日本人だけの特権、オランダ移住

こんにちは、K2 College河合です。

本日は海外移住先として日本人に人気のオランダ移住をまとめようと思います。日本とオランダの100年前の条約が見つかったことで、世界で最もビザの取りやすい国となってます。

そのニュース記事、読んだような気がします。当時、TVでもやたらオランダ特集が組まれてましたね。

映画にもなっているのですが、モンテッソーリ教育が広く浸透しているのがオランダですね。そのおかげか子ども幸福度世界一だそうです。

※映画「モンテッソーリ 子供の家」予告
※子ども幸福度世界一(福祉ネットワーク)

  • 日本人だけ認められている個人事業主ビザ(2年)
  • シェンゲン協定内はどこにいてもOK
  • 5年滞在で永住権
  • 教育費(高校まで)無料
  • 家族ビザOK

日本人だけ認められている個人事業主ビザ(2年)

日本とオランダの間で1912年に締結された日蘭通商航海条約(The Treaty of Trade and Navigation between the Netherlands and Japan)というものがあります。100年以上も経っている戦前の条約ですが、日本人がオランダで労働許可なく就労したり、自由に事業をしたりする特権が認められるという内容になっています。

ただこの条約、二度の世界大戦による混乱もあったためか、実際は長い間忘れ去られていました。再び注目を集めるきっかけになったのが、オランダにある文化センター「松風館」をめぐる裁判でした。

松風館はオランダのロッテルダムにある日本をテーマにした文化会館で、2012年に日本茶室と庭園の建設のために日本から宮大工を招聘しました。当時、日本人がオランダで働くためのハードルは高く、EU諸国で適切な人材がいなかったと雇用主が証明する必要がありました。その上さらに、労働許可を取得する必要がありました。これはオランダ国内の雇用機会を守るための仕組みですが、松風館の場合は日本独特の建築技術が必要とされることから、宮大工の雇用には労働許可の取得は必要ないと考えていました。しかし、オランダ労働局はこの就労を違法として6万ユーロ(約780万円)の罰金を課しました。

その後、松風館はこの労働局の判断を不服として裁判を起こすことになるのですが、これは自然な成り行きだったと思います。松風館は財団法人ですから、罰金が高すぎて払えなかったという背景もあるでしょう。

そして、裁判の中で松風館側の弁護士が展開したのが、1912年に締結された日蘭通商航海条約を根拠として「オランダにおける日本人の労働許可取得は必要ない」という主張でした。この主張が認められて、松風館は勝訴しました。

結果、現在も日本人だけオランダ人と同等の働く権利(個人事業主ビザ)が認められてます(なお同じシェンゲンの富裕国スイス人ですら認められていません)。

この記事、読みました。けれど制度が変わってしまったりしませんか?

松風館裁判の後も日本企業による大掛かりな進出や日本人の大量採用などはありませんから、わざわざ条約変更するほどの政治的圧力もありません。おそらくこのままの状態が続くのではないでしょうか。

シェンゲン協定内はどこにいてもOK

シェンゲン協定というのをご存知ですか?EUとも微妙に加盟国が異なるのですが、シェンゲン協定を結んでいる欧州諸国内であれば、実質どこにどれだけいても問題ありません。ですので、ビザの取りやすいオランダでビザを取得し、ご自身の好きな国(例えばフランスやスペインなど)で部屋を借りて住むこともできます。

以下、シェンゲン協定加盟国です。

オーストリア
ベルギー
クロアチア
チェコ
デンマーク
エストニア
フィンランド
フランス
ドイツ
ギリシャ
ハンガリー
アイスランド
イタリア
ラトビア
リヒテンシュタイン
リトアニア
ルクセンブルク
マルタ
オランダ
ノルウェー
ポーランド
ポルトガル
スロバキア
スロベニア
スペイン
スウェーデン
スイス

イギリスはダメだけど、欧州ほぼ全て入ってますね。

そういうことですね。EUに加盟していないスイスも入っています。

5年滞在で永住権

2年更新の個人事業主ビザですが、いくらか売上をあげておけば更新も難しくはありません。そのままオランダ、もしくはシェンゲン協定内に住み続ければ、5年で永住権を取得する権利をもらえます。

ただしオランダ語の試験があるそう。永住権取得するにはただ楽しいだけの生活ではダメそうですね(笑)。

永住権取れる!と思ったのに、オランダ語か・・・。

実際、私も世界中行ってますが、オランダ語を使う機会はほとんどないので、オランダで永住権はちょっと現実的ではないですよね。オランダに住みながら、他の国の永住権取得を目指しましょう。

教育費(高校まで)無料

オランダでは18歳までの学校は公立・私立ともに学費が無料です。これは自国民・留学生いずれも対象となるので、日本人にとっても大きいですよね。

更に冒頭でちょっと書いたように、オランダはシュタイナー、イエナプラン、モンテッソーリ教育が浸透しており、自分で考え、自分で決めて行動する教育が尊重されてます。そのため、オランダの子どもは幸福度世界一だと評価されてるようですね。

2児の母です。二人とも日本の公立小学校へ通わせてますが、私が子供の時と同じようなことをまだしており、不安に思っています。IT教育と言って重いiPadを毎日学校へ持って行っては、宿題のリストをそれで確認するだけという現状に愕然としています。とはいえ、お受験して私立も高いので、困ってます。

お受験して私立へ行ったところで、結局日本人しかいませんし、日本語しか話せない、自律できていない大人になりますよね。一つの決められた答えを当てることをするだけの偏差値教育を18歳まで受けたら、そうなってしまってもしょうがありません。

その点、オランダは多言語、多様性、自律がベースにありますから、その後が楽しみですよね。しかも18歳まで教育費無料って、とても魅力だと思います。教育移住、お子さんのために是非考えてあげてください。

家族ビザOK

個人事業主ビザを取得すれば、家族全員で移住が可能です。配偶者、お子さんも問題なく一緒に滞在でき、学費無料で教育を受けることができます。

家族で教育移住が目的で来られているファミリーは、そのままオランダに住み続けることを希望される方が多いので永住権も目指しますが、オランダ語ができなければ、そのまま個人事業主ビザを2年ごとに延長し続けて滞在しています。

手続きにどのくらいの期間と金額がかかりますか?

最終的なResident Card(住民票)が届くのが3ヶ月ほどですが、その前に仮滞在許可証が出るので、滞在したり子どもを学校に入学させたりすることができます。

まとめ

  • オランダのビザはとても取りやすい
  • 日本人のみの特権
  • ビザコストも教育費も極めて安い
  • 永住権まで不要であれば、まず気軽にオランダへ行こう

世界は広いです。海外に住んだこともないのに、その国に永住するってなかなか決められないですよね。また欧州はとても魅力的な地域ですが、他の欧州でビザを取得するのはとても難しいです。まずは海外移住の入口としてオランダを選び、滞在中、他の欧州諸国を見てまわりましょう。

ビザ手続き、移住サポートご希望であれば、いつでもこちらからご連絡ください(相談料無料)。LINEからのご連絡もお待ちしてます。

ビザ手続き前に法外なコンサル料を請求してくる業者には気をつけてくださいね。

※海外移住、海外ビザ悪徳業者に注意を

著者プロフィール

河合 圭
河合 圭
<経歴>
青山学院大学国際政治経済学部国際経営学科ファイナンスコース卒業
中国天津南開大学漢語語言学院留学
野村證券にて4年半勤務、2008年リーマン・ショックの前日に退社
プライベートバンクを経て、2009年K2 Investment設立
2014年ボストン留学、2018年Paris留学
現在、K2 Holdings会長

<趣味>
ダイビング、クルージング、自然

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