NISAによって個人投資が広がった一方で、「買うだけで満足する投資家」と、「買わせれば仕事が終わる金融マン」が量産されている。
肝心の“売り”が語られないまま投資がスタートし、出口のない投資行動が続く――これが今の日本の資産形成の最大の問題だ。
インデックス投資を否定するわけではない。
問題は「なぜ買うのか」「いつ売るのか」「どの水準で買い戻すのか」という基本設計が存在しないことだ。
その思考の欠如を放置したまま積み立てれば、暴落時にパニック売りし、上昇局面では不必要に高値を掴むという、“典型的な負けパターン”を繰り返す。
買わせたい金融機関と、考えずに買う投資家。
この2者が揃った瞬間に、すでに負けのルートは決まっている。
- インデックス信仰が「出口のない投資」へと変質している
- 「自分で売れない」人間は最初から勝てない
- 証券マン・IFAが“買い”しか語らない当たり前の理由
- 保険屋は「保証と数字」を餌に契約者の思考を奪う
- 「人に決めてもらう投資」は100%負ける
インデックス信仰が「出口のない投資」へと変質している

本来のインデックス投資は、
・長期保有
・下落時の耐性
・余剰資金運用
という前提が揃ってこそ成立する。
しかし今のNISA投資家の多くは、
• ただ上がっているから買う
• 積立していれば安心と思い込む
• 下がると不安で確認し、最終的に売る
• まとまった支出があれば売却
これではインデックス投資ではなく、
**“上昇時に買い、下落時に売る仕組み”**が完成してしまう。
本質を理解せずに商品だけ真似するのは、投資ではなく模倣でしかない。
「自分で売れない」人間は最初から勝てない

投資で勝敗を分けるのは、買う瞬間ではなく売る瞬間である。
しかし実際には、
• 上がると「もっと上がるはず」と欲が膨らむ
• 下がると「戻るまで待とう」と現実逃避する
• 自分で売るラインを決めていない
この心理構造により、ほとんどの投資家は売れない。
そして、売れない人間が必ず言う言葉がある。
「長期だから関係ない」
「積み立てだから気にしない」
それは本当に“自分の意志”なのか。
それとも“考えたくないから逃げている”だけなのか。
逃げる投資姿勢は、いずれ必ず損失という形で返ってくる。
証券マン・IFAが“買い”しか語らない当たり前の理由

証券マンやIFAが「売り」を言わないのには理由がある。
構造的に“売りを言うメリットがゼロ”だからだ。
• 買わせる → 手数料
• 売らせる → 手数料なし
• 売りで含み益が消えれば顧客が不機嫌になる
• 相場の先読み責任を負いたくない
つまり彼らは、
**“買わせることだけが仕事”**であり、
“その後の相場に向き合う責任”を持たない。
本来、投資アドバイスの核心は「売りの判断」にあるはずだ。
だが金融機関はそこを避け、顧客もその不在に気づかないまま投資している。
出口のない投資が生まれるのは当然である。
保険屋は「保証と数字」を餌に契約者の思考を奪う

保険屋の世界では、保証と見栄えの良い試算表が全てである。
• 元本保証
• 予定利率
• 受取額のシミュレーション
• 老後不安を煽るセールストーク
これらを並べれば、リスクを考えない契約者は簡単に納得する。
しかし現実は、
• 異常に高い手数料
• リターンはインデックス以下
• 複雑で理解不能な仕組み
• 契約者の利益より会社の利益を優先
こうした構造の中で、契約者は長期的に“気づかない損失”を積み重ねる。
保証が安心に見えるのは確かだが、
その裏側で支払っているコストと機会損失はとてつもなく大きい。
「人に決めてもらう投資」は100%負ける

投資で最も危険なのは、
**“自分で判断しない姿勢”**である。
• みんながそうしているから
• NISAだから
• 証券マンが言ったから
• 保険屋に勧められたから
• 口コミで評判が悪かったから
• SNSで誰かが言っていたから
こうした他人の意見に寄りかかる投資こそが、最大の損失要因になる。
投資に必要なのは、
理解 → 判断 → 行動 → 検証
という基本サイクルであり、これを放棄した瞬間に、結果は決まる。
「自分の判断で売り買いできる人」だけが市場で生き残る。
“言われた通りに買っただけの人”が勝てる相場など存在しない。
何でもPDCA回せないとダメってことですね。
弊社もアドバイスはしますが、自分で考えることは当たり前です。ただ投資先の選択肢として『元本確保型ファンド(Magjificent7)』でラチェット運用ができる。など色々な選択肢があるということを知らなければ、よりリスクを取らないといけなくなります。
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まとめ
今の日本の個人投資は、
<自分で考えない投資家>
×
<買わせるだけの金融マン・保険屋>
という組み合わせによって、最初から負けのルートが敷かれている。
• インデックスだから安心なのか
• なぜ買い、どこで売るのか
• 価格の高低を判断できているか
• コストを理解しているか
• 誰のための投資なのか
これを一つひとつ問い直すだけで、投資成績は大きく変わる。
投資とは、自分の意思で売買し、自分の責任で決める行為である。
その覚悟を持たない人は、市場に入った瞬間にすでに負けている。
著者プロフィール

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投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。
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