こんにちは。K2 College大崎です。
先般の記事で、2024年11月に米大統領選でトランプ氏が勝利して以降、関税リスクを回避しようと、金取引業者や金融機関は1月下旬までに約400トンの金塊をCOMEX(ニューヨーク商品取引所)の保管庫に移送し、COMEXの金の総在庫は約962万トンに増加していると述べましたが、
米国内の現物の金や銀が増えておりますね。

- 動画解説
- ドナルド・トランプ氏「金本位制を称賛」
- 本当にアメリカには金はあったのか?
- ドイツが預けた金塊の返還要求に応じない
動画解説
ドナルド・トランプ氏「金本位制を称賛」

ドルと金の交換体制は、「金本位制」または「ブレトン・ウッズ体制」と呼ばれますが、特に1944年に確立されたブレトン・ウッズ体制では、米ドルを金と交換可能な唯一の通貨とし、他の通貨は米ドルに対して固定相場制を採用していました。
1971年に当時のアメリカ大統領であるリチャード・ニクソンがドルと金の交換を停止し、変動相場制に移行して以降、金本位制は採用されておりませんが、
ドナルド・トランプ氏が2017年から2021年まで大統領を務めていた時には、金本位制を復活させる可能性があるとの憶測もありました。
当時、共和党の大統領候補のドナルド・トランプ氏は2015年のGQのインタビューで、金本位制を称賛しています。
金本位制を取り戻すのは難しいだろうが、それは素晴らしいことだ。
我々の通貨の基準となる基準(金)を持つことができるのだ。
ドナルド・トランプ氏は金本位制を称賛していたのですね。
そうですよ。
先般の記事でも取り上げましたが、トランプ大統領は前回の政権の際に、金本位制支持者を何名もFRBの理事として指名を表明しているくらいです。
本当にアメリカには金はあったのか?

トランプ大統領がメキシコやカナダ、中国からの輸入品に対して関税を導入する計画を進めており、金の輸入に関税が適用される可能性を考慮し、投資家や金融機関は事前に金を米国内に移動させております。
先般の記事で、私は関税という政策を利用して、米国政府が戦略的に金の備蓄を始めているのではないかと勘繰っていると述べましたが、
米国が保有する金は世界最多の8,133トンと言われておりますが、実際には米国はそれだけの金は保有していないのではないかという疑問も取り沙汰されているからです。
次期FRB議長候補のジュディ・シェルトン氏は金本位制への回帰を考えており、金に裏付けされた米国債の発行したいと考えておりますが、現在、裏付けるだけの金があるのでしょうか?

米国が保有する金は世界最多の8,133トンで、金塊が保管されている代表的な場所は以下の3つです。
・フォート・ノックス陸軍基地にある財務省が管理する「アメリカ合衆国金庫」
・ニューヨーク連銀地下金庫
・ウエストポイントにあるアメリカ造幣局が管理する金塊保管庫
アメリカにあるとされる金塊は、金本位制が廃止されてから金塊の外部公開は一度もなく、外部からの監査も1953年から実施されていなく、監査は一切拒否されてきました。
実際には金が存在しないのではないかという懸念が生まれ、2017年にムニューシン財務長官がフォート・ノックスを訪問しています。

ムニューシン財務長官は、フォート・ノックスに保管されている1,900億ドル相当と推定される金塊に対し、「金が安全でよかった」とツイートを発しておりますが、確認できたのは保管庫全13室のうち1室だけですし、短時間の視察のために、本当に1,900億ドル相当の金塊がフォート・ノックスに存在するのか疑問視されております。
実際に保管庫を確認したのは1室だけですし、本当に1,900億ドル相当と推定される金塊があったかどうかは疑問ですね。
そうですね。
1953年以降、監査は拒否して実施されていないので、金塊があったかどうかは わかりませんね。
ドイツが預けた金塊の返還要求に応じない

2012年にドイツ連邦会計監査院は、ドイツ連銀が、米国と英国とフランスに保管されている金準備を定期的に検査すべきであると提言し、品質検査をするためにニューヨーク連銀に保管されている金地金を、年間あたり50トンを本国へ送還することになったのですが、ニューヨーク連銀は「アメリカで保管した方が安全」と主張して、引き渡しを拒みました。
また、ドイツが金の在庫確認を要求しても、ニューヨーク連銀は保管庫の確認を拒否したとのことです。
ドイツは自国の金の数量や品質を確認できないことに懸念し、全額返還を要求しましたが、ニューヨーク連銀は預けている300トンの返還は7年間かけてしか応じないとし、最初の返還時にはたった5トンしか引き渡さなかったようです。
最終的には、2017年に保有する金地金を回収したとドイツは発表しています。
なお、返還された金にドイツ連銀の国印がなかったようです。
ドイツの金塊はどこへ行ってしまったのでしょうか?
つまり、返還された金はドイツが預けたものではなかった可能性がありますが、これは、ニューヨーク連銀にドイツの金が存在したのかという疑問があります。
最終的に、ドイツは保有する金地金を回収したことを発表したとのことですが、
これも本当なのか疑ってしまいます。
ドイツが保有する金地金を回収できたかどうかはわかりませんが、返還期間を延ばして、その間に、掻き集めた感はありますね。
まとめ
- 金や銀がアメリカに集まり始めた
- ドナルド・トランプ氏は金本位制を称賛していた
- 本当にアメリカには金はあったのか?
投資家それぞれに適した投資先のアドバイスをいたします。
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著者プロフィール

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投資アドバイザー
愛知大学経済学部卒業
大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。
その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
ファイナンシャルプランナー2級も取得。
自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Collegeに参画。
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