政府サイドや与党議員に徹底して根回しをする姿が見受けられたからだ。

一方で、金融庁のそうした思いは杞憂に終わるかもしれない。吉住氏が統括する営業部門は現在、思うように成績を伸ばせず、アフラックのアメリカ本体から厳しい視線を注がれている。金融庁がわざわざ圧力をかけずとも、そのまま失脚する可能性がある。

また、あるアフラックの役員は「監督当局から過去の行為について糾弾された人物を、経営の中枢にとどめておくことの風評リスクはやはり大きい。うちの首脳陣としても、吉住氏らに自主的な退任を促す方向にもっていくはずだ」と話す。

旧経営陣の責任にも言及するという金融庁の異例の行政処分に対し、その張本人を受け入れたアフラックは今後どう向き合うのか。処分の内容について、アフラックは「他社事案についてのコメントは控える」と回答した。

悪いことをしたら、それなりに天罰を下さないといけないということでしょう。

まとめ

  • マニュライフの旧経営陣はアフラックに逃げ込んだ
  • 金融庁は名指しで批判するも旧経営陣には直接の処分は下せない
  • 色々な「圧力」で旧経営陣を退任に持っていく方向へ?
  • 今後、この件で生保会社の処分があり得る可能性も

今回は「(続編)マニュライフ生命の行政処分で前役員の責任追及へ!」について寄稿しましたがいかがでしたでしょうか?名変プランをバンバン販売していた募集人も良くないですが、マニュライフ生命自らがしなんしていてその責任者がアフラックへ逃亡する事態だと金融庁としてもほっとけないと思います。こういう表向きはしっかりした保険会社でも誰が会社を経営するかで白く黒くもなりますから、特に日本の保険商品を安易に信じ込まない方が得策ですね。とはいえ、金融庁だけでなく加入者からしても激おこぷんぷん丸でしょうけどw

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著者プロフィール

野村元輝
野村元輝
<経歴>
大学卒業後、大手宝飾品専門店に3年2ヶ月勤務。
生命保険業界の杜撰さに唖然として、世直ししたい一心で2006年6月から生命保険の代理店で生命保険の営業マンとして11年半勤務。

その傍らで、より顧客ニーズに立ったアドバイスがしたいと思い、2011年10月より個人事業として海外投資のアドバイスを開始。

弊社代表の河合と共通の知人経由で知り合い、その後弊社保険アドバイザー(K2 Assurance)として2017年12月より参画。

現在では、主に弊社パートナー(K2 Partners)向けに勉強会やセミナー講師、オンライン面談などを日々こなしています。
多くのパートナーが海外投資・海外保険のスペシャリストになるように日々サポートしております。

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