日本円は必要とされていない 円安になるのは当たり前

こんにちは。K2 College大崎です。

  • 希望的観測で円高を待つな
  • 為替介入は時間稼ぎ
  • 日本円は必要とされなくなっている

希望的観測で円高を待つな

既にオフショアで運用されている方でも、今は円安が進行しているからと追加投資を控える方もおられます。

もう少し円高になったらと期待しておられるのですが、希望的観測をされている方がほとんどですね。
円安が進むことは考えていないようです。

円高を待つ判断をされるのであれば、少なくとも以下のような判断軸を持っていなければ、合理的ではないですね。

・この先、円高になるという材料がある
・その円高水準になるにはどれくらいの時間を要するか見込みがある
・円高を待つ時間に運用していたら得られる運用益を計算し、その運用益を超える

為替介入の効果は限定的

先般、政府・日銀は円買い介入を実施し、円は一時140円台まで反発しました。

しかしながら、コラムでもお伝えしたとおり、効果は限定的で、すぐに1ドル144台に戻しており、現在も144台を維持しております。

確かに為替介入以降、1ドル145円まで円安は進んでおりませんので、一定の効果はあったと思います。

ただ、この先、円安は進まないという保障はありませんし、再び1ドル145円近辺になれば円買いドル売り介入をするかも知れません。

しかしながら、22日の介入規模は2.8兆円。

この資金は、外貨準備高のうち換金流動性の高い「外国中央銀行および国際決済銀行(BIS)」への預金の取り崩しだったとみられ、その預金額は約19兆円ですから、この資金をすべて利用できたとしてもあと5回しか介入はできないわけです。

外貨準備高の大半を占める米国債などの証券を売却するという方法もありますが、すぐに為替介入には回せませんし、米国債を売ることは米国が許さないでしょう。

為替介入は時間稼ぎ

円安の要因は、主に日米金利差や貿易赤字などと考えられておりますが、米国は高水準にあるインフレ退治のため利上げを行っている最中であり、ドル高は国内のインフレ抑制に寄与するため、ドル高是正に動くことは当面ないでしょう。

米国は経済成長を減速させることになってもインフレを低下させるとの方針ですので、日本は米国の景気が減速し、利上げが止まるのを待ちながら、為替介入をして時間稼ぎをしていく形になるでしょう。

日本円の使用率も低下している

円安基調は続くとの話はずっとしてきておりますが、日本円は世界で使われなくなってきているのも覚えておかなければなりません。

世界銀行間金融通信協会(SWIFT)が発表したデータによると、世界の決済額(8月)における日本円は2.56%と低下しております。

一方、米ドルは15ヶ月連続で42.6%のシェアで首位を維持しており、ユーロを使った決済も減少しているものの34.5%と、日本円と比べたら比較にならない大きさです。

こちらのブログで「ドル1強」の理由を説明をした際には日本円のシェアは1割程度と認識しておりましたので、SWIFTのデータを見たときにはさすがにショックでした。

世界では、日本円は必要とされていなのです。

日本の金融機関も外貨建て資産を増加させておりますし、個人投資家も外貨建て資産への投資を増やしています。

これらの外貨建て資産もその多くは米ドルですから、円を売って外貨を買うことになり、ますます円安は進みます。

まとめ

  • 日本円は必要とされていない 円安になるのは当たり前
  • 希望的観測ではなく、データや世界の趨勢で判断しよう

これ以上、円安が進む前に資産の一部は外貨建て資産へ替えておきましょう。
個人個人の環境に応じてアドバイスしますので、こちらからご連絡ください。

著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

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