「孤独死保険」が急増!その背景とは?

こんにちは、K2 Collegeの野村です。

今回は、7月19日に朝日新聞に掲載されておりました「「孤独死保険」マンション管理組合向けに発売 東京海上日動」を基に「孤独死保険」ついて解説しようと思います。孤独死保険とは、どのような補償内容なのでしょうか?

  • 孤独死の現状
  • 「孤独死保険」の補償内容
  • 「孤独死保険」のメリット・デメリット
  • (まとめ)加入するかは物件次第

孤独死の現状

ここでは、孤独死の現状についてお伝えします。孤独死は別名「孤立死」とも言われており、高齢化や一人暮らしが増加している中、全国で年間3万人ともいわれる方が孤独死をしております。

孤独死とは、主に一人暮らしの人が誰にも看取られることなく亡くなって、長期間気づかれないことを指しますが明確な定義はないそうです。厚生労働省などは「孤立死」と呼び、東京都福祉保健局の東京監察医務院は「孤独死」と呼んでいます。

参考ですが、東京都内の状況は東京都監察医務院の統計から分かります。
それによると、以下のグラフのように2011年以降、65歳以上の人の自宅での死亡者数は年々増加しており、2016年は3,936人となっています。

東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数

また、孤独死は高齢者に多いイメージですが孤独死者でみると平均年齢は男女ともに約61歳。平均寿命と比較し20歳以上も若くして亡くなっています。高齢者になる前(65歳未満)に亡くなる方の割合も男女ともに50%超となっています。未婚化やコロナ禍で人との接触が減ったことも原因の1つとしてあるのかと思います。60歳未満のいわゆる「現役世代」の孤独死者の割合は4割となっています。

日本は、世界でも有数の「孤独死大国」だ。海外の一部メディアは、この日本語をそのまま「kodokushi」と表記しているほどだ。そんな日本で、今、孤独死保険が急増しているんだとか。それについては次のパートで解説していきます。

「孤独死保険」の補償内容

ここでは「孤独死保険」について解説していきます。

孤独死保険とは、アパートやマンションの住人の「孤独死」によって生じた「金銭的損害」を補償する保険のことをいいます主に大家向けの損害保険の事で入居者が病死や自殺、犯罪などによって自宅内で死亡した際に発生する「原状回復費用」をカバーする保険のことを指します。1件の孤独死が起こるだけで、60万円近くもの損害が発生するため、万が一に備える保険として今加入されている大家さんが急増しているんだそうです。

具体的には、死亡した入居者の体液などによって汚れた畳の張り替えやリフォーム費用などの「原状回復費用」や、冷蔵庫やソファーなど、家財の撤去に要した「残置物処理費用」などの出費が補償されます。病気による死亡のほか、自殺や犯罪による死でも「自宅内での死亡」であれば、補償が受けられます。

「孤独死した場合は、亡くなった入居者の家族に損害賠償を請求すればいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、必ずしも、親族が補償してくれるとは限りません。

入居者が家族と疎遠であれば「私は関係ない」と啖呵を切られてしまう場合もありますし、そもそも、身寄りがいない場合もあります。
そうすると、原状回復費用を大家さん自身が負担しなければならない可能性が大きいです

そんな中、損保最大手の東京海上日動火災保険が7月から、分譲マンションの管理組合向けに孤独死が起きた際の損害を補償する保険の販売を始めた。入居者が孤独死して遺族が見つからず、管理組合が費用の支払いを求められた場合に補償する。室内の清掃や消毒にかかる費用のほか、相続人を探すための弁護士費用などが対象になる。

今後、孤独死保険に関して損保各社で激戦となりそうだ。

「孤独死保険」のメリット・デメリット

ここでは、孤独死保険のメリット・デメリットを解説していきます。

そもそも、孤独死保険には大きく分けて2つの種類があります。一つは大家さんが加入する家主型、もう一つは入居者が加入する入居者型です。

家主型は、死亡事故発生時に損失を補償するもの。一方の入居者型は、入居時に加入する家財保険の特約として、死亡事故への補償も行うというものです。この二つは、被保険者や補償内容などに違いがあり、各保険会社の商品ごとにも違いがあります。

家主型

家主型のメリットですが、家賃損失がカバーできる点です。孤独死により事故物件化した場合、家賃の減額や原状回復のための空室期間が発生します。一般的に、家賃保証費用として支払われる保険金額は30万円前後と言われております。万が一の場合に、これだけの金額が補償されるのは心強いのではないでしょうか。

一方で、家主型のデメリットとしては入居者型と比較した場合に賃貸オーナーの支出が増えることが考えられます。ただ、1戸あたりの保険料は数百円程度です。

入居者型

入居者型のメリットは、大家さんの保険料負担がないことです。また、入居者が加入する家財保険の特約として契約するため、孤独死以外の災害もカバーできます。

一方で、入居者型のデメリットは家賃損失が補償内容に含まれていないことです。そのため、孤独死による家賃減額や空室期間の家賃損失はカバーできません。また、保険契約者が入居者のため、原則として原状回復後の保険請求は入居者の相続人が行うことになります。もし相続人がいない場合には保険金の支払いがされません。大家さんや管理会社が保険金の請求を行える特約があるかどうかは事前にチェックする必要があります。

(まとめ)加入するかは物件次第

今後、孤独死が増えることを考えると大家さんや管理会社などは加入したほうがいいかと思いますが、

  • 孤独死リスクの高い高齢の入居者が多い場合
  • 孤独死リスクの高い単身の入居者が多い場合
  • 万が一に備えたい気持ちが強い場合

その上で加入するという場合には

  • 補償の範囲
  • 管理しているアパート・マンションの規模

をしっかり確認しましょう。

また、保険選びだけでは完璧とは言えません。なぜならば、原状回復を行う事業者選定も極めて重要となります。原状回復を行う事業者の選定をミスしてしまうと、処理が甘いためにニオイが残ってしまったり、思わぬ作業漏れが発生したりして、入居者から大きなクレームを受ける可能性があるからです。そのため、確かな技術力のある事業者を選ぶことも必要です。

まとめ

  • 高齢化や一人暮らしが増加している中、全国で年間3万人ともいわれる方が孤独死をしている
  • 主に一人暮らしの人が誰にも看取られることなく亡くなって、長期間気づかれないことを指しますが明確な定義はない
  • 孤独死保険とは、アパートやマンションの住人の「孤独死」によって生じた「金銭的損害」を補償する保険のこと
  • 孤独死保険には大きく分けて大家さんが加入する家主型と入居者が加入する入居者型と2つある
  • 損保会社だけでなく、原状回復を行う業者選定も重要

今回は「孤独死保険」が急増!その背景とは?について寄稿しましたがいかがでしたでしょうか?私は生保出身なので損保についてはそこまで詳しくありませんが、損保のほうが生保よりも日常様々なリスクに備えた保険が多いです。その反面、生保よりも補償範囲が広いため補償対象であっても、保険会社からお尋ねがあるということはほとんどないので、「請求漏れ」が発生します。逆に言えば、こんなのでも保険対象?と聞いてみたら、対象になることもあります。特に大家さんや管理組合の方でまだこの保険に加入されていない方は検討されてもいいかと思います。

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著者プロフィール

野村元輝
野村元輝
<経歴>
大学卒業後、大手宝飾品専門店に3年2ヶ月勤務。
生命保険業界の杜撰さに唖然として、世直ししたい一心で2006年6月から生命保険の代理店で生命保険の営業マンとして11年半勤務。

その傍らで、より顧客ニーズに立ったアドバイスがしたいと思い、2011年10月より個人事業として海外投資のアドバイスを開始。

弊社代表の河合と共通の知人経由で知り合い、その後弊社保険アドバイザー(K2 Assurance)として2017年12月より参画。

現在では、主に弊社パートナー(K2 Partners)向けに勉強会やセミナー講師、オンライン面談などを日々こなしています。
多くのパートナーが海外投資・海外保険のスペシャリストになるように日々サポートしております。

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