ランドバンカー「Walton(ウォルトン)」とは?

こんにちは。K2 College大崎です。

先般、こちらの記事で「ランドバンキング」について解説しましたが、今回は日本の投資家も多い「Walton(ウォルトン)」 について解説します。

  • 動画解説
  • Walton(ウォルトン)とは?
  • 米国とカナダでの土地売買取引が増加
  • 償還までの期間が長くなる可能性がある

動画解説

Walton(ウォルトン)とは?

Walton(ウォルトン)は、急速に成長している都市圏における未開発地に特化した国際的な不動産アセットマネジメント会社で、創業は1979年となります。

ビジネスモデルとしては、まず、取得に向けて適切な土地の選定を行い、投資家へ土地を販売します。

その後、投資家の保有期間中に土地を管理し、収益を得るために最終的に土地を開発業者へ売却するというものです。

ウォルトンは世界73カ国の投資家や建設会社、デベロッパーなどに代わり、36億米ドル相当の資産を管理・運用しています。

米国とカナダで104,000エーカーを超える土地を管理しており、

事務所は世界11都市にあるようです。

どうして開発業者が最初から土地を取得するのではなく、Walton(ウォルトン)のようなランドバンキング会社が取得して、建設が開始されるまで土地を保有するのでしょうか。

それは、開発業者がすぐには開発できない土地を保有したり、最終的に開発しないことになる可能性がある土地を購入するのを避けたいと考えているためです。

また、開発業者はWalton(ウォルトン)に頭金を入れて土地を購入し、住宅の販売が完了するごとに分割して返済することができるようです。

そこにWalton(ウォルトン)や投資家にとって、ビジネスチャンスが生まれるわけですね。

米国とカナダでの土地売買取引が増加

Walton(ウォルトン)は36億米ドル相当の資産を管理・運用しておりますが、中でも主戦場である米国とカナダで土地売却が好調のようです。

2022年第2四半期に投資家に支払われる分配金は、総額1億3700万米ドルを超えると発表していました。

それだけ、未開発地を安く仕入れることができ、建設が開始されるタイミングで開発業者に高値で売却できたということなのでしょうね。

Walton(ウォルトン)最高執行責任者のケイト・カミンスキーは、次のように述べています。

「当社は、米国とカナダのすべての資産にわたり、土地売却案件を丹念に管理してきました。これは2022年に入り初の投資家への大規模な利益分配ですが、他にも年間を通じて完了予定の重要なプロジェクトが多数あります。」

やはり、急速に成長している都市圏における未開発地の選定をしっかり行い、きちんと管理することが重要となるわけですね。

ただ、未開発地を安く仕入れるだけではダメですよね。

それはそうですよね。
需要が見込まれる土地を選ぶ必要がありますし、その土地を安い価格で仕入れる必要もあります。

また、投資家への販売後も都市開発のプランニングを行ったり、住宅地や商業地などへ開発が可能な土地に地目変更などをする必要も出てきます。

ランドバンキング会社のプランニングによってリターンも異なってくるのではないでしょうか。

償還までの期間が長くなる可能性がある

年率利回り20%の「ランドバンキング」の記事でメリットとして取り上げましたが、満期が定められていないために、ランドバンキング会社はマーケット環境を見ながら開発会社に売却することができます。

そのためランドバンキング会社は大きな利益が得られるタイミングで開発会社に売却することができますし、投資家にとってもマイナスになるようなタイミングで償還を迎えることはないと言われております。

しかしながら、リーマンショックのようなバブル崩壊後は、開発業者も土地を購入できなくなりますから、ランドバンキング会社は大きな遺産を抱えることとなり、大打撃を受けました。

こうなってくると、投資家にとっても償還までの期間が長くなる可能性があります。

いつ償還され、現金化できるかは土地の売却次第となりますので、償還までに10年や20年掛かることもあり得るでしょう。

随分前になりますが、投資家仲間で飲んだ際に、実際にWalton(ウォルトン)に投資している人から「償還予定が過ぎてもまだ償還されない」と聞いたことがあります。

2022年は土地売却が好調のようでしたから、もしかしたら、償還されているかも知れませんね。

償還までの期間が長くなる可能性はあっても、いずれは返ってくるのですよね?

Walton(ウォルトン)は歴史や実績もある会社ですから、いずれは償還されて現金は返ってくるかと思います。

しかしながら、償還されたとしても投資金額がどれくらいになって戻ってくるかですよね。

投資金額が2倍に増えても、それに20年も掛かったとなれば、実質利回りは約3.53%ですから、それであれば他の商品で運用した方が良かったということになりますよね。

まとめ

  • Walton(ウォルトン)は未開発地に特化した不動産アセットマネジメント会社
  • 未開発地の選定をしっかり行い、売却まできちんと管理する
  • 償還までの期間が長くなる可能性がある

世の中には様々な投資商品があり、どの投資商品で運用した方が良いのかも人それぞれです。
投資家それぞれの状況に合わせたアドバイスをいたします。
資産運用相談を希望される方は、こちらからご連絡くださいませ

著者プロフィール

大崎真嗣
大崎真嗣
投資アドバイザー

愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。

自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。

この投稿へのトラックバック: https://media.k2-assurance.com/archives/20571/trackback