グローバルサウスとは何か ― 概念の整理と現在地

グローバルサウス(Global South)とは、冷戦期に使われた「第三世界」という言葉に代わり、1990年代以降に定着した概念で、主に新興国・途上国を包括的に指す呼称です。地理的に「南」に位置する国が多いことからこの名称が使われていますが、本質は地理ではなく、経済発展段階・政治的立ち位置・国際秩序への距離感にあります。

一般的には、
• 北米・西欧・日本などの先進国(グローバルノース)
• それ以外のアジア・中東・アフリカ・中南米を中心とした国々
が対比されます。

近年、グローバルサウスは単なる「発展途上」ではなく、
• 人口増加
• 中間層の拡大
• 資源・エネルギー供給国
• 地政学的な存在感の上昇

といった要素を背景に、世界経済の成長エンジンとしての位置づけが急速に強まっています。特に米中対立以降、先進国一極集中から**多極化(マルチポーラリティ)**へと世界が移行する中で、グローバルサウスの戦略的重要性は決定的に高まっています。

  • グローバルサウスを構成する主要地域と国の分類
  • 経済構造から見た各国の特徴と成長ドライバー
  • 株式投資の観点で重要な「注目国」とその理由
  • グローバルサウス投資で必ず意識すべきリスク
  • 実務的な投資スタンスとポートフォリオでの位置づけ

グローバルサウスを構成する主要地域と国の分類

いちからわかる!)グローバルサウスってどんな国々なの?:朝日新聞

グローバルサウスは一枚岩ではなく、以下のように地域ごとに性格が大きく異なります。

アジア
• インド
• インドネシア
• ベトナム
• フィリピン

人口・労働力・内需が強く、製造業移転とITサービスの受け皿として成長。

中東
• サウジアラビア
• UAE

エネルギー資源国でありながら、近年は脱石油・金融・観光・AI投資に注力。

アフリカ
• ナイジェリア
• ケニア

人口爆発とモバイル金融の普及が特徴。将来性は高いがリスクも大きい。

中南米
• ブラジル
• メキシコ

資源国+米国向け製造拠点。為替・政治の振れが大きい。

経済構造から見た各国の特徴と成長ドライバー

2025年最新】サウジアラビアの観光ビザ解禁!おすすめ観光地をエリア別に紹介 | NEWT(ニュート)

インド:人口×IT×内需の三位一体
• 人口14億人超
• ITサービス、製薬、金融
• 民主主義+英語圏

➡ 内需主導型で外需依存が低いのが最大の強み。

インドネシア:資源×人口×ASEANの要
• ニッケル、石炭、天然ガス
• EVバッテリー戦略
• ASEAN最大人口

➡ 資源と製造の両面を持つハイブリッド型。

ベトナム:ポスト中国の製造拠点
• 中国依存リスク回避の受け皿
• 人件費の安さ
• 政治的安定

➡ サプライチェーン再編の最大受益国。

サウジアラビア:国家主導型の巨大投資
• 国営ファンド(PIF)
• NEOMなど超大型プロジェクト
• エネルギー収益を再投資

➡ 国家戦略=投資テーマという特殊性。

株式投資の観点で重要な「注目国」とその理由

タージ・マハル - インド 世界遺産の旅【HIS】

株式投資として「現実的に投資可能」かつ「リターンが狙える」国は限られます。

最重要国:インド
• 市場規模・流動性・企業数
• ガバナンスは新興国として上位
• MSCI比率上昇

➡ 長期コア枠に組み入れ可能。

次点:インドネシア・ベトナム
• 高成長だがボラティリティ高
• ETF・アクティブファンド経由が現実的

➡ 成長枠(サテライト)向き。

中東(サウジ・UAE)
• 株式市場は未成熟
• 国家政策リスクあり

➡ テーマ投資・限定枠。

グローバルサウス投資で必ず意識すべきリスク

リスクの種類 Types of Risk | ビジネスハック 戦略/経営/会計

1. 為替リスク
 高金利=高インフレ=通貨下落の可能性
2. 政治・制度リスク
 突然の規制、外資規制、資本規制
3. 市場流動性
 暴落時に逃げられない
4. ガバナンス
 会計・開示の不透明さ

➡ 「成長率が高い=儲かる」ではない。

実務的な投資スタンスとポートフォリオでの位置づけ

ポートフォリオの作り方!資産配分のポイントとは? | Vシェアマガジン - 株式会社ボルテックス

• 直接個別株よりETF・ファンド
• コア(先進国)7:サテライト(グローバルサウス)3 程度
• 国ではなく**テーマ(人口・IT・資源)**で考える
• 長期前提、短期売買には不向き

特に、
• インド:長期積み上げ
• ASEAN:景気循環枠
• 中東・アフリカ:オプション的扱い

が現実的です。

カントリーリスクなどを考えると個別株は避けた方がいいですよね。

ただ伸び代はあるので、ポートフォリオの一部として取り入れるスタンスで良いと思います。基本的には様々な国やテーマ株を投資先として選べる海外積立(変額プラン)を土台として、米国テック企業に集中投資するなら『元本確保型ファンド(Magjificent7)』を活用して、ラチェット運用しましょう。
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まとめ:グローバルサウスは「未来」だが「万能」ではない

グローバルサウスは、
• 世界人口の8割
• 将来の消費・労働力の中心
• 地政学的影響力の拡大

という点で、無視できない存在です。一方で、
• リスクの非対称性
• 情報の歪み
• 投資環境の未成熟

も同時に抱えています。

したがって、株式投資においては

夢を見る対象ではなく、冷静に組み込む成長エンジン

として位置づけることが重要です。
先進国で土台を固め、その上でグローバルサウスの成長を「取りに行く」。
それが、現実的かつ再現性の高い向き合い方と言えるでしょう。

著者プロフィール

K2編集部
K2編集部
投資家、現役証券マン、現役保険マンの立場で記事を書いています。
K2アドバイザーによって内容確認した上で、K2公認の情報としてアップしています。

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